将棋八大タイトルの序列をわかりやすく!その順番と決め方を大特集
2025年、藤井聡太竜王はタイトルを7つ持ち、肩書は藤井聡太竜王・名人(七冠)となっています。
叡王戦で敗れ、タイトルを失ったものの、その後はタイトル戦で防衛を続け、先日の棋聖戦で棋聖6連覇と共にタイトルは30期に到達しました。
さて、ここで出てきた将棋のタイトルなんですが、将棋界では2025年現在、タイトル数は八つで、表題にもある通り「八大タイトル」と呼ばれたりします。
この八つのタイトルですが、毎年、それぞれ予選・本戦(挑戦者決定トーナメントorリーグ)を行い、挑戦者がタイトルホルダーと番勝負を行い、新たなタイトルホルダーを決めています。
そして、このタイトルには序列が決められているんです。
今回の記事では、この八大タイトルの序列について詳しく紹介していきます。
八大タイトルの序列
その名称と序列を以下に掲げます。
序列とは、一定の基準に従って上位から下位に並べた順序のことです。
八大タイトルの名称と序列
八大タイトルの序列は次の通りです!
序列 | タイトル戦名 | 主催者 |
---|---|---|
1位 | 竜王戦 名人戦 | 読売新聞 朝日新聞、毎日新聞 |
3位 | 王位戦 | 北海道新聞、東京新聞、中日新聞、神戸新聞、徳島新聞社、西日本新聞 |
4位 | 叡王戦 | 不二家 |
5位 | 王座戦 | 日本経済新聞 |
6位 | 棋聖戦 | 産経新聞 |
7位 | 棋王戦 | 共同通信社 |
8位 | 王将戦 | 毎日新聞、スポニチ |
ご覧のように、序列1位には、竜王戦と名人戦が並んでおり、この2つのタイトルは同格とされています。
以下、3位王位戦、4位叡王戦、5位王座戦、6位棋聖戦、7位棋王戦、8位王将戦となっています。
今年度(2025年)から、棋聖戦の優勝者の賞金が4,000万円(その他、副賞1,000面円)に引き上げられたことで、棋聖戦の序列が8位から6位に引き上げられました。
序列の基準
タイトル戦の序列は契約金の額によるものです。
合わせて、タイトル戦の歴史も、その序列に影響を与えています!
タイトル戦の序列は、契約金の額によって決まるんですね。
契約金の額が変わると、タイトルの序列が変わるんですよ。
今回、棋聖戦が8位から6位に上がったと書きましたが、昔は序列3位だった時期がありました。
しかし、2009年8月6位、2010年10月7位、さらに、2015年からは8位に下がっている。
また、叡王戦は、2017年のタイトル昇格時には序列3位でしたが、2020年(スポンサー・契約金の変更)で6位まで順位を下げましたが、2022年に4位に戻りました。
叡王戦の序列の順位が、ここ数年で頻繁に上下した際は記事の変更が大変でした。
次に、タイトル戦の歴史が、影響を与えているとはどういうことなんでしょうか。
順にみていきましょう。まずは、タイトル戦の賞金について触れておきます。
タイトル戦の賞金
契約金と賞金額は全く別物ですが、序列の高いタイトル戦の賞金が、序列の低いタイトル戦の賞金よりも低いことはないと考えたタイトル戦の賞金を一覧にしてみました。
60爺版八大タイトル賞金額です。
タイトル戦名 | 賞金額 |
---|---|
竜王戦 | 4,400万円 |
名人戦 | 3,500万円 |
王位戦 | 2,000万円 |
叡王戦 | 1,500万円 |
王座戦 | 1,400万円 |
棋聖戦 | 4,000万円 (~2024年まで1,000万円) |
棋王戦 | 1,300万円 |
王将戦 | 1,200万円 |
これらの金額を推定するための条件がこちらです。
- タイトル戦の賞金額は1,000万円を越えるという条件を定めた
- 王位、叡王、棋聖の賞金額が4,600万円
- 棋士がタイトルを獲得した年と前年の獲得賞金額から推定
これらは、次の記事から抜粋しています。
詳細は、そちらをご覧になってください。
タイトル戦の歴史
タイトル戦が、いつごろから始まったのか見てみましょう。
タイトル戦 名称 | 開始時期 |
---|---|
名人戦 | since1937 |
竜王戦 | since1988 |
王位戦 | since1960 |
叡王戦 | since2015 |
王座戦 | since1953 |
棋聖戦 | since1962 |
棋王戦 | since1975 |
王将戦 | since1951 |
ご覧のように、名人戦が最も歴史が古い棋戦であることがわかります。
そして、名人戦は、他の棋戦と異なり、A級棋士にならないと挑戦すらできない棋戦なのです。
このため、名人戦は棋士にとって特別の思い入れのある棋戦になっているようです!
そんなところから、名人戦は竜王戦に比べ賞金額は低いですが、序列が1位(竜王戦と同格)となっているのです。
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タイトル戦の序列については理解できたと思います。
そして、タイトル戦だけではなく、何と、棋士にも序列があるんですよ。
知っていましたか?
棋士の序列
棋士についても序列があるんです。日本将棋連盟公式ホームページ棋士データベースに、棋士の序列が出ています。
そして、この棋士の序列には上記のタイトル戦の序列が大きく関わっているのです。
棋士の序列は次のように決まります。
- 竜王と名人
- その他のタイトル保持者
- 永世称号(資格)保持者
- 段位
名目上の序列は以上です。ただ、実際の運用においてはタイトルを持たない場合で段位が同じ場合は、棋士番号が小さい者が上座に座るのが暗黙の了解とされています。
棋士番号は、棋士が四段になる際につけられる連番です。
タイトルホルダーであっても実績に勝る先輩棋士や引退を控えた大棋士に対して敬意を表して上座を譲る光景がまれに見られるそうです。
現在の将棋界での棋士の序列(2025年7月1日現在)を見てみましょう。
藤井聡太竜王・名人(七冠)が文句なしの序列第一位です。
叡王タイトル保持者の伊藤匠叡王が序列第二位となります。
タイトル保持者が以上2名なので、第三位は永世位獲得者になります。
棋士番号が小さい順に、第三位が谷川浩司17世永世名人、第四位が羽生善治永世七冠、第五位佐藤康光永世棋聖、第六位森内俊之第18世永世名人、第七位渡辺明永世竜王・棋王と続きます。
後の棋士は段位で序列が決まります。
同じ段位の場合、より早くその段位になった者が上位と決められています。
2023年2月25日の棋士の序列を見てみましょう。
藤井聡太竜王(五冠)と渡辺明名人(二冠)となっていますが、タイトル数の数で序列1位は藤井竜王(五冠)で、序列2位がと渡辺明名人(二冠)となります。
序列3位は王座を持つ永瀬拓矢王座です。
次に、上述したように永世称号を持つ棋士が続きます。
棋士番号が小さい順に、谷川浩司17世永世名人、羽生善治永世七冠、佐藤康光永世棋聖、森内俊之第18世永世名人となります。
1年で大きく変わりました。
藤井竜王・名人が強すぎます。
棋士の序列についてまとめた記事がありますので、ご確認ください。
とにかく、強い人が上位の世界ですな!
最後に
将棋の八大タイトルの序列について見てきました。
2023年2月現在で、将棋界には8つのタイトルが存在します。それらの8つのタイトルの序列を紹介しました。
さらに、序列が何をもって決められたのかを示し、直接は関係ないであろう賞金の一覧も参考に載せておきました。
合わせて、序列に少しく関係したであろうタイトル戦の歴史も紹介しています。
タイトル戦の序列の他に棋士にも序列があるんですよ。
その決め方を参考として載せ、現在の将棋界(2023/2/1時点)の棋士の序列を示しました。
将棋界って、強い順に並べられちゃうんですね。
厳しい世界で、一般社会にはないものですから、いろいろなドラマが生まれるんですね。
参考
wiki 棋戦
■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!
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