木へんに花と書いて椛!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集

2023年1月14日

今回取り上げる漢字は、木へんに花と書く「椛」です!

60爺

皆さん、この漢字読むことはできますか?実は、私、読み方を知りませんでした^^;

「椛」は木へんに花ですから、なんとなく、きれいな花が咲くイメージだったんですが、おっとどっこい、ちょっと違います。「おしい」ところまで来ていますが。

この漢字、調べてみるとなかなか面白いです。

字の感じが、自然の美しさを連想させます。パッと見た感じも花があるだけに華やかですよね。

そのようなイメージを持たせる木へんに花の「椛」、その読み方から意味及びその書き順、特徴、さらには名前を付ける場合のポイントまで幅広く総特集しちゃいます。

60爺

さあ、ご一緒に見に行きましょう。

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木へんに花といえば椛!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

モミジが紅葉している画像

最初に、椛の意味と読み方を明確にしましょう。

椛の読み方と意味

画数 :11画
音訓:- (日本語だけ)もみじ、かば
日本語だけの意味
①もみじ。木の名。カエデ科カエデ属の落葉樹高木の総称。カエデ、また、紅葉したカエデ ②なぎ。木の名。「梛」のこと。③かば。色の名。赤みを帯びた黄色。

参考:上級漢和辞典 漢字源

上記にありますが「椛」の音読みはないんです。日本語だけの訓読みは「もみじ」「かば」です。

日本語だけの意味は三つあります。

①「もみじ」で、カエデ科カエデ属の落葉樹高木の総称を示すんですね。これは知らなかったぞ!

②は「梛(なぎ)※」のことなんですが、初めて聞いた名ですね。下記の情報を見てください。また、写真を手に入れましたので載せておきますね。

ナギ(梛、竹柏)は、マキ科ナギ属の常緑高木である。
高さは20m程度に達する。葉の形は楕円状披針形で、針葉樹であるが広葉樹のような葉型である。
熊野神社及び熊野三山系の神社では神木とされ、一般的には雄雌一対が参道に植えられている。また、その名が凪に通じるとして特に船乗りに信仰されて葉を災難よけにお守り袋や鏡の裏などに入れる俗習がある。

引用 wiki ナギ

木へんに那で梛で記事をアップしています。ご覧ください。

最後の③かば。色の名。赤みを帯びた黄色。って紅葉の色なんですかね?調べたら、こんな色でした。

色の名と言っているんですが、多くのサイトなどでは「樺(かば)」の木を指すと書いてあります。

確かに、パソコンで「かば」を変換すると「樺」、「椛」が候補に挙がっていますね。「華」を「花」に置き換えたなんて書かれていますね。

「かば」の木というと、イメージとして「白樺(しらかば)」に辿り着くんですが、どうなんでしょう。辞書を見てみましょう。

「しらかば」の画像

①(桜の)樹皮。〈日葡辞書〉
②樺の木。特に、シラカバの別称。かんば。

広辞苑

日葡辞書では(桜の)樹皮を指すんですね。そして、樺の木でシラカバの別称と出てます。

60爺

私のインスピレーションも捨てたもんじゃないですな!

ネットで検索しましたが同様の内容ですね(まア、当然でしょうが…)。

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)カバノキ属の植物の総称。古く日本でカバ、カンバと称するものはシラカンバ(シラカバ)をさす。

引用 日本大百科全書(ニッポニカ)「カバノキ」の解説

木へんに華で樺については、記事にしていますので、ご覧ください。

それでは、書き順をみてみましょう。

木と花の書き順そのままです!草冠の書き方を間違えなければ、間違えることはないと思います。


もっと詳しく知ろう!椛の漢字としての由来や成り立ち

椛の漢字としての由来と成り立ちを知っておきましょう。

椛の由来

日本語の「もみじ」を表記した国字(中国以外の国で作られた、独自の漢字体の文字のこと※)です。

和字・倭字・皇朝造字・和製漢字などとも呼ばれる。会意に倣って作られることが多い。峠(とうげ)・榊(さかき)・畑/畠(はたけ)・辻(つじ)など古く作られたものと、西洋文明の影響で近代に作られた膵(スイ)・腺(セン)・腟 (チツ、本来はシツ)・瓩(キログラム)・粁(キロメートル)・竓(ミリリットル)などがある。

引用 wiki 国字

「もみじ」の語源を見ておきましょう。

「もみじ」の語源

「もみじ」の語源ですが、動詞「もみつ」の連用形が名詞化したものと出ています。
奈良時代は、「もみち」と清音(濁点がなかった)だったそうです。
平安時代の辞書「観智院本名義抄」の黄葉がモミジハと濁音で読まれているので、この時代には濁音化していたことが分かります。

参考:新明解語源辞典

なお、「万葉集」では「黄葉」の表記が多く、「紅葉」「赤葉」の例は少ないようです。

また、モミツの語源は不明です。

椛の漢字の成り立ち

椛は、「木」+「花」で成り立っていますが、「国字」であることは上述しました。

葉が花のように色づく木を示しています。

もみじの花について

なんと、もみじにも花が咲くんだそうです。とても小さくて可愛い花です。

60爺

初耳です!

モミジは4月頃に花が咲きます。地味ですが房になってたれる小さな姿の花の房は美しいものです。
花が終わるとすぐ種ができはじめます。
実はブーメランのような形の羽の中に、赤い実(種)を付けています。茎元二つのふくらみの中にはもみじの種があるのでしょう。こちらも花のように見えますが、実なんですね。羽が内側から外側にかけて、太陽に向かって精一杯ひらいて、可憐でとってもかわいいんです。
このブーメランのような羽は、紅葉(こうよう)が終わり、葉が落ちる頃、翼果が風に飛ばされ、まさにブーメランのように、くるくる回りながらより遠くへ運ばれていきます。

引用 秋 鮮赤色に色づく紅葉。春に花が咲くのをご存じですか?

今年は、4月になったら、家のもみじをよく見ていよう!リアルでもみじの花を見たいので。

次に、「椛」を名前に使う際のポイントを述べておきます。

名前に使われる際のポイントは

「椛」という漢字は、(2004年に認められた)人名としては、比較的歴史が浅いです。そのため、名付けで使用されている例は少ないのが現状です。

ただ、赤ちゃんへの名付けで「もみじ」や、訓読みの一字を使って、「か」と読ませることで名づけの幅は広がります。

「椛」は名前ではどんな思いが込められるのか考えてみました。

  • 美しく、凜とした人になってほしい:秋に向けた木々の成長する姿を重ね、のびのびと成長してほしい
  • 落ち着いて魅力的な人になってほしい:「和風」で「落ち着いた」イメージから

漢字がもつイメージを理解して、「椛」の「自然の美しさ」を活かした素敵な名前をつけてあげましょう。

しかし、季節の漢字の記事でも言ったように、他の文字と組み合わせた場合は、「読みが伝わりづらい場合が多いのは要注意」だと思います。

子供にとっては、珍しい名前なので一発で覚えてもらえたり、そこから話題が進んだりするするメリットがあると思います!

しかし、名前をちゃんと読んでもらえないのはストレスになるかもしれないので、命名時の気持ちや願いなどをきちんと伝えておくなどの十分なフォローを忘れずに実施しましょう!

「椛」を使った名前

「椛」は、日常でなかなか目にしない漢字なので、「目新しさ」「個性的」な名前を考えられるといえます。そして、良くも悪くも「珍しさ」を感じさせます。

また、漢字のつくりに「花」が含まれることから、かわいらしい印象がありますね。

60爺

私自身が名付け親になる可能性は少ないですが、自分なりに勝手にベスト3を出してしまいました!

この漢字は、決めつけてはいけませんが、女の子向けかと考えます。ですから、今回のベスト3から、男の子向けのベスト3は省かせていただきます。

その代わりに、女の子向けはベスト5まで拡大します。

女の子の名前60爺ベスト5

美しく、凜とした人になってほしいとの願いを込めた命名です。

  1. 涼椛 (すずか)
  2. 萌椛 (もえか)
  3. 椛月 (かづき)
  4. 凛々椛 (りりか)
  5. 絢椛 (じゅんか)

豆知識
この「椛」という漢字は、名前の場合、一文字だけで、次のように読ませることが出来るそうです。
・「いろは」
・「なぎ」
・「なぐさ」
・「はな」
・「かえで」
・「もみじ」

次の章は、椛が国字だと述べましたが、他に「木へんに門」「木へんに神」の漢字も国字であることがわかりました!それらの記事について簡単に述べておきます。

椛を名前に使うとキラキラネームになるの?

椛を名前に使うとキラキラネームになるのでしょうか?

キラキラネームとは、漢字本来の読ませ方が変に逸脱したものです。

極端な例ですが、「椛」を、たとえば「すみれ」と読ませたりすると、キラキラネームになるので自分で読みを作らないようにしましょう。

「椛」を「か」と読ませるのは、ギリギリセーフかな。

本件については、別記事でご紹介してますので、是非ご覧ください。

木へんに花の椛を使用した苗字があるのか

木へんに花の椛を使用した苗字があるのかもみておきましょう。

はじめに、木へんに花の「椛」一文字の苗字があるかを見ておきます。

【名字】椛
【読み】かば,かんば,もみじ
【全国順位】 20,779位
【全国人数】 およそ210人

参考:名字由来net

読みを3種類持った「椛」さんがおられますな。2番目の「かんば」という読みが珍しいです。

全国順位は約20,800位、全国に210人程度いらっしゃるんですね。

それでは、木へんに花の椛に別の漢字を付けた苗字を見てみましょう。

石椛(いしなぎ)、椛木(かばき)、椛木野(かばきの)椛澤(かばさわ)、椛沢(かばさわ)、椛島(かばしま)、椛嶋(かばしま)、椛嶌(かばしま)、椛田(かばた)、椛谷(かばたに,かばや)、椛村(かばむら)、椛元(かばもと)、椛本(かばもと)、椛山(かばやま)、白椛(しらかば)

そこそこ出て来ました。「かば」と読ませる苗字が多いですね。

唯一、「なぎ」と読ませる「石椛」さんも、どの位いるのか見ておきます。

参考:名字由来net

【名字】石椛
【読み】いしなぎ,しゃくなぎ
【全国順位】 68,229位
【全国人数】 およそ20人

おお、こちらは、「椛」一文字の苗字に比べると10分の1の20人程度しかいません。

読みも2つありました。順位は大幅に下がって68,229位ですよ。

ところで木へんのつく国字は?

「木へんに門の椚」「木へんに神の榊」も国字なんですが、その漢字について記事を書いているんですよ。

木へんに門で椚

木へんに門で椚の記事の中で国字が出てきた部分を抜き出してみますね。「椚の漢字の成り立ち」の中でこう言っています。

クヌギは、古くは「くのき」ともいい、上述の「門」の意のように「区の木」に当てた日本製の漢字即ち国字です。

引用 木へんに門と書いて椚!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集

意味もひとつしかありません。

しかも、日本語だけの意味がたった一つです!以前の記事の「木へんに華」「木へんに神」に続き、意味が一つしかない漢字がまたもや登場しました。

詳細については、地祇の記事をご覧になってください。

木へんに神で榊

木へんに神で榊の記事の中で国字が出てきた部分を抜き出してみますね。「榊の漢字の成り立ち」の中でこう言っています。

神事の供え物をする木を寓意したものであり、日本語の「さかき」を表記するために創作された国字※です。

引用 木へんに神と書いて榊!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集

上述しましたが、榊の意味もひとつしかありません。

しかも、椚と同様に、日本語だけの意味がたった一つです!「榊」の音読みはないんです。訓読みは「さかき」一択です。

詳細は、次の記事を参照ください。

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最後に

木へんに花といえば椛ですが、この漢字について述べてきました。

椛の読み方と意味について述べましたが、この漢字が「もみじ」と読むとは驚きましたね。その他にも、2つの意味があり、驚きの連続でしたね。

その由来や成り立ちも調べましたが、数少ない国字でしたね。

あまり日常、見かける漢字ではないので、調べる毎に新しい発見があり面白かったです。まだまだ、見慣れない漢字があると思うので、更に勢力的に色々見ていきたいと思いました。

■追記 他の部首に「花」のつく漢字で記事を書いています。

※気づけば木へんの記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

木へんの漢字

Posted by 60爺