門構えに木で閑!読み方から意味・名前・苗字での使われ方まで総特集

2023年6月15日

主要な話題から脇の話に逸れて、また、主要な話題に戻すとき「閑話休題」という言葉を使うことをご存知でしょうか?

「それはさておき」「さて」の意味になります。

60爺

この4文字熟語の先頭の漢字が今回の主役です!

この「閑」は、60爺の漢字を巡る旅のシリーズには該当しませんが「門構えに○○」に該当する漢字ですね。門構えの漢字は初めてですね。

見つけてしまえば、この門構えに木の「閑」について、読み方から意味・書き順、そして、名前での使い方まで総特集しなけりゃなりませんなあ!

それでは、ご一緒に最後までお付き合いをお願いします。

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門構えに木といえば閑!漢字の読み方や全体像をまずはチェック

最初に、閑の意味と読み方を明確にしましょう。

閑の読み方と意味

画数 :12画
音訓:カン ふさ・ぐ のり な・れる なら・う ひま(日本語だけ)のど
意味
①人馬の進入を遮り止める木の柵。②ふさ・ぐ。枠でおさえる。おさえ止める。きまりを守る。③のり。さかいめ。きまり。規制の枠。④なら・う(ならふ)。な・れる(なる)。枠にはまる。また、規制になれていうことをきくさま。⑤ひま。ひまな時間。また、用事がなくてひまである。⑥のんびりとしている。また、ゆったりとしていて静かに落ち着いている。⑦たいせつでない。どうでもよい。なおざりにする。⑧姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(訓読み)のど(名付け)しず・のり・もり・やす・より

参考:上級漢和辞典 漢字源 学研

「閑」の音読みは「カン」で、訓読みは「ふさ・ぐ」「のり」「なら・う」「な・れる」「ひま」と5つもあります。日本語の訓読みに「のど」まであるんです。

意味は8つもあります。

最初の4つは枠に関わる意味(防いだり、決まりだったり、規制に慣れたり・・・)ですね。5,6番目は「ひま」に関わる意味です。7番目は少し意味合いが離れます。

60爺

最後はいつもの姓の一つで、「閑」さんがいるんですよ!

何故、こんなに意味があるのかは、次の章をご覧ください。

この漢字の書き順を見てみましょうか。

この漢字の書き順は門を書いてから木を書きます!間違えそうな箇所はないですよね。


もっと詳しく知ろう!閑の漢字としての由来や成り立ち

閑の解字です。

閑=「門(出入口)」+「木(き)」(会意)。

会意とは、二つ以上の漢字を組み合わせて、もとの漢字とは別の意味を表した漢字

閑は、出入り口をふさいで人馬の侵入を遮る木(意味①)を示しているんです。

そして、「憲(勝手な行動を押さえ止める枠)」や干「(敵の攻撃を防ぐ盾)」と同源で、「遮り止める」というコアイメージがあります。

このイメージから、邪悪なものを遮って防ぐという意味(②~④)に展開していきました。

また、仕事や活動を一時的に止めて生じる時間(ひま)という意味(⑤)、ひまができてゆったりと落ち着く(ひっそりと静かにしている)という意味(⑥)に派生していったんです。

これは、上述した意味の中に皆含まれているモノですよね。

閑のつく言葉

この章では、閑のつく言葉をみていきたいと思います。

閑は意味がたくさんあったので、次の4つに分類して挙げてみました。

  1. 枠に関わる
  2. ひま
  3. のんびり
  4. どうでもいい

上述した意味の①~④までを1.に、⑤を2.に、⑥を3.に、⑦を4.に入れています。

それでは、それぞれ、どんな言葉があるのか見ていきましょう。

枠に関わる

トップは、意味の①~④に当たるであろう言葉です。

進入を防いだり、遮ったり、規制に慣れたりするものを表す言葉ですね。

閑のつく言葉読み意味
閑邪カンシ゛ャ・シ゛ャヲフサク゛悪い心や悪い事がらがおこるのをさえぎりとめる。
閑習カンシュウしきたりになれてよく知る。
閑達カンタツやり方になれて通じる。しきたりになれてよく知っていること。習熟する。

3つ出ました。閑習、閑達については、聞いたことがあるようなないような…。

ひま

次は、「ひま」に関する言葉です。

閑のつく言葉読み意味
閑暇カンカ⇒間暇。①ひまなこと。また、ひまな時間。②静かに落ち着いているさま。
閑官カンカン⇒間官。職務がひまな役目・官職。《類義語》散官。
閑散カンサン⇒間散。①用事がなくてひまなさま。②普段はにぎやかなのに、そのときだけひっそりとして静かなこと。
閑職カンショクひまなことが多い、重要でない職務。
閑人カンシ゛ン・ヒマシ゛ン⇒間人。用事がなくてひまがあり、のんびりしている人。
閑中カンチュウ《日本語での特別な意味》ひまで、用事がないとき。《対語》忙中。

最初の言葉より倍の6つ出てきました。

閑散、閑職は知ってます(威張らなくてもいいです^^;)!暇な役目・感触を「閑官(カンカン)」というんですな。

のんびり

のんびり、ゆったりしていることを示す言葉です。

閑のつく言葉読み意味
閑雅カンカ゛⇒間雅。もの静かで上品なこと。《日本語での特別な意味》もの静かで、けしきに趣があること。
閑閑カンカン①車がゆれるさま。②自由にのびのびと往来するさま。③ゆったりと落ち着いているさま。④盛んなさま。
閑吟カンキ゛ン静かにゆったりと詩歌を口ずさむ。
閑寂カンシ゛ャク・カンセキ⇒間寂。ひっそりとしてもの静かなこと。
閑処カンショ⇒間処。①静かで落ち着いている所。②静かに休む個人のへや。私室。③ゆったりと静かにして住む。
閑舒カンシ゛ョ{閑暢(カンチョウ)}静かで気分がのびのびする。
閑情カンシ゛ョウ静かな落ち着いた心持ち。
閑靖カンセイ⇒間靖。静かで心安らかなこと。
閑静カンセイ⇒間静。①もの静かなこと。②欲がなくてあっさりしていること。
閑素カンソもの静かで質素なさま。
閑地カンチ⇒間地。①静かで落ち着いている土地。②あき地。③ひまな地位・身分。
閑適カンテキ⇒間適。ゆったりと心ゆくままに暮らす。
閑田カンテ゛ン⇒間田。耕作していない田畑。
閑冶カンヤ女が、もの静かで美しい。
閑和カンワもの静かで、気持ちがやわらいださま。

「閑静」では「閑静な住宅街」というような使い方がありますね

その他にも、閑が2文字目に来る「長閑(のどか)」なんて言葉があります。ちなみに、この言葉については、記事をアップしていますよ。

60爺

最後に出てきた長閑はわかります・・・。

どうでもいい

最後に「どうでもいい」「なおざりにする」言葉ですね。

閑のつく言葉読み意味
閑却カンキャクいいかげんにしてほったらかしにしておく。なおざりにする。
閑談カンタ゛ン{閑話(カンワ)・閑語(カンコ゛)}①ゆったり落ち着いて話す。②むだばなし。世間話。
閑文字カンモシ゛むだな字句やことば。また、役に立たない文章。
閑話カンワ⇒間話。①「閑談」と同じ。②特にこれといった目的や主題のない、とりとめのない話。

以上、かなりの数の言葉が出てきましたが、知っていた言葉は次の4つのみという悲しさです^^;

閑散、閑職、閑静、閑話

次の章では、「閑」が名前・苗字で、どう使われているかを述べておきます。

名前・苗字での使われ方

名前と苗字に使われている「閑」について確認します。

始めに、名前の使われ方を見ていきます。

名前での使われ方

門構えに木と書く閑は、人名として使える漢字です。

この漢字は、読みに「かん」「しず」「のり」「もり」「やす」「より」があるので名付けをしやすいですね。

「閑」という漢字は、落ち着きや穏やかな雰囲気を想いに込められると考えてます。

  • 優しく穏やかな人に育って欲しい
  • 落ち着きのある人生を送れるように

男の子の名前60爺ベスト3

  1. 閑(かん)
  2. 閑翔(しずと)
  3. 閑史(やすふみ)

読みがたくさんあるので、違う読みで行ってみました。1は、一文字で「かん」、2は「しず」、3は「やす」と読ませます。

女の子の名前60爺ベスト3

  1. 閑菜(かんな)
  2. 閑佳(しずか)
  3. 閑子(よりこ)

男の子と同様に、違う読みで行ってみました。1は、一文字で「かん」、2は「しず」、3は「より」と読ませます。

苗字での使われ方

次は、「閑」が苗字でどう使われているか見ていきましょう。

「閑」一文字のみの名字があるか見ておきます。

【名字】閑
【読み】かん,しずか,しず
【全国順位】 22,473位
【全国人数】 およそ180人

参考:苗字由来net

読み方が3種類あります。「かん」「しずか」「しず」です。

順位は、22400番台、人数も約180人と、そこそこの「閑」姓さんがいらっしゃいます。

名字の由来解説も載っております。

関連姓は静氏など。現栃木県である下野国が発祥。諏訪神党。静かで穏やかな土地の意味。近年、愛媛県今治市や広島県豊田郡に多数みられる。

引用 苗字由来net

都道府県別の人数もみておきましょう。

都道府県人数
広島県およそ40人
神奈川県およそ30人
群馬県およそ30人
愛媛県およそ20人
東京都およそ20人

参考:苗字由来net

東西に均等にいらっしゃるようですな。ベスト5で140人と約8割が入りました。

発祥が栃木県とありますが、ベスト5には入っていませんね。群馬県に流れたのでしょうか?愛媛県は4位に入りました。

次に、閑を含む苗字がどのくらいあるかを見ておきます。

内空閑(うちくが)、内古閑(うちこが)、上古閑(かみこが)、閑喜(かんき)、閑古(かんこ)、閑歳(かんさい)、閑崎(かんざき)、閑社(かんしゃ)、閑者(かんじゃ)、閑治谷(かんじや)、閑上(かんじょう)、閑定(かんじょう)、閑製(かんせい)、閑谷(かんたに)、閑陀(かんだ)、閑田(かんだ)、閑地(かんち)、閑戸(かんと)、閑念(かんねん)、閑野(かんの,しずの)、閑納(かんのう)、閑林(かんばやし)、閑本(かんもと)、閑陸(かんりく)、空閑(くが)、久閑(くが)、古閑(こが他)、貞閑(さだか)、新後閑(しごか)、閑井(しずい)、自閑(じかん)、浄閑(じょうかん)、高閑者(たかがわ)、東閑(とうかん)、堂閑(どうかん)、道閑(どうかん)、中古閑(なかこが)、中閑(なかん)、明閑(みょうかん)

かなりたくさんの名字が見つかりました!

「かん」と読むのが多いですね。あとは、「が」「か」「しず」が見られます。

記事を終わる前に、「門を構成に含む漢字」にどんな文字があるかを簡単に見ておきます。

門を構成に含む漢字達

門が漢字の構成に含まれる表記の一部をみておきましょう。

漢字主な読み部首主な意味
セン・ひらめ(く)門構えひらめく。ちらっとえる。
モン・と(う)くちとう。いただす。追及する。
ヘイ・し(まる)門構えとじる。とざす。しめる。しまる。
かん・しず(か)門構えしずか。のどか。いている。
カン・あいだ門構えあいだ。あい。つのもののあいだ。
モン・もだ(える)こころもだえる。んでしむ。
ジュン・うる(う)門構えうるう。りの月日平年よりも日数月数いこと。
-・くぬぎ木へんくぬぎ。ブナ科の落葉高木。櫟とも書く。

参考:「門」を構成に含む漢字

最後の「椚」は木へんに門ですが、他の漢字は「門構え」の漢字だと思っていたら、「問」と「悶」は部首が違うんです。

問は口(くち)、悶は心(こころ)が部首でした。何が基準になっているんでしょうか?

この内、門に人の「閃」、門に心で「悶」、木へんに門の「椚」の3つを別記事としてアップ済です。

門に人の「閃」は、上述とおり「ひらめく」の意を持っており、パッと思いつくイメージがあります。詳細は次の記事をご覧ください。

門に心の「悶」は、「もだえ」を表します。「悶々とする」という気持ちは、皆、経験済ではないでしょうか。詳細は、こちらの記事をどうぞ。

木へんに門の「椚」は、昔の子供たちの人気の樹木で、甲虫(カブトムシ・クワガタ)を採るのに最高でした。

最後に

門構えに木で閑の読み方と意味について述べてきました。

意味は、何と8つもありましたね。「閑」という漢字がもつ意味が、コアイメージから派生して様々な意味があることが分かりました。

閑のつく言葉は、それぞれの意味ごとに抽出してみましたが、他の漢字のつく言葉と同様、勉強不足なのか知っている言葉が少なかったです。残念。

閑は人名漢字で読みがたくさんあったので、ベスト3には、違う読みをする名前を取り上げてみました。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺