櫆きへんなしで「魁」!読み方から意味・名前の使われ方まで総特集
日本語には数多くの漢字が存在し、その中には日常生活であまり見かけないものも多いです。
「櫆きへんなし」という言葉にある、トップの「櫆」もその一つです。
そして、「櫆きへんなし」って、「櫆」から「きへんなし」即ち「木へんを除く」ということで、残るのは「魁」という漢字ですね。
むむ、「櫆」とい漢字は初めて見るものですが、「魁」という漢字なら見たことがあります。
そう「魁傑ゾロ」という番組をとーい、遠い過去に見た覚えがあります。
今回の記事は、この櫆きへんなしで、「櫆」も含めた「魁」の読み方から意味、そして、名前の使われ方まで総特集していきたいと思います。
どうか、最後まで、ご覧になってください。
櫆きへんなしで「魁」!!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、櫆及び魁の意味と読み方を明確にしましょう。
櫆の読み方と意味
櫆
画数 :18画
音訓:カイ
意味
あつものをくむ、ひしゃく
魁の読み方と意味
魁
画数 :14画
音訓:カイ かしら さきがけ
意味
①あつものをくむ、ひしゃく
②かしら。首領
③科挙の各科の首席
④さきがけ。その道をはじめてひらいた人
⑤大きくて目立つ。堂々としているさま
⑥星の名。北斗七星のひしゃくの部分の四つの星。また、その第一星
⑦ひしゃく形の丸い殻
⑧植物の根の塊状ののもの
⑨姓の一つ。
日本語だけの意味・用法
(名付)いさお いさむ さきがけ つとむ はじめ
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
上記のとおり、「櫆」の音読みは「カイ」で、訓読みはありません。
また、「魁」の音読みは「カイ」で、訓読みは「かしら」「さきがけ」の2つです。

どこかで見た漢字だと思っていたら、昔、少年ジャンプで「魁!男塾」という連載のタイトルでしたね。
「櫆」の意味は「ひしゃく」一択です。
それに比べ、「魁」は、意味を9つも持っています。
①の意味である「ひしゃく」は、前述の如く「櫆」も全く同じ意味なんですよ。
実は、「櫆」は「魁」の原義(もとの意)を表した字なんですって。
②の意味では、「首魁(しゅかい):悪事・謀叛(むほん)などをたくらむ中心人物」なんて言葉があります。悪い意味ですね。
③の意味を表す言葉として「魁甲(かいこう)」があります。
④は元祖のことですね。
⑤の意味を表す言葉として「魁然(かいぜん)」があります。
⑥の意味を表す「魁斗(かいと)」「魁星(かいせい)」という言葉があります。
⑦は、カニや貝など、殻の形が水をくめるようになったモノを表します。
⑧ですが、丸く太い芋などですね。類語に「塊」があります。

この漢字の最後の意味は、「姓の一つ」ですので、中国に「魁」さんがいるんですね!
「魁」の書き順を見てみましょうか。

「魁」は「鬼」⇒「斗」を順に書きます。
鬼では、2~6の「田」の書き方に注意(縦棒が先)です。
斗はてんてんを先に書くんですよ。
「櫆」は環境依存文字で、木へんの後に「魁」を書きます。
※漢字自体は簡単でも読み方の難しい漢字は多々あります。「魁」は番外編で収録です。
もっと詳しく知ろう!「櫆」「魁」の漢字としての由来や成り立ち
まずは、魁の字源です。
魁=「鬼(キ・頭が丸く大きい)+斗(ひしゃく)」(形声)で構成されます。
ここから、長い柄に丸い頭のついた「ひしゃく」を表しているんですね。
形声とは、漢字の六書(リクショ)の一つ。発音を表す文字と、意味を表す文字とを組み合わせて、新しい文字を作る方法。
「鬼」が「頭が丸く大きい」ことから、上記の意味のうち、次の6つに派生していったのでしょう。
- ②かしら。首領
- ③科挙の各科の首席
- ④さきがけ。その道をはじめてひらいた人
- ⑤大きくて目立つ。堂々としているさま
- ⑦ひしゃく形の丸い殻
- ⑧植物の根の塊状ののもの
そして、「⑥星の名」は、北斗七星とひしゃくを合わせたのでしょう。
次に、「櫆」の字源です。
「櫆」=「魁(ひしゃく)」+「木」で構成され、先程も述べた「魁」の原義を表した文字です!
この「櫆」を「櫂(かい)」の異体字と言っているサイトもありますが、漢字源(学研)を見る限り、そのような解釈は存在しません!
魁を使った言葉
「櫆」を使った言葉はないので、この章では、魁を使った様々な言葉を一覧にしました。
魁を使った言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
魁偉 | カイイ | 顔や身体が人並みはずれて大きくて立派なさま |
魁岸 | カイガン | 容貌の偉大なさま |
魁傑 | カイケツ | 不思議な力をもつ優れた人 |
魁首 | カイシュ | 集団の親分。かしら |
魁師 | カイスイ | 賊徒などの長 |
トップの「魁偉」、「容貌魁偉」なんて使い方をして、押し出しが立派な人を言う表現ですね。
3つ目は、冒頭で言った「魁傑ゾロ」、その意味は②の方だと思います。

懐かしいですな。これ、1920年の作品らしいです。テレビでやっていたんですよ。
魁首も親分を表す言葉として、どこか小説で見たような気がします。
頭の3つは、意味の⑤「大きくて目立つ。堂々としているさま」に属す言葉です。
「かしら」の意味が2つ(魁首、魁師)ですね。
名前に使われる際のポイントは
「櫆」は常用漢字でも人名用漢字でもないため名前に使用できません。
「魁」は人名用漢字ですので名付けに用いることができます。
音読みの「カイ」の他に、名付けとして、「いさお」「いさむ」「さきがけ」「つとむ」「はじめ」と読ませることもできます。
魁という漢字には、上記で見たように9つの意味がありましたが、そのうち、名前として使用する際に願いとしを込められるものは次の3つでしょうか。
- かしら。首領
- さきがけ
- 大きくて目立つ
それぞれ、どのような願いが込められるかかんたんに見ていきましょう。
さきがけ
その道を初めてひらいた人という意を持っています。
これは、イコール先駆者として、人の先頭に立って、新たな道を拓けるような人になってほしいという願いです。
これからの世の中は、新しい技術が次々と開発されて行くので、それに関わるような人になってほしいです。
大きくて目立つ
人として大きな器を持った人間となってほしいとの願いです。
体の大きさのことではなく、人格や能力が大きく優れた人になってほしいとの願望です。
かしら・首領
ここからは、人の上に立つリーダーとしての能力を発揮してほしいとの願いです。
意味にあるようなトップに立つということにこだわらず、リーダーとしての資質を持って物事を勧めていける人を想定しています。
名付けの例
差別をするわけではないですが、「魁」は男の向けの漢字だと思います。
まあ、候補はいくつか上げては置きますが…。
男の子
- 魁(「いさお」「いさむ」「さきがけ」「つとむ」「はじめ」)
- 魁斗(かいと)
- 魁柊(かいしゅう)
読みは、1は「魁」位置文字で、名付けとして読める複数の名称、2,3が「かい」です。
女の子
- 魁菜(かいな)
- 魁奈(かいな)
- 魁南(かいな)
読みは、皆「かいな」となってしまいました。
こう見ると、やはり、「魁」は女性向きではないような感じが強いです。
名字に使われる際のポイントは
「櫆」を含む名字は存在しないようです。
次に、「魁」ですが、本場中国では姓として存在しますが、日本ではどうでしょうか。
一文字の「魁」という名字を探してみました。
【名字】魁
【読み】はじめ,さきがけ
【全国順位】 73,803位
【全国人数】 およそ10人
参考:魁|名字由来net
この名字存在しました。そして、読みに、「はじめ」と「さきがけ」という読みですね。
順位が73,000番台、人数は10人程度ですので少数民族です。
都道府県別にみると、熊本県のみに在住しているようです。
「魁」に他の漢字を付加した名字は次の通りです。
魁のつく姓 | 読み | 全国順位 | 全国人数 |
---|---|---|---|
魁生 | かいしょう | 35,415位 | およそ80人 |
軍魁 | ぐんか、ぐんかい | 88,448位 | およそ10人 |
上記の2つの名字がありました。
「魁」のつく名字は、全国的に少ないと見て良いでしょう。
最後に
櫆きへんなしで「魁」ということで、「櫆」と「魁」を追いかけてみました。
「櫆」は「魁」の原義を表す漢字です。
「櫆」の意味は唯一でしたが、「鬼」と「斗」で構成される「魁」ですが、鬼の意味は、「頭が丸く大きい」ですから、特に怖い意味ではなく、8つも意味のある漢字でした。
これらの漢字を使用した言葉、名付けのポイント、どんな名字があるかを確認しましたが、「櫆」はいずれも該当せず、「魁」に絞ってまとめました。
※「その他の漢字」も大所帯になってきました
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