木へんに工は「杠」!読み方から意味・名前に使えない理由・苗字を解説
「木へんに工」と書く漢字は「杠」です。
形は簡単ですが、「何と読むのだろう」と迷う方も多いのではないでしょうか。
「杠」は音読みで「コウ」と読み、旗ざおや川に木を渡して作った小さな橋を表します。
また、日本では植物の「ゆずりは」を表す漢字としても使われます。
この記事では、「杠」の読み方と意味、漢字の成り立ち、名前に使えない理由、苗字での読み方について分かりやすく解説します。
なお、「木へんに工」の「杠」と、「木の下に工」と書く「杢」は別の漢字です。
両者の違いについても、記事の後半で紹介します。
木へんに工は「杠」!読み方と意味
「木へんに工」と書く漢字は「杠」です。
まずは、「杠」の基本情報を確認しておきましょう。
杠
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 木部(きへん) |
| 画数 | 7画 |
| 音読み | コウ |
| 訓読み | はたざお、ちぎ、ちきり |
| 意味 | 旗ざお、小さな橋、竿秤、ユズリハ |
| 漢字の種類 | 形声文字、JIS第2水準漢字 |
「杠」は漢字検定1級に配当されている、難しい漢字です。
「杠」の読み方
「杠」の音読みは「コウ」です。
訓読みには「はたざお」「ちぎ」「ちきり」などがあります。
「ちぎ」「ちきり」は、重い物を量るために使われた大きな竿秤を指す読みです。
また、日本では「杠」を「ゆずりは」と読み、ユズリハ科の常緑高木を表します。
「ゆずりは」は日本独自の読み方で、「楪」「譲葉」「杠葉」などと書くこともあります。
辞典によって読み方の扱いに違いがあり、「漢字源」では「ゆずりは」を日本語独自の意味・用法として掲載しています。
「杠」の意味
「杠」には、主に「旗ざお」と「小さな橋」という意味があります。


小さな橋とは、川などに一本の木を渡して作った簡単な橋のことです。
どちらも、まっすぐな木の棒という共通点があります。
また、「ちぎ」「ちきり」と読む場合は、太い木の棒を使って重い物を量る竿秤を表します。
日本では、春に新しい葉が出てから古い葉が落ちる常緑高木のユズリハを表す漢字としても使われます。

この「新しい葉に譲ってから古い葉が落ちる」という特徴から、ユズリハは世代交代や子孫繁栄を連想させる植物として知られています。
「杠」の書き順
「杠」は、木へんを先に書き、続いて右側の「工」を書きます。

木へんが4画、「工」が3画で、合計7画です。
もっと詳しく知ろう!杠の漢字としての由来や成り立ち
杠の解字です。
杠=「工(コウ 貫く)」+「木(き)」(形声)
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
直線状に貫通した棒を表しています。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
ここから、上記の意味である「川に一本の木を渡して作った橋」「旗ざお」が生まれたのですな。
杠(ゆずりは)には、一文字では、「楪」「𣜿」「杜」、二文字では「譲葉」「讓葉」「杠葉」などの表記が見られます。
こちらの記事で、その詳細をご覧になってください!
⇒ 木へんに葉と書いて𣜿!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
※「楪」は名前に使えないのですが、その理由を追いかけた記事を書きました。
⇒ 「楪」が名前に使えない理由とは何か?その内容をガッツリと伝え切る
「杠」は名前に使える?使えない理由
「杠」は、子どもの名前には使えません。
子どもの名前に使用できる漢字は、原則として常用漢字と人名用漢字に限られています。
「杠」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていないため、出生届に記載する名前には使用できないのです。
「ゆずりは」という読みには、世代を受け継ぐような印象がありますが、漢字の意味やイメージが悪いから使えないわけではありません。
名付けに使用できる漢字として認められていないことだけが理由です。
なお、「杠」は名前には使えませんが、苗字では「ゆずりは」「ゆづりは」「あかなし」などと読む実例があります。
「杠」のつく苗字と読み方
「杠」は子どもの名前には使用できませんが、苗字には使われています。
「杠」のつく主な苗字は、「杠」と「杠葉」です。
| 苗字 | 読み方 | 全国人数 |
|---|---|---|
| 杠 | ゆずりは、ゆづりは、あかなし | およそ1,200人 |
| 杠葉 | ゆずりは | およそ50人 |
人数は名字由来netの推定値であり、時期によって変わる場合があります。
一文字の苗字「杠」
一文字の「杠」は、「ゆずりは」「ゆづりは」「あかなし」と読みます。
全国におよそ1,200人いるとされ、特に佐賀県、福岡県、島根県などで見られる苗字です。
名字由来netでは、肥前国神埼郡の杠山に由来する苗字とされています。
ユズリハが生えている場所を表す地名から生まれたと考えられています。
「杠葉」という苗字
「杠葉」は「ゆずりは」と読み、全国におよそ50人いるとされる珍しい苗字です。
「杠」も「葉」も植物のユズリハを連想させる漢字で、読み方も植物名と同じです。
なお、「杠」という漢字だけを見て、その人の国籍を判断することはできません。
「杠」は、日本で実際に使われている苗字です。
※上述した他の「ゆずりは」と読む漢字の苗字は、これも上で紹介した次の記事で調べていますので、是非、ご覧ください。
木の下に工・木かんむりに工は「杢」
杢
「木へんに工」と書く漢字は「杠」ですが、「木」の下に「工」を置くと「杢」という別の漢字になります。
「杢」は「もく」と読み、大工や木工を意味する日本で作られた国字です。
「木」と「工」を組み合わせて、木を加工する職人である大工を表しています。
また、「杢目(もくめ)」「玉杢(たまもく)」「縮杢(ちぢみもく)」など、木材に現れる特徴的な模様を表す言葉にも使われます。
「木へんに工」は「杠」、「木の下に工」や「木かんむりに工」は「杢」と、字の配置によって区別しましょう。
「杠」のつく言葉
「杠」は日常生活で目にする機会の少ない漢字ですが、「杠秤」「杠谷樹」などの言葉に使われています。
主な言葉を確認してみましょう。
| 言葉 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 杠秤 | ちぎり | 重い物を量るために使われた大型の竿秤 |
| 杠谷樹 | ひいらぎ | モクセイ科の常緑小高木であるヒイラギ |
「杠秤」は「ちぎり」と読み、重い物を量るために使われた大型の竿秤を表します。
「ちぎ」「ちきり」とも呼ばれ、一本の長い棒を利用して物の重さを量る道具です。
「杠谷樹」は「ひいらぎ」と読み、一般には「柊」と書く植物を表します。
ヒイラギはモクセイ科の常緑小高木で、若い葉の縁に鋭いとげがあるのが特徴です。
「杠谷樹」は非常に珍しい表記で、通常は「柊」が使われます。
既に、「木へんに冬」で記事をアップしています。
まとめ
木へんに工と書く「杠」という漢字を追求してみました。
この漢字、一本橋や旗ざおを意味する漢字で、その成立ちは一本の棒でした。
日本語では「ゆずりは」と読み、その同音読みに「楪」「𣜿」がありましたね。
人名漢字ではないので、苗字を追いかけてみましたが、2つの姓しか見つかりませんでした。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
法務省「子の名に使える漢字」
杠|名字由来net
※気づけば木へんの記事も増えてきました











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