スプーンの昔の言い方は何?その語源や歴史などを含めて詳しくご紹介

2023年5月9日

ゴールデンウィークに、次女が旦那と8カ月の孫を連れて里帰りしました。2泊3日のあわただしい帰省でしたが、いやー、孫は可愛いですな!

さてさて、そんな孫ですが、どの位したら食器を使えるようになるんでしょうか。可愛いスプーンやフォークを使う姿も楽しみですな。

ここで、出てきたスプーンなんですが、昔は別の言い方をしていたななんてフト思い出したんですよ。

60爺

以前、スーツの昔の言い方を記事にしており、このスプーンについてもそうしようと考えました。

現在、この昔の言い方をしても、若い方は聞いたことがないなんて言うのでしょうか。

この記事では、スプーンの昔の言い方を上げるとともに、その言葉の語源、歴史などを詳しくご紹介しようと思います。

是非、ご一緒に最後までご覧になっていってくださいね。

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スプーンの昔の言い方

スプーンの昔の言い方です。

スプーンの昔の言い方は?

匙(さじ)

この言葉を聞いたことがありますか?広辞苑で「さじ」を引いてみます。

さじ【匙・匕】
(「茶匙」の字音から)柄の先に小皿状の部分がついた、液体や粉末をすくいとる道具。スプーン。

引用 広辞苑

ここにある、『「茶匙」の字音から』とあるのは次の意味です。

「和訓にあらず。音也。茶をすくふ匙(かひ)也」(日本釈名)。つまり、「茶(さ)匙(じ)」の字音から出た言葉なんです。

スプーンをスプーンと呼ぶようになったのは、いつくらいからですかね。

60爺

30年ほど前、子供がスプーンを持つ頃には、スプーンと言っていました。物心が付いた時から、スプーンと言っていたっけ?覚えてないなア。

現在では、スプーンを「匙」という方は、ほとんどいないのではないでしょうか。モノの呼び名は時代とともに変わっていくんですね。

昔の言い方があるモノは他にもあります。スーツ、コート、それからシーツですね。これらの記事をアップしていますので、合わせて、ご覧ください。

スーツの昔の言い方は3文字で「〇〇ろ」です。この言葉は男性専用だったんですよ!スーツになって、男女兼用に変わりました。

コートの昔の言い方は、60爺の親父の年代でないとわからないかも?「〇○○う」という4文字の言葉です。

シーツの昔の言い方は「し」で始まる3文字ですね。60~70代の方であれば知っていると思います。

キッチンの昔の言い方は「だ」で始まる5文字ですね。今も普通に使われているところもありますよね。

次の記事は、昔の言葉を一覧にしていっぱい紹介してます。

匙の語源

次に、匙の語源を見ていきましょう。

匙の語源

匙の語源ですね。

中古
「さじ」は『宇津保物語』に例があり、既に使われていた
中世
香(こう)をすくうための「香匙(きょうじ・こうじ)」に対し、抹茶をすくうためのものを「茶匙(さじ)」と称した

古くは、大きさにかかわりなく「かひ」と呼ばれていたが、「さじ」の語が一般化するにつれて、小型のものを「さじ」、大型のものを「しゃくし(杓子)」と呼び分けるようになった。

シャジ※は、サジの変化した語形である。

また、薬を扱う「薬匙」を誤って「茶匙」としたため、本来の「茶匙」を「茶杓」と呼んだのではないか。なんて説もあります。

参考 新明解語源辞典

シャジ※って広辞苑にも載っているんですよ。

しゃじ【×匙】
「さじ」の音変化。

引用 広辞苑

スプーンの歴史

スプーンの歴史について見に行きましょう。

ヨーロッパ

まずは、ヨーロッパです。

ヨーロッパのスプーンの歴史

新石器時代(紀元前10,000年~同2,200年)
この時代に使われた陶器製や骨を削ったスプーンが発掘されている。
前3200年~前1,200年頃
古代ギリシアで使われていた青銅器のスプーンが出土している。
紀元前753年~476年または554年
ローマ帝国時代では、食事に「麦の粥」を食べる時にスプーンを使った。このスプーンは ローマ帝国の遺跡から、いくつも出土している。
en:Cochleariumと呼ばれ、ボウル状の部分と取っ手の間が複雑に曲がったスプーンである。
17世紀~18世紀
スプーンが一般に普及した。
ナイフ・フォーク・スプーンのセットで食事する形式が確立されたのは、19世紀ごろと思われる。

イギリスでは、1259年にエドワード1世の旅程の項目としてワードローブがあったが、その中にスプーンの記述があった。

また、洗礼式にスプーンを贈られる習慣があり、身分や貧富の差によって材質が異なっていた。

古代エジプト

古代エジプトでも、スプーンは用いられていたようですね。

古代エジプトのスプーンの歴史

紀元前3,000年~紀元前30年
紀元前1000年ころに、木製、石製、象牙製などのスプーンが使われたことが分かっている。
使用したのは、ファラオや書記など身分が高い人々である。儀式などに使用されるため、スプーンには華やかな装飾や象形文字などで覆われていた。
なお、スプーン状の道具は調理、食事の配膳、化粧、医療などで使われていたようだ。

中国

次は、お隣の困った大国、中国ではどうだったのでしょうか?

中国のスプーンの歴史

匙は、7,000年以上前に農耕文化が出現してから発明されたと推測されている。

殷(紀元前17世紀頃 – 紀元前1046年)王朝
スプーンが用いられていたそうです。
秦(紀元前905年 – 紀元前206年)・漢(紀元前206年 – 8年)代
漆塗りの木製のものが主に使用される
後漢(25年 – 220年)代
銀製の匙も登場
隋(581年 – 618年)・唐(618年 – 907年)代
銀製のものが主流

ただし、以上の匙は宮廷で使われたもので、庶民は手で食べたり木製の匙を使ったりしていた可能性が高い

中国や朝鮮半島などでは、ごはんと汁類には匙や散蓮華を使い、おかず類に箸を使います。

日本

それでは、我が国ではどうだったんでしょうか?

日本のように、味噌汁などは、利き手に箸を持ち、利き手ではない方の手で椀を持ち上げ、口を付けて食べるのは世界的に見ても珍しいようです。

日本のスプーンの歴史

匙は、7,000年以上前に農耕文化が出現してから発明されたと推測されている。

弥生時代(紀元前3世紀)~(3世紀)
住居跡から木製のものが出土、儀式用と考えられている。
正倉院(756年(天平勝宝8歳)前後)
収蔵品などに匙が見える

ここからは、歳月共に、スプーン(匙)は少なくなっていく。一般人には全く普及していなかったし、上流社会も8世紀末~9世紀初ごろには箸食に遷移したと考えられている

鎌倉時代(12世紀末~1333年(元弘3年/正慶2年))~
禅寺では匙を使っていた
上流社会の儀式や接待などでは引き続き使用されていたようだ
江戸時代(1600~1868年)
・1682年徳川綱吉の襲職祝賀に使用された記録あり
・1719年申『海遊録』(申維翰:朝鮮通信使)に小田原城で受けた接待で金銀の箸や匙が使用されたとの記述
・また、将軍家や大名の侍医のことを匙を使って薬を量ることから「お匙」と呼んでいた

日本の家庭では匙は洋食や中華料理に用いる傾向が強い

参考:wiki スプーン

最後に

スプーンは昔何と呼ばれていたかを見てきました。

匙ですね。「おさじ」とか呼んでいた記憶があるようなないような記憶があります。今は、匙と呼ぶ人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

その他、匙の語源について見てきました。こちらを見ても、「さじ」となるまでに、いくつか変遷していったことが見てとれます。

最後に、ヨーロッパ、古代エジプト、中国、日本でのスプーンの歴史を時代に沿ってみてきました。日本では、今も箸がメインで、スプーンは上述のように、洋食や中華料理の際に使うことが多いですね。茶碗蒸しはスプーンで食べますな!

※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら