将棋名人戦・順位戦の仕組みと特徴及び賞金額について

  • 2018年2月21日
  • 2021年3月28日
  • 将棋

毎日新聞社と朝日新聞社共催の将棋の棋戦で八大タイトル戦のひとつです。将棋タイトル序列は竜王戦と並んで1位です。

タイトル戦の中で一番長い歴史を有し、短期実力制によって名人を選ぶべく、1935年に第1期が開始されました(江戸時代は終身位名人制でした)。

1.名人戦(順位戦)の仕組み

名人戦の仕組みとは、即ち、順位戦の仕組みのことです。名人戦(順位戦)とは将棋界独特の棋戦です。

順位戦は、名人戦の予選に当たります。

(1) 名人戦の特徴

名人戦(順位戦)は、以下のようなクラスに分かれたピラミッド型になっています。棋士は、全てこの中に組み込まれています。

頂点は名人です。

その下にA級(定員は10名)、B級1組(B1)(定員は13名)、B級2組(B2)25名、C級1組(C1)36名、C級2組(C2)52名の各クラスがあります(人数は2019年第78期のもの)。

その下に、順位戦を指さないフリークラスが存在し、宣言者とそれ以外(C2陥落及び次点2回の新棋士※)の組に分かれています。宣言以外の棋士は、10年の間に所定の成績を残さないと強制的に引退させられてしまいます。

※奨励会三段リーグで次点2回を取ってで棋士になった者はフリークラスに配属されます。

フリークラスは除く各クラスは1年で1つの昇級しかできません。そのため、名人に挑戦するには最低(C2から)でも5年かかります。

これが名人戦の最大の特徴です。

タイトルである名人を獲得するにはA級に属さねばならないのです。
名人戦以外のタイトルは、予選を通過し、番勝負に勝てば誰でもタイトルを獲得できますが、名人戦だけはA級に属す10名の棋士のみタイトル獲得の可能性があるのです。

(2) 順位戦の実施時期と昇級、降級

順位戦は、毎年、6月頃から始まり3月末に決着がつきます。成績により、昇級及び降級が決まります。

A級:原則として10名の棋士による総当たり戦です。成績最優秀者が4月から名人と七番勝負を行い、四番勝った方が名人となります。成績下位2名が来期B1に降級します。

B1 原則として13人の棋士による総当り戦です。成績上位2名が来期A級に昇級します。成績下位3名が来期B2に降級します。
※降級者は2019年度まで2名でした。

B2 棋士1人10局対局します。成績上位3名が来期B1に昇級します。B2級所属要員を規定による員数※に降級点が付き、降級点2でC1に降級します。
※昇級者は2019年度まで2名でした。

C1 棋士1人10局対局します。成績上位3名が来期B2に昇級します。C1級所属要員を規定による員数※に降級点が付き、降級点2でC2に降級します。
※昇級者は2019年度まで2名だった。

C2 棋士1人10局対局します。成績上位3名が来期C1に昇級します。C2級所属要員を規定による員数※に降級点が付き、降級点3でフリークラスに降級します。

なお、B2以下は、全勝者は人数にかかわりなく昇級となります。

規定による員数とは以下の通りです。

  • B級2組:4人につき1名
  • C級1組:4.5人につき1名
  • C級2組:4.5人につき1名

※2019年度までは、B級2組、C級1組、C級2組とも5人につき1名でした。

なお、その年の成績により、クラス内で順位が決まります。同じ戦績なら順位が上の者が上位になるシステムです。たとえば、B1で8勝2敗が3名いると、順位が上位の者が昇級します。

但し、A級は、戦績が同じ棋士がいると、その棋士で挑戦者決定戦を行うことになります。

昇級は非常に狭き門となっておりますが、対局料はクラスで決まるので、生活が懸かっています。

順位戦の持ち時間は6時間です。

(3) 名人戦七番勝負

A級でトップの成績を上げたものが、例年4月から6月にかけて名人と七番勝負を行い、先に4勝を挙げたものが、その年の名人になります。

名人戦は一局二日制で持ち時間は9時間です。

2.賞金額

※ここで出てくる金額は、いずれも推定です。

(1) 七番勝負の対局料

名人は1,050万円、挑戦者は450万円と定額です。

フルセットになると、名人の一局単価は150万円、挑戦者は64万円強という計算です。

(2) 賞金

名人になると、1,200万円の賞金を獲得できます。敗者は4分の1の300万円です。当たり前のことですが、防衛、奪取とも同額となります。

(3) その他の手当て?

順位戦の対局料ですが、各棋士とも月給のように12ヵ月に等分されて支給されるそうです。

名人は順位戦を指しませんが、A級棋士の順位戦対局料より5、6割ほど高い月額100万円が名人は獲得できるのです。

これも姿を変えた賞金ですね。

(4) 賞金総額

七番勝負の対局料、賞金及びその他の手当て?を合算すると、名人は、1,050 + 1,200 + 100 × 12 = 3,450万円になります。

現時点での賞金は、諸物価高騰であがっているのか、新聞社の状況により、どうなっているかわかりませんが、竜王戦より金額的には低いように思えます。

3.永世名人

名人位を通算五期獲得した棋士に永世位が与えられます。但し、襲名は引退後と決まっています。

代数は家元制(世襲制)および推挙制の数字を引き継ぎ、十四世から実力制となっています。

現在までに、永世位を獲得した棋士は次の通りです。

  • 十四世名人 木村義雄:昭和27年(1952年)
  • 十五世名人 大山康晴:昭和51年(1976年)
  • 十六世名人 中原誠:平成19年(2007年)
  • 十七世名人 谷川浩司(引退後に襲位予定)
  • 十八世名人 森内俊之(引退後に襲位予定)
  • 十九世名人 羽生善治(引退後に襲位予定)

参考
 順位戦概要
 名人戦 (将棋) – Wikipedia
 名人位の賞金総額を推計する