沙は名前に良くない?否定的意見8つ掲げ60爺の寸評をぶつけた
名付けの漢字について、悪質な感情論に反論していくシリーズですが、今回もやっていきます。
名付けの際に、なぜ、ネットに意見を問うのか不思議なんですが、知恵袋等に質問が満載ですよね。

真面目に答える方もいらっしゃいますが…。
今回の題材は、アップしたばかりの記事にある「さんずいに少と書く沙」を取り上げます。
この漢字「沙」は、以前取り上げた「汰」と同様に、サイトを巡って抽出した否定的意見を8つ出して、それぞれについて60爺の寸評をぶつけてみることにしました。
それでは、ご一緒に内容を確認していきましょう。
沙という漢字について
名前に良くないかという見当の前に、沙という漢字を知っておきましょう。
まずは、沙の画数や、読み方、意味といった基本情報からです。
部首 | さんずい |
画数 | 7画 |
音読み | サ |
訓読み | すな まさご すなはら よな・げる |
意味 | ①すな。まさご。細かくばらばらの石が集まったすな。非常に細かい石 ②すなはら。水や草のないすな地の荒原 ③よな・げる(よなぐ)。細かい物を水に入れて洗い、悪い物を捨て去りよい物を選びとる ④すなのようなきわめて細かい物に冠することば ⑤ざらざらしているさま。しわがれる ⑥姓の一つ |
沙の部首は水を意味する「さんずい」です。
7画のシンプルな漢字で、音読みは「サ」、訓読みは常用外ですが、「すな」「まさご」「すなはら」「よな・げる」の4つが載っています。
意味は、上記の6つがあります。
①の意には、別に、「いさご。また、すなはま(砂浜)」があり、同義語は「砂」です。
②の別の言い方は「砂漠(サハ゛ク)」ですね。
③の意は非常にいいモノで、同義語の「汰」と合わせた「沙汰(サタ)」という言葉は、「不良なものを流して選別すること」です。
沙のイメージ
「沙」という漢字は「砂」を意味し、細やかで柔らかな粒子の集まりから、繊細さや清らかさを連想させます。
そこには透明感や涼やかさといったイメージも重なり、軽やかで優しい印象を与えます。
また、砂が一粒一粒で無限の広がりを形作るように、「沙」には小さな存在が集まり大きな力となる象徴性もあります。
字形はシンプルで整っており、すっきりとした美しさが特徴です。
そのため、名前に用いられると、清らかで品のある雰囲気を表しつつ、組み合わせる字によって個性を自在に引き出せる柔軟さを備えた漢字といえます。
沙はな名前に良くないか
さて、以上の内容から、沙は名前に良くないか判断してみます。
沙は名前に使う漢字として、なんら問題はありません。
その理由は次のように複数あります。
- 「沙」はさんずいの漢字なので海や水を連想でき、「清らか」「透明感」「洗練された」のイメージにつながる。
- 「水で洗って選り分ける」という意味があるので、「物事を見極める」のイメージもある。
沙に対する否定的意見と60爺の寸評
上述したように、この「沙」に対して、なんで「名前に良くない」なんて声が上がるのでしょう。
そんな否定的意見が上がっているのか確認して参りましょう。
以下に、「沙」に対する名前に良くないという意見と、60爺の寸評を述べていきます。
否定的意見 | 60爺の寸評 |
---|---|
「警察沙汰」や「裁判沙汰」などに使われるため、悪いイメージを抱いてしまう | これは、ただの感情論です。 「沙汰(サタ)」の本来の意味は、不良なものを流して選別することです。 |
「少」が漢字に含まれるので良くない | 「少」の意味は「そぎ取って小さくする」ということであり、「悪い物を捨て去りよい物を選びとる」という良い意味です。 |
キラキラネームになってしまう | どんな漢字もキラキラネームになる可能性があります。漢和辞典を使用して、自分流の読みを採用しないようにしましょう |
さんずいの付いた文字は「流れてしまう」「水難に遭う」という連想につながり、嫌う人もいる | こちらも、感情論、即ち、個人の好みの問題です。 社会的な事実には全く関係ありません。 |
沙は「すな」のことだから名付けに良くない | 上述したように、良い意味もたくさんあります。一点だけに絞って攻撃するのは感情論ですよね。 |
読み方が難しく命名に向かない印象 | この意見は誤解があります。 「さ」「しゃ」などシンプルで覚えやすい読みを持った漢字です |
字形がシンプルで印象が薄い名前になるから | シンプルさは欠点ではなく強みであり、他の漢字との組み合わせにより多彩な個性を引き出せる柔軟さを持ちます |
あまり人気がないから | 「人気の有無」は一時的な流行に左右される要素で重要ではありません。 人気が低いことでかえって同じ名前が周囲に少なく、オンリーワンの魅力を持てる点も大きな利点です |
否定的意見には、根拠のある内容が乏しく、また、誤解が多い印象です。
個々の意見について、もう少し、詳しく見ていきましょうか。
「警察沙汰」等から悪いイメージを抱く
これは、単なる感情論です。自分が嫌いな漢字なので、何とか屁理屈をひねり出しただけです。
対象の漢字が、ある言葉に使用されているのでイメージが悪いというのであれば、どんな漢字でも悪者にできるでしょう。
そもそも、「沙汰(サタ)」の本来の意味は、不良なものを流して選別することです。
時間が経過するうちに、今回出てきた「警察沙汰」のような部分にも使われるようになっただけのモノです。
そのため全く気にすることはありません!
「少」が漢字に含まれるので良くない
つくりにある「少」の字に因縁をつけてきました。「少」⇒少ない、足りないなど悪い意味があるから、名前には良くないという論法です。
これも、上記の警察沙汰と同じ、個人の好みの押し付けに他なりません!
この「少」の意味は「そぎ取って小さくする」ということです。即ち、「悪い物を捨て去りよい物を選びとる」という良い意味なんです。
悪いどころか、とても良い意味なんですよ~!
こういうイチャモンをつける方って、本来の意味を調べることもせず、自分流の好み、感情を押し付けてきますので、スルーしちゃいましょうね。
キラキラネームになってしまう
キラキラネームは命名する人の問題です。漢字のせいじゃないんですよ。
漢字の読みを個人が勝手に作るせいです!
ネットの中には、名前の読みは自由であるというサイトを散見しますが、感覚がずれてます!
漢字の読みを自分流に作って届け出る人達がこの事態を招きました。
現在、国がキラキラネームの対策に乗り出しています。自分流の読みは、名付けの届けが認められなくなる可能性が高いです。
名付けの際は、ネットではなく漢和辞典に当たりましょう。そうして、キラキラネームにしないように。
具体的に「沙」のつくキラキラネームを挙げておきます。
- 女の子で、「亜沙(あず)」「菜沙(なずな)」
女の子で「ず」「ずな」と読ませようとしていますね。名付けで「す」「すな」がありますが、濁点を追加しています。
これは、細かいですが「勝手に自分流の読みを入れた」なんて思われてしまうので要注意です!
さんずいの付いた文字は良くない
他のサイトを見ると、「さんずい」の漢字であるため次の点で良くないと言われるモノです。
- 「水難」を連想させる
- 「さんずい」=「水」=「流れる」ことから流産しやすい
それぞれの理由を一つの章に当て、2つの意見として当てているサイトが散見されます。
こういう考えは昔からあります。
たとえば、木へん・草冠の名前は植物に繋がり、枯れるので良くないという寸法ですね。
これ、年配の人から指摘される場合があるかもしれません。
しかし、この指摘ですが、全く根拠のないものですね!
過去に、このような統計が取られたことはないし、とりようもないのです。
「全くのでたらめ」「根拠のない迷信」と言っていいでしょう。
そもそも、過去に、さんずいの漢字を持つ名前の人は多数いらっしゃるのに失礼ですよね
しかし、この考えを、さも事実であるように語る方が多数いるので惑わされないようにしましょう。
沙は「すな」のことだから良くない
確かに、沙の意味には「すな」という意味がありますが、だから何?ですね。
これも、自分の好みを言っているだけです。
沙には、「水で洗って選り分ける」ことから、「物事を見極める」のイメージもある良い漢字です。
こういうことを言う方は、悪い一点を強調して、良い面に目を向けようとしない、悪意があると言ってもいいでしょう。
物事は全体を俯瞰して判断することが大切です。
読み方が難しく命名に向かない印象
「沙」は読み方が難しいため命名に不向きだという意見には誤解があります。
確かに「沙」は日常的に多用される漢字ではありませんが、名付けにおいては「さ」「しゃ」などシンプルで覚えやすい読みが広く定着しています。
たとえば「沙織」「沙耶」「沙羅」などは一般的によく見られる名前であり、読み方で迷われることは少ないのが実情です。
また、多少珍しさがあるからこそ、名前に特別感や個性を与える要素ともなります。
漢字の読みは組み合わせによって自然に受け入れられる場合が多く、「沙」もその柔軟さを持ち合わせています。
従って、「沙」は読みが難しいどころか、親しみやすい読みと美しいイメージを兼ね備えた、命名に適した漢字といえるでしょう。
字形がシンプルで印象が薄い名前になるから
「沙」はシンプルな漢字のため、個性が薄いと見なされたりてしまうので名前に良くないという意見です。
この意見には根拠がありません。
むしろ「沙」は砂や細やかさを表し、自然の繊細さや清らかさを象徴する漢字です。
そのため、名付けに用いれば「清らかに生きる」「一粒一粒を大切にする」といった深い願いを込められます。
また、シンプルさは欠点ではなく強みであり、他の漢字との組み合わせにより「沙織」「沙耶」「沙羅」など多彩な個性を引き出せる柔軟さを持ちます。
さらに、字形がすっきりして美しく、読みやすく覚えやすい点は、長く使う名前として大きな利点です。
したがって、「沙」は印象が薄いどころか、清らかで柔軟な魅力を備え、現代的な名付けにも十分ふさわしい漢字だといえます。
あまり人気がないから
「沙」は、あまり人気のない漢字なので、現代のトレンドと乖離しているため名前に良くないという意見です。
これって、それこそ、あまり説得力がない意見です。
名付けにおける「人気の有無」は一時的な流行に左右される要素で重要ではありません。
「沙」は砂や清らかさを意味し、柔らかさや透明感を象徴する美しい漢字です。
たとえ使用頻度が高くなくても、「沙織」「沙耶」「沙羅」など他の漢字と組み合わせることで独自の響きや個性を生み出せます。
また、人気が低いことでかえって同じ名前が周囲に少なく、オンリーワンの魅力を持てる点も大きな利点です。
字形もシンプルで整っており、読みやすく覚えやすいことは実用面でも優れています。
したがって「沙」は人気に左右されない普遍的な美しさを備え、名付けに十分ふさわしい漢字といえます。
※「この漢字は名前に良くないのか」で「さんずい」の記事は次の通りです。
沙を名前に使う時のポイント
最後に、沙を名前に使う場合のポイントを述べて記事を終わります。
沙は「砂」や「細やかさ」を意味し、繊細で透明感のある印象を与える漢字です。
「沙」を名前に使う際のポイントは、そのシンプルさと清らかなイメージをどう活かすかにあります。
また、「沙」はすっきりとした字形を持つため、画数の多い漢字と合わせると全体のバランスが美しく整います。
読み方は「さ」「しゃ」とシンプルで覚えやすく、呼びやすい名前に仕上げやすい点も利点です。
流行に左右されにくいので、長く使える普遍的な名付けが可能になります。
さんずいに少と書く「沙」は、赤ちゃんの名前ランキングで、「凪沙(なぎさ)」が女の子の部で2024年87位、2023年100位にランクインしています。
この漢字は、止め字としても使えますし、その他にもいろいろと使えそうです。
どちらかというと、女の子向きの漢字かと思いますが、男の子の向けにも十分対応しそうです。
上述した、沙の良い所から連想して次の願いを込められるでしょう。
- 清らかな心を持つ人に
- 広い心を持つ人に
- 物事をきちんと見極められる人に
以下に男の子、女の子の名前の例を挙げておきます。
- 男の子:渚沙(なぎさ)、真沙人(まさと)、和沙(かずさ)
- 女の子:沙羅(さら)、沙樹(さき)、沙弥(さや)
沙が名前にある有名人
沙が名前にある有名人を集めました。
有名人 | 読み | 職業 |
---|---|---|
木村沙織 | きむらさおり | 元バレーボール選手 |
高梨沙羅 | たかなしさら | スキージャンプ選手 |
新垣里沙 | にいがきりさ | タレント |
原沙知絵 | はらさちえ | 女優 |
平子理沙 | ひらこりさ | モデル |
福山知沙 | ふくやまちさ | アナウンサー |
増田梨沙 | まつだりさ | 子役 |
吉田沙保里 | よしださおり | 元レスリング選手 |
アスリート(3名)の名前は60爺でもさすがに知っています。
全員、女性ですな。
やはり、女性向きの名前なんでしょうか。
ここに上がった8名の有名人の「沙」の読みは、全員が「さ」でした。
※なお、「沙」は、「さんずいに少で紗」で記事をアップ済です。
上記の名前の使われ方の他にも、書き順、沙のつく言葉等も解説しています。
最後に
沙が名前に良くないと聞きまして、また似たような噂だろうと当たりを付けてみてきました。
まあ、案の定と言うか代わり映えしないというか、似たような指摘が多かったですな。自分の好き嫌いで言いたい放題です。
それらについて見解を述べました。まあ、悪い噂はパターンが同じで、気に入らないことを、さも一般論のように展開するやり口でした。
本文でも言いましたが、俯瞰してみれば自ずと善し悪しが分かりますよ。
この先も、別の漢字についても見ていきます。
※気づけば「〇名前良くない」の記事も増えてきました
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