徳の旧字体とは?その出し方をパソコン等で実施する手順をご紹介

「徳」という漢字、割と身近に存在する漢字だと思います。

この漢字は、「人の徳」「道徳」などを表現する場面で広く使われますが、実は、旧字体が存在しています。

「漢字の旧字」というカテゴリでご紹介した漢字のうち、「藤」「与」「当」など旧字体が存在するグループに属します。

「徳」の旧字体が、どんな字形をしているか興味がわきますね。

そして、その旧字体は、パソコン、スマホやテプラなどの機器で簡単に出すことができるのでしょうか。

この記事では、「徳」の旧字体について紹介した後、その出し方を、パソコン・スマホ・テプラの各機器で正確に表示・入力するための手順を、わかりやすく紹介します。

この記事を読めば、「徳」の旧字体を簡単に出すことができるようになります。

どうか最後まで、ご一緒にお付き合いくださいますよう~。

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「徳」の旧字体

早々ですが、「徳」の旧字体をみて参りましょう。

旧字の説明の画像

この漢字、「徳」の心の上に一が追加されたモノです。

この旧字「德」の基本情報です。

部首彳(ぎょうにんべん)
画数14画
音読みトク
訓読み-(日本語のみ)わ
主な意味①恵み。恩恵。愛情
②恩恵を与える
③恩を感じる。ありがたく思う
④恵みがこもった。ありがたい
⑤本性。生まれつきの人柄
⑥ものに備わった本性
⑦モラル。道徳
⑧本性の良心を磨き上げた優れた人格
⑨利益。もうけ
⑩姓の一つ

徳には「まっすぐ」というコア・イメージがあります。

対人関係でゆがみがない、邪でない素直な気持ちを相手に施すことを「徳」といいます。

中国最古の詩篇「詩経(しきょう)」の中では、「徳」は恵み・愛情の意味で用いられています。

⑤本性や、⑦モラルの意は転義からきています。

「徳」と旧字「德」の書き順を見てください。

徳德の書き順

「一」が多い分、「德」の画数が一つ多いのが分かります。

旧字体を用いた例がXにありました。

俳優の西岡徳馬の「徳」は旧字なんですね。

「徳(德)」の語源

徳=「(トク)」+「彳」で構成される漢字です。

悳=「直(まっすぐ)」+「心(こころ)」で構成され、「相手を思いやる素直な心」のことです。

これだけでも、十分に恵みや愛情の意味を表せますが、心だけでなく行為にも関係があるので、行いの意を持つ「彳」を添えています。

この「彳(ぎょうにんべん)」には、「行動の規範」の意もあり、「徳」は、この範疇にある漢字です。

新字体について

既に述べましたが、標準字体「徳」は旧字体「德」の心の上にある一を省略した漢字です。

徳德の書き順2

これと同じ省略をした漢字に「聴」があります。

聴新旧字書き順

ただし、「聴」は、旁の心の上の「一」の他、「耳」の下の「王」も省略しています。

※「カテゴリ:漢字の旧字」に収録した漢字の中で、旧字が存在する最近の5記事を紹介します。

さて、上記の漢字は、「羽」以外「新・旧字対照表|立命館大学」に載っています。

次の章では、旧字「德」のパソコン・スマホ・テプラでの打ち方を紹介します。

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パソコンでの「德」の出し方

パソコンでは、文字変換とUnicodeによる出し方の2つをご紹介します。

文字変換による「德」の出し方

それでは、文字変換による「德」の出し方の手順を紹介します。

変換をかける文字は「とく」です。

日本語で「とく」と入力します。

「とく」入力

「変換」キーを押して変換候補を出します。

変換候補表示

「德」が現れない時は「単漢字」をクリックします。

「単漢字」クリック

「德」が表示されたらクリックします。

德クリック

旧字の「德」が表示できました。

德入力完了

Unicodeによる「德」の打ち方

Unicode4桁を打ち込んで変換をかける打ち方です。

Unicodeを覚えていられれば無敵です。

「5FB7」入力
日本語で「5FB7」と入力します。
右のように「5fb7」になっても気にしないで大丈夫です。
F5キーを押します。
德Unicode入力
変換候補「德」クリック
変換候補が現れますので「德」をクリックしましょう。
德クリック
「德」入力完了
「德」が入力されました。
德入力完

日本語でUnicodeを入力してF5キーを押すだけです。

注意点は「日本語で」という部分!

これだけで、望む漢字を入力できます。

ただ、いつまでもUnicodeを覚えていられないのが難点です!

スマホでの「德」の打ち方

スマホででも文字変換によで「德」を出すことが出来ます。

変換をかける文字は、パソコンとは同じく「とく」です。

「とく」入力
日本語で「とく」と入力します。
スマホ「とく」入力
変換候補をタップ
変換候補をタップしましょう。
変換候補タップ

旧字「德」がない場合は、画面を下にスクロールします。

旧字「德」が見つかったらタップしましょう。

「德」入力完了
「德」が入力されました。
スマホ德入力

スマホも、変換候補の中に「德」がありました。

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テプラでの「德」の打ち方

始めに、テプラ(TEPRA PRO SR300)で「德」が打てるか確認しました。

文字変換とJISコードを確認したんですが、残念ながら、両者とも旧字の「德」は存在しませんでした。

上位機種(ハイスペックのSR-R980及びスタンダードのSR750)でも、取扱説明書で「德」を検索しましたが、この漢字は登録されていません。

ですから、「德」をテプラで出すには、パソコン・スマホに接続できる機種で実施するしか方法がありません。

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テプラで難しい漢字を入力する方法を紹介した記事があります。

最後に

「徳」の旧字体「德」は、本当にわずかな違いながら、それぞれ別文字として存在します。

この旧字体「德」の出し方をパソコン・スマホ・テプラで、どのように行うかを手順付きでいっぱい紹介しました。

パソコン・スマホでは文字変換で出せました。

パソコンでは、Unicodeでも出せますが、どうしてもコードを忘れちゃいますね。

テプラでは、上位機種でも、この漢字は用意されていませんでしたね。

この記事を参考に、「德」という文字の味わいを、あなたの作品や文章にもぜひ取り入れてみてください。

※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。

参考資料
・上級漢和辞典 漢字源
・旧字源 瀬谷出版

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

漢字の旧字

Posted by 60爺