オランダの呼び方は日本だけ?なぜそう呼ぶのか世界各国の名称も解説
「オランダ」という国名ですが、日本では当たり前ですが、海外では通じないことが多い呼び方だそうです。
実は、英語をはじめ多くの国では「オランダ」ではなく、まったく別の名称が使われています。
では、なぜ日本だけが「オランダ」と呼ぶようになったのでしょうか。
本当に日本独自の呼び方なのか、それとも例外はあるのでしょうか。
この記事では、「オランダ」という呼び方が日本で定着した理由を歴史的背景から解説しつつ、世界各国ではどのように呼ばれているのかを分かりやすく整理します。
オランダという呼び方は日本だけなのか?

結論から言うと、「オランダ」という呼び方は、日本語では一般的ですが、世界的にはほとんど使われていません。
現在のオランダの正式な国名は「ネーデルラント王国」であり、英語では「Netherlands」、フランス語では「Pays-Bas」、ドイツ語では「Niederlande」など、「低い土地」を意味する名称が各国で使われています。
この点から見ると、日本語の「オランダ」はやや特殊な呼び方だといえるでしょう。
ただし、「オランダ」という名称自体が完全に日本だけの造語というわけではありません。
もともとは、現在のオランダ国内にある「ホラント(Holland)」という地方名に由来しています。
多くの国では国全体を指す名称としては使われなくなった一方、日本ではこの「ホラント」に由来する呼び方が、そのまま国名として定着しました。
その結果、日本語では、現在も「オランダ」という呼称が使われ続けているのです。
※こちらでは、オランダの漢字表記について記事にしています。
⇒ オランダの漢字表記は複数存在!由来は当て字や漢名の取り込みなど
なぜ日本では「オランダ」と呼ぶようになったのか?
日本で「オランダ」という呼び方が定着した背景には、江戸時代に日本が主に接していたヨーロッパの相手が、現在のオランダにあたる地域の商人たちだったという歴史的事情があります。
当時、日本は鎖国政策をとっており、ヨーロッパ諸国との交流は厳しく制限されていました。
その中で、長期間にわたって公的な交易関係を維持していたのが、オランダ東インド会社を通じたオランダ人商人との交流です。
このため、日本側に伝わる西洋の情報や人々は、結果としてオランダに由来するものが中心となりました。
出島を通じて伝わった「ホラント」に由来する呼び名
出島に滞在していたオランダ東インド会社の商人や関係者の多くは、当時、政治や経済の中心地であった「ホラント(Holland)」と呼ばれる地方と関わりの深い地域の出身でした。
そのため、日本側では、彼らの出身地名に由来する呼び方が、相手の国全体を指す名称として受け取られたと考えられています。
実際、「ホラント」は現在でもオランダ国内の一地方名であり、本来は国名そのものではありません。
しかし、歴史的にはヨーロッパ内でも、この地方名が国全体を指す呼称として用いられることがありました。
なぜ「ネーデルラント」という名称に置き換わらなかったのか
明治時代以降、日本はオランダの正式な国名が「ネーデルラント(Netherlands)」であることを認識するようになります。
それでも、「オランダ」という呼び方はすでに長い年月をかけて日本語として定着しており、日常的な国名として使われ続けました。
このように、日本で「オランダ」という呼称が残ったのは、誤解というよりも、限られた国際交流の中で形成された歴史的な慣用表現が、そのまま現在まで受け継がれた結果だといえるでしょう。
世界各国での呼び方はどうなっている?

日本では「オランダ」と呼ばれているこの国ですが、世界各国ではまったく異なる名称が使われています。
多くの言語に共通しているのは、「低い土地」を意味する名称が国名として採用されている点です。
代表的な呼び方を見てみましょう。
- 英語:Netherlands
- フランス語:Pays-Bas
- ドイツ語:Niederlande
- スペイン語:Paises Bajos
- イタリア語:Paesi Bassi
これらはいずれも、「低地」「低い国」といった意味を持つ言葉で、国土の多くが海抜の低い土地であることに由来しています。
この点が、日本語の「オランダ(Holland由来)」とは大きく異なる点です。
一方、中国語では「荷兰(ホーラン)」という表記が使われています。
これは、英語や現地語というより、日本語の「オランダ」や、ヨーロッパで使われていた「Holland」という呼称の影響を受けたものとされています。
このように見ていくと、日本語の「オランダ」は世界的に主流な呼び方とは言えず、むしろ歴史的な経緯によって独自に定着した名称であることが分かります。
日本語の「オランダ」と同様に、「Holland」に由来する呼び方を使っている言語も存在します。
たとえば、前述した、中国語の「荷兰(ホーラン)」、ポルトガル語では「Holanda」と表記されます。
これらはいずれも、歴史的にヨーロッパで広く使われていた「Holland」という呼称の影響を受けたものです。
ただし、このような呼び方は例外的であり、英語やフランス語、ドイツ語など、多くの主要言語では、現在も「Netherlands(低地の国)」に由来する名称が一般的です。
なぜ「Holland」は正式な国名ではないのか?
「オランダ」という呼び方の元になった「Holland(ホラント)」ですが、実はこれは正式な国名ではありません。
現在の正式名称は「ネーデルラント王国(Kingdom of the Netherlands)」であり、「Holland」はその一部を指す地名に過ぎません。
ホラントとは、現在のオランダ国内にある地方名で、かつての北ホラント州・南ホラント州にあたる地域を指します。
この地域は、歴史的に政治や経済、貿易の中心地であったため、国外からは国全体を代表する存在として認識されやすい土地でした。
その結果、ヨーロッパ内部でも、便宜的に「Holland」という名称が国全体を指す言葉として使われる場面がありました。
しかし、これはあくまで慣用的な呼び方であり、正式な国名ではありません。
実際、オランダ政府は、2020年1月に正式名称を英語の「The Netherlands」に統一することを発表しています!
観光やスポーツの分野では引き続き使われることもありますが、公式な表記としては「Netherlands」が基本です。
このように、「Holland」は歴史的・慣用的には広く知られた名称である一方、国全体を正確に表す正式名称ではありません。
日本語の「オランダ」は、この地方名に由来する呼び方が、そのまま定着した例だといえるでしょう。
日本で今後「ネーデルラント」と呼ばれる可能性はある?
結論から言うと、日本で国名として「ネーデルラント」という呼び方が一般化する可能性は、現時点では高くないと考えられます。
その理由の一つは、「オランダ」という呼称が、長い歴史を通じて日本語として定着している点にあります。
江戸時代から使われ続けてきた名称は、たとえ、正式名称と異なっていても、日常語として簡単に置き換わるものではありません。
また、学校教育や報道、一般的な出版物においても、「オランダ」という表記が標準的に用いられてきました。
このような背景から、社会全体で呼び名が自然に切り替わるとは考えにくいのが実情です。
一方で、国際的な場面や公式文書では、「ネーデルラント」あるいは英語表記の「Netherlands」が使われる機会は増えています。
スポーツ大会や国際会議、政府発表などでは、正式名称を意識した表記が採用されるケースも見られます。
今後、日本語の中で「ネーデルラント」という名称がまったく使われなくなるわけではありませんが、少なくとも日常的な国名としては、「オランダ」という呼び方が引き続き主流であり続ける可能性が高いでしょう。
まとめ
日本で使われている「オランダ」という国名は、世界的には一般的な呼び方ではありません。
多くの国では、正式名称である「ネーデルラント(Netherlands)」に由来する名称が使われています。
日本で「オランダ」という呼称が定着した背景には、江戸時代に出島を通じてオランダ人商人と交流していたという歴史があります。
当時、関わりの深かった「ホラント(Holland)」という地方名が、そのまま国名として受け取られたと考えられています。
現在も、「オランダ」は日本語として定着した慣用表現であり、今後も日常的な呼び名として使われ続ける可能性が高いでしょう。
参考資料
・国立国会図書館「日蘭交流の歴史」
・Holland(ホラント)に関する百科事典的解説
・オランダ東インド会社(VOC)に関する歴史資料
・【学習センター機関誌から】国と都市名の変更
※気づけば「言い方・呼び方・読み方」の漢字の記事も増えてきました








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