将棋王座戦の挑戦までの道のりの解説!第67期は斎藤王座vs永瀬叡王は永瀬がストレートで奪取

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第67期の王座戦は、挑戦者永瀬拓也叡王の奪取で幕を閉じました。詳細は、本記事の最後をご覧ください。

さて、この王座戦について、その仕組みを紹介します。

1.王座戦とは

将棋のタイトル戦のひとつで、ランクは、竜王戦、名人戦、叡王戦、王位戦に次ぐ第五位です。主催は、日本経済新聞社ですね。

過去の流れを見てみますと、1953年に一般棋戦として創設され、1983年(31期)にタイトル戦に格上げされました。

将棋世界2月号106項 抜粋

2.参加棋士と賞金

日本将棋連盟の王座戦棋戦概要を見ると、参加棋士は全棋士と女流棋士四名で行われます。

王座戦の賞金ですが、残念ながら公開されていません。調べてくださった方がいるので、こちらをご覧ください。

3.王座戦のシステム

それでは、王座戦の挑戦者になるまでの道筋を説明していきます。

どのタイトル戦もそうですが、予選と本戦があります。そして、この予選及び本戦に各棋戦の特色があるのです。

王座戦は、一次予選、二次予選のトーナメント戦を行い、二次予選を勝ち抜いた棋士とシード棋士の16名によって、挑戦者決定トーナメントを行い、挑戦者を決めます。

例年、9月から10月にかけて王座と挑戦者が五番勝負を行い、勝者が王座のタイトル称号を得ることになります。

五番勝負を含む全ての対局で、持ち時間は各5時間(1日制)です。

(1) 一次予選

シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士(永世称号者は除きます)と、女流棋士4名によりトーナメント形式で行われます。二次予選に進出するのは6名です。

なお、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士であっても、次の成績を納めたものは、一次予選が免除されます。

  • 前期本戦トーナメント進出
  • 前期二次予選戦績優秀者 どんな条件なんだろう?
  • 過去番勝負進出者
  • 非タイトル棋戦優勝者

(2) 二次予選

一次予選の勝ち抜き者6名と、シード者以外のB級2組以上の棋士によりトーナメント形式で行われます。シード者の人数によりますが、挑戦者決定トーナメントへの出場枠は毎年10枠前後(最多で12枠)です。

前期のベスト4進出者とタイトルホルダーは、挑戦者決定トーナメントからの登場です。

(3) 挑戦者決定トーナメント

二次予選の勝ち抜き者とシード者の計16名によるトーナメントです。トーナメントの勝者が王座と五番勝負を戦います。

シード者は前年の挑戦者決定トーナメントでベスト4以上とタイトル保持者です。

(4) 五番勝負

王座保持者と挑戦者が、例年7月から9月にかけて五番勝負を行い、先に三番勝った棋士が王座になります。五番勝負は全国各地の旅館やホテルなどで開催されます。

王座戦の番勝負は1日で決着がつきます。

持ち時間は5時間です。

4.名誉王座

以前の記事でも述べておりますが、王座戦の永世称号である名誉王座は、王座を連続5期もしくは通算10期以上保持した棋士に与えられます。

将棋界で永世称号のある7大タイトル戦のうち、「永世」ではなく「名誉」を冠するのは王座戦だけです。

その他の棋戦では、NHK杯(テレビ将棋トーナメント)も、同じ要領で「名誉NHK杯」と紹介されます。

現在の名誉王座を獲得しているのは、中原誠と羽生善治竜王の二名のみです。

これは、主催の日本経済新聞社が1996年9月に同称号を制定した際に、中原はタイトル戦昇格前の優勝回数10回と昇格後の獲得6期を合わせて16期(16回)の実績により資格を与えたものです。同年、羽生竜王も連続5期達成により資格を得ました。

名誉王座は、他の永世称号と違い、現役のままでも満60歳に達すると名乗ることができます。この規定により、中原は60歳の誕生日である2007年9月2日から名誉王座を名乗っています。

5.王座に関しての面白エピソード

(1) 前王座20年

1992年第40期王座戦で羽生が福崎文吾九段から王座位を奪取して以降、2010年第58期の連続19期タイトルを保持し続けていました。このため、福崎は長年「名目上の前王座」だった訳です。

「名目上の前王座」が19期連続という珍記録であったため、福崎自身も「名誉前王座」などと称していることが、将棋ペンクラブログ・2011年4月14日の最後に載っています。

(2) 連続出場記録26期

今度は記録の話です。羽生は2011年に20連覇(対渡辺明)を逸しましたが、翌2012年に挑戦者として奪還に成功しました。

そして、再度5連覇したものの、2017年第65期に再び失冠(対中村太地)して、翌2018年第66期に本戦1回戦で敗れるまで、同一タイトル戦連続出場記録26期(1992年-2017年)を数えました。

それまでの最長記録は大山康晴が名人戦と王将戦で持つ21期でした。また、羽生の王座通算24期在位は、一つのタイトル獲得期数としては史上最多となっています。

6.第67期王座戦

(1) 挑戦者決定トーナメント

その挑戦者決定戦は7月25日に行われ、125手で永瀬叡王が勝利し、王座挑戦権を獲得しました。

詳細は、こちらのページ(挑戦者決定トーナメント)をご覧ください。

これで、永瀬叡王は自身初の王座挑戦となり、斎藤慎太郎王座とタイトル戦を戦います。

五番勝負は以下の日程の通り、9月2日に開幕します。

(2) 五番勝負

9月2日(月)に神奈川県秦野市「陣屋」で開幕し、62手目で千日手が成立しました(先手永瀬叡王)。

同日、先手後手を入れ替えて指し直し局が行われ、永瀬叡王が斎藤王座を90手で破り、1勝目をあげました。

第二局は、20時53分、134手で永瀬叡王の勝ちとなりました。消費時間は両者共に5時間0分(チェスクロック使用)です。これにより、五番勝負は永瀬叡王が2連勝とし、タイトル奪取にあと1勝としました。

第三局は10月1日(火)に、兵庫県神戸市「ホテルオークラ神戸」で行われ、161手で永瀬叡王が勝ちました。なんと3連勝で王座を奪取、二冠王となりました。

また、規定により、永瀬二冠は同日付きで八段昇段となりました。

これで、2019年度は、叡王戦から、名人戦棋聖戦王位戦、この王座戦と、5タイトル戦連続で挑戦者の奪取という結果になっています。

  • 第一局 9月2日(月)斎藤王座●-〇永瀬叡王 元湯 陣屋
  • 第二局 9月18日(水)斎藤王座●-〇永瀬叡王 ウェスティンホテル大阪
  • 第三局 10月1日(火)斎藤王座●-〇永瀬叡王 ホテルオークラ神戸
  • 第四局 10月8日(火)伊豆今井浜温泉 今井荘
  • 第五局 10月16日(水)常磐ホテル

参考サイト:wiki

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