木へんに風と書いて楓!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

2023年2月4日

外は風が強く吹いていて、とても寒いですね。

天気予報でも、北風が強く、体感温度がずっと寒く感じられるなんて言っています。

60爺

これを聞いた時、60爺のセンサーが反応しました。

シリーズ化している「木へんの漢字」で「木へんに風」とやったら、記事になるだろうかという閃きです。

早々、漢字源を取出して調べてみましたらあったんですよ、木へんに風の「楓」が!といっても、すぐには読めなかったんですけどね。

何か、見たような見たことがないような漢字ですよね!これ。

まあ、題材も決まったので、木へんに風の「楓」、いつものように、読み方から意味・名前での使い方について調べに入りました。

その結果をお知らせしますので、ご一緒にご覧になって行ってください!

木へんに風といえば楓!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、楓の意味と読み方を明確にしましょう。

楓の読み方と意味

画数 :13画
音訓:フウ(日本語だけ)かえで
意味
木の名。マンサク科フウ属の落葉高木。フウ。楓香樹。別名、欇(ショウ)。
日本語だけの意味
かえで。木の名。ムクロジ科カエデ属の落葉高木の総称。カエデ。モミジ。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

紹介したとおり、「楓」の音読みは「フウ」、訓読みは日本語だけ「かえで」ですね。

意味は二つあります。

中国に自生する「フウ」という木です。

フウ
フウ

ご覧のように、葉は三つに裂けており、秋になると少し紅葉します。

中国ではカエデに「槭」の字を当てます。

フウの実
フウの実

実は翼があって、風に載って飛んでいきます。

日本では「かえで」を指します。

カエデの葉は小さなてのひらの形をしています。

カエデの画像
カエデ

そして、ご存知のように、カエデの多くは霜にあうと紅葉します。

※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。

「風」の他にも様々な漢字を用意しています。

※「木へんの難読漢字・難しいランキング30」に「楓」はランキングされました。

次に、楓の書き順を示しておきます。

楓の書き順

この漢字も、木と風の書き順そのままです!

風も間違えずに書けますよね。まず、外側を書くんですね~。

その後に、中の文字を書きますが大丈夫ですね。

もっと詳しく知ろう!楓の漢字としての由来や成り立ち

楓の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。

楓の由来

楓の由来は、次のようなものです。

古人は「楓は風なり」と言っています。
これは、「楓の枝は弱く、風が吹くと葉が揺らぐことから」語源を説いているのです。

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

強風になると、どんな木でも枝も葉も揺らぐと思うんですけど、弱い風で揺らぐから「木へんに風」となったのでしょうか?

また、由来については、国語辞典芋あるんですが、カエデは、「カエルデ(蛙手)の約で、葉の形が似ているからいう」から来ているという説もあるんですね。

もう少し詳しく言うと、「カエルデ」が「カヘンデ」や「カヘデ」となり、「カエデ」になっていったのです。

日本では平安中期頃から「楓」を「カヘデ」と読むようになったそうです。

これ、古い書物にも載っていますね。

  • 「和句解」という書物には「蛙の手也」とある
  • 「十巻本和名抄」では「鶏冠木」を「加倍天乃岐(かへでのき)」、「鶏頭樹」を「加比流堤乃岐(かひるでのき)」で一本の木としている

楓の漢字の成り立ち

楓は、「木」+「風」で成り立っています。

  • 「木」:木が立っている様子を表しており、「樹木」という意味です。
  • 「風」:そのものずばり風の意味です。

実に薄い翼がついて、風のまにまに飛ぶ木だそうです。

ここから、「楓」=「フウ」の木になったのです。

上記の漢字の説明で、「翼がある」との説明は、ここに繋がるんですか。

なお、「かえで」は日本的展開です。

※風が「旁」にある漢字としては「立偏に風」があります。その記事はこちらです。

楓ってどんな植物?

楓はどんな植物なのでしょうか。その花言葉と、形態・生態を見ていきましょう。

花言葉

楓って、葉が紅葉する方がより注目されるため、花が咲くことは余り知られていませんよね。

でも、楓の花言葉は色々とあるんですよ。

どんな花言葉あるか見てみましょう。

日本では「大切な思い出」「美しい変化」「遠慮」などですね。

なぜ、このような花言葉が付いたのか見ていきましょう。

  • 大切な思い出:日本では、紅葉を眺めたり、幼いころに楓の葉を拾って集めたり、遊んだりした思い出などがあることから
  • 美しい変化:これは、やはり、楓の葉が紅葉していく所からでしょう。緑から黄色、オレンジ、赤と美しい変化を遂げるからと考えて、ほぼ問題ないでしょう
  • 遠慮:上述したように、楓の花が余り主張せず、人に気づかれずに小さく咲いていることから

形態・生態

楓は、既に述べたように、カエデ科の落葉高木の総称です。

北半球の温帯に分布し、葉は多くは掌状で、初め緑色、秋に赤・黄色に紅葉します。

カエデはモミジとも言われますが、その違いは次のようなモノです。

  • カエデ:葉の切れ込みが浅い
  • モミジ:葉の切れ込みが深い

童謡ではカエデの色を錦と表現するのは、紅葉時の色合いが赤・黄・緑など様々なことから来ています。

また、英語でいうと、「Maple(メイプル、メープル)」となります。

世界におよそ130種が存在しますが、その多くはアジアに自生しているそうです。

カエデは落葉樹が一般的ですが、沖縄のクスノハカエデは常緑樹なんです。

「花弁は目立たなく小さい」とあるように、カエデの花を見たことがある方は少数派でしょう。

カエデの花
カエデの花

以上、楓の漢字の読み方と意味、由来や成り立ち、そして、楓とはどんな植物なのかを見てきました。

次の章では、「楓」を名前に使う場合のポイントを簡単に述べておきます。

名前に使われる際のポイントは

木へんに風と書く「楓」は、名前ではどんな思いが込められるのか考えてみました。

まず、楓=紅葉で自然を彩るところ、花言葉「美しい変化」から、次の願いを込められそうです。

  • 彩(いろどり)豊かな人生を歩んでほしい
  • 見る人の心を癒やす存在になってほしい
  • 優しく温かい人間になってほしい

また、花言葉「遠慮」から、ポジティブに捉えて、次のような願いも込められます。

  • 奥ゆかしく謙虚な人になってほしい

どちらかというと、楓は紅葉する植物の関係もあり、比較的女の子の名前に使われやすいのかと思っていましたが、スラムダンクのキャラクターの出現で、男の子にも付けられるようです。

「楓」を使った名前

「楓」は、そこそこ人気のある漢字と思われます。

「楓」は「か」と読ませて止め字にしたり、「フウ」と読ませることが出来るので、色々な名前を付けられそうです。

60爺

私自身が名付け親になる可能性は少ないですが、自分なりに勝手にベスト3を出してしまいました!

男の子の名前の例

  1. 楓太(ふうた)
  2. 楓(かえで)
  3. 楓彩(かい)

それぞれ、「楓」の読ませ方が違います。「ふう」「かえで」「か」で選びました。

女の子の名前の例

  1. 楓香(ふうか)
  2. 楓音(かのん)
  3. 彩楓(あやか)

最初の二つは、「ふう」「か」で、最後の名前は「か」の止め字としました。

但し、「か」の読みは楓には本来ないモノなので、キラキラネームと称される可能性があります。

詳細は、次の記事をご覧ください。

ところで木へんに花・華の椛・樺は?

形態・生態の項で「モミジ」が出てきましたが、この漢字表記「椛」は、木へんに花で椛の記事にしています!

その部分を抜き出してみますね。

「椛」の音読みはないんです。訓読みは「もみじ」です。

意味は三つあります。①「もみじ」で、カエデ科カエデ属の落葉樹高木の総称を示すんですね。これは知らなかったぞ!

引用 木へんに花と書いて椛!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集

カエデとモミジの違いは、葉の切れ込みなんですね。

上述していますが、葉の切れ込みが深いものを「モミジ」、葉の切れ込みが浅いものを「カエデ」と呼んでいるそうです。

それによって、漢字表記も違ってくるわけですな。

葉の切れ込みが深いものを「椛」、葉の切れ込みが浅いものを「楓」となるわけです。

木へんに花の椛(もみじ)の詳細は、次の記事を参照ください。

なお、木へんに花(はな)ではなく、難しい漢字の華(はな)と書くと、「もみじ」ではなく、「かば」となるんですよ。

そうです。シラカバのカバですね。

こちらの記事もあるので、ご紹介します。

花と華、同じような漢字ですが、木へんがつくと全然違う漢字に変身するのですな。

最後に

木へんに風といえば楓ですが、この漢字について述べてきました。

最初に、楓の読み方と意味について述べました。意味では、同じ植物ですが中国と日本では、対象となる木が異なりましたね。

そこで、この記事では、「カエデ」を対象としました。そして、楓は、風に関係のある樹木であることが、由来と漢字の成り立ちでわかりましたね。

楓は紅葉が目につくせいで、花が咲かないのかと思いましたが、そうではなかったんですね。

その辺りが花言葉に端的に表れていて興味深かったです。

次回も新たな漢字を調べていきます。

参考
カエデ|ウィキペディア

※気づけば「木へんの漢字」の記事も増えてきました

この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺