虫が3つの漢字「蟲」!読み方・意味・由来・入力方法まで完全ガイド
「虫が3つ」並んだ漢字は何?と聞かれたとき、多くの方が思い浮かべるのが「蟲(むし)」です。
実はこの漢字、ただの虫の集合ではなく、古くは「昆虫に限らない小さな生き物全般」を指していた文字。
現代では省略され「虫」が一般的になりましたが、「蟲」には歴史的にも文化的にも深い背景があります。
しかし、読み方や意味、常用漢字との違い、スマホやPCでの出し方など、調べても意外と情報がまとまっていないのが実情ではないでしょうか。
本記事では、虫3つの漢字「蟲」について、読み方・意味・由来から、入力方法、名字での使われ方、現代での扱いまで、やさしく総まとめします。
検索して辿り着いたあなたが、「これが知りたかった!」と感じられる内容を網羅。
「虫が3つ」の漢字に隠れた世界を、一緒にのぞいてみましょう。
虫が3つの漢字は『蟲』!読み方から意味を確認
蟲
皆さん、この漢字を見たことはありますか?
虫が三つも集まった、インパクト抜群の漢字。
そう、これが今回主役の「蟲」です!
まずは、この漢字の基本的な情報をサクッと押さえて、なぜこんな形になったのか、謎を解き明かしていきましょう。
| 画数 | 18 |
| 音読み | チュウ、キ |
| 訓読み | むし |
| 意味 | 音読み「チュウ」 ①虫。昆虫の総称 ②動物の総称 ③足のある虫の総称 ④「虫虫(ちゅうちゅう)」とは熱気のこもるさま ⑤姓の一つ 音読み「キ」 毒蛇の名。まむし |
読み方は「ちゅう」と「むし」!
「蟲」は画数が多くて難しそうに見えますが、読み方はそこまで複雑ではありません。
一番よく使われるのは、音読みの「チュウ」です。
「チュウ」と聞くと、ちょっと専門的な響きがありますよね。
もちろん、訓読みとして「むし」と読むこともあります。
実は「チュウ」という音は、この漢字が古代中国で誕生した際の発音が由来になっています。
虫が三つでなぜ『むし』じゃないの?と疑問に感じるかもしれませんが、それは単にたくさんの虫を表すための視覚的な工夫なんです!
この漢字の成り立ちについては、後の章で詳しく解説しますね。
書き順をチェック!綺麗に書くコツ
まずは、書き順を見てください。

いざ書いてみると、画数が多くてバランスが取りにくいのが「蟲」の難点。
特に『虫』を三つ並べる間隔が重要です!
この漢字を「綺麗に書くコツ」は次の通りです。
- 1つ目の『虫』:少し大きめに、しっかりとした土台を築くイメージで
- 2つ目と3つ目:下の二つの『虫』は、上のものよりも少し小さく、左右対称になるよう、キュッと引き締めて
フォント別の表示差
フォント別に「蟲」を出してみたので、パソコンやスマホではどちらの書体で表示されるか、以下の図で確認してみてください。

一般的に、明朝体(印刷向け)ではハネやトメが繊細に、ゴシック体(ウェブ向け)では太く読みやすい形になります。
さらに、手書きに近い楷書体と、崩して書く行書体でも字の印象が変わります。
ぜひ、違いを比べてみてください!
蟲の意味:本来は「虫だけではない生き物の総称」だった
「蟲」=「むし」、そう理解している方がほとんどだと思いますが、実はこの漢字の本来の意味は、現代の私たちが考える「昆虫」という枠を遥かに超えていました。
「虫」という漢字が、もともとヘビ(特に毒ヘビ)を象った文字だったという驚きの事実があることは先ほど触れましたが、この「蟲」は「虫」が三つ重なることで、「数が多くて小さく、うごめく生き物全般」を指す総称として使われていました。
「蟲」は、ただの昆虫を示すのではなく、上記の意味②にあるように、以下の5つのカテゴリーに当てはまる「生き物の総称」を意味していたんです。
| 羽蟲 | ウチュウ | 鳥類 |
| 毛蟲 | モウチュウ | 獣類 |
| 甲蟲 | コウチュウ | 亀類 |
| 鱗蟲 | リンチュウ | 魚類 |
| 裸蟲 | ラチュウ | 人類 |
調べてみると、中国の宋の時代(1039年)の「集韻」と辞書に、「蟲」に対して「裸毛羽鱗介之總稱」と説明が載っていたそうです。
このように、古代の中国では、動物を体表の特徴や生息環境で大きく分けていました。
「羽のある鳥・昆虫類」「毛の生えた獣」「甲羅のある甲殻類」「水中の魚」、そして、我々、人類も「裸の人間」として、全部をひっくるめて「蟲」と呼んでいたわけです。
まるで、大昔の壮大な動物分類図みたいですよね!
それが時を経て、より「小さな昆虫類」を指す言葉として使われるようになり、やがて「虫」というシンプルな漢字が「むし」の代表となり、「蟲」は旧字として使われることが少なくなっていったのです。
なぜ「虫3つ」なのか?字源・由来をわかりやすく紹介
「蟲」が昆虫だけでなく、ヘビや魚なども含む「小さな生き物の総称」だったことは分かりましたね。
では、なぜ「虫」という字を三つも重ねる必要があったのでしょうか?
この「虫が三つ」の形こそが、「蟲」の持つ重要な意味をシンプルに表現しているんです。
漢字のルール「多いことを表す」
漢字には、同じパーツを繰り返すことで「量が多いこと」や「程度が強いこと」を表すという、基本的なルールがあります。
- 「木」:1本だとただの木
- 「林(木が2つ)」:木がたくさん生えている様子
- 「森(木が3つ)」:木がうっそうと茂っている様子
これと同じ考え方が、「蟲」にも当てはまっています。
- 「虫」:本来、ヘビや爬虫類など一匹の大きな生き物の象形
- 「蟲(虫が3つ)」:うじゃうじゃと、数えきれないほどたくさんの小さな生き物がうごめいている様子
つまり、「蟲」は単に「虫」という意味を繰り返すのではなく、「群れをなして蠢(うごめ)く生命体」を表現するために、視覚的に「多い!」とわかるようにデザインされた漢字なんです。
「虫」と「蟲」のルーツの違い
ここで大事なのが、ルーツを遡ると「虫」と「蟲」はもともと別の漢字だったという点です。
| 虫 | マムシやヘビの形を横から見た姿を象った象形文字 | 毒を持つ大きなヘビや爬虫類 |
| 蟲 | 小さな生き物が多くいる様子を「虫」を三つ重ねて表現した会意文字 | 昆虫、魚、カエルなど「うごめく小さな生命体」の総称 |
虫は頭が丸く大きな蛇を描いた図形(象形文字)です。
「虫」の元になった図形(甲骨文、金文、篆文)です。



蟲=「虫(まむしの形)」+「虫」+「虫」
虫はマムシを表します。
しかし、「蟲」は、マムシという具体物を離れて、一般的なムシを代表し、虫を三つ重ねた図形により、様々な虫、たくさん集まった数の多い虫をイメージさせます。
「蟲は衆なり」という語源で、「蟲」は「数が多い」というイメージがあります!
しかし、時代と共に、「虫」が最もシンプルで使いやすいことから、「むし」全般を表す代表選手になっていきました。
その結果、「蟲」は「虫」の旧字体、または「たくさんの虫」を表す特殊な漢字として残る形になったのです。
この「虫が三つ=たくさん」というシンプルなルールが分かると、この漢字のインパクトも理解しやすくなりますね!
蟲は旧字体?今でも使える?
この「蟲」という漢字、形が複雑なので「もしかして古い漢字なのかな?」と感じた人も多いでしょう。
ズバリ、「蟲」は「虫(むし)」の旧字体にあたります。
戦後、漢字の整理が行われ、より簡単で分かりやすい漢字を使う新字体が定められました。
このとき、複雑な「蟲」は、画数の少ない「虫」に統一され、現在ではこの「虫」が標準とされています。
「じゃあ、『蟲』はもう使えないの?」というと、そんなことはありません!
「蟲」は常用漢字や人名用漢字のリストには含まれていませんが、JIS第2水準の漢字としてパソコンやスマホで標準的に入力・表示が可能です。
人名用漢字でないことから、「蟲」は人名には使えませんが、苗字には実例がありますので後述します。
また、表外漢字(常用漢字以外の漢字)として、特定の場面や古風な表現で現代でも使われています。
- 慣用句・熟語:「毒蟲(どくちゅう)」など、特定の言葉では今も使われています
- デザイン・文学:レトロな雰囲気を出したいときや、漢字本来の持つ重みを表現したいときに効果的に使われます
つまり、「蟲」は旧字体ではありますが、現代でも立派に使える、味わい深い漢字なんです!
「虫」と「蟲」の使い分け
「蟲」は「虫」の旧字体だと分かりましたが、現代において、あえて画数の多い「蟲」を使う場合、どんな違いや使い分けがあるのでしょうか?
結論から言うと、基本的には「虫」を使えばOKです。
しかし、「蟲」を使うことで、言葉に特定のニュアンスをプラスすることができます。
標準的な表記:「虫」
現在の日本語では、昆虫や小さな生き物を指す場合、画数の少ない「虫」が標準です。
例: カブトムシ、蛍(ホタルの虫)、虫歯、弱虫、害虫
日常生活や公的な文書など、一般的な場面では「虫」を使うのが最も適切でわかりやすいでしょう。
特殊なニュアンスの表記:「蟲」
一方、旧字体である「蟲」を使うことで、以下のようなニュアンスを強調することができます。
古典的な・古い表現:学術書や漢文、伝統的な文学作品など、歴史的な文脈や古典の引用で使われます。
- 「たくさんいる」ニュアンスの強調:元々の字源が「たくさんうごめく」ことを意味しているため、「毒蟲(どくちゅう)」のように、群生する、あるいは強力な毒を持つ虫、といった迫力や怖さを強調したい場合に効果的です。
- デザイン・美術性:あえて複雑な形を使うことで、視覚的な重厚さや、漢字本来の持つ力強さを表現したい場合に使われます。
また、「虫」がもともとヘビを意味していたのに対し、「蟲」が昆虫や小さな生き物の総称だったというルーツの違いから、厳密な意味を使い分ける研究者もいます。
簡単にまとめると、実用性なら「虫」、表現力や重厚さなら「蟲」、と使い分けるのが現代的です。
「蟲」を使うことで、言葉に深みが増す、と覚えておくと面白いですね!
蟲は苗字に使える?実在する名字を紹介
中国では「蟲」という姓があるようですが、我が国日本にも「蟲」さん入るのでしょうか?
この「蟲」という一文字の名字を名字由来netで検索しましたが、ヒットしませんでした。
では、「蟲」に違う漢字をつけた名字があるか探したところ、次の名字が見つかりました。
【名字】蟲明
【読み】むしあけ,むしあき
【全国順位】 72,320位
【全国人数】 およそ10人
「蟲明」と書いた「むしあけ」「むしあき」さんですね。
ご覧のように、順位は72,320位と低く、人数も「およそ10人」と大変少ないです。
由来は、岡山県南東部の備前国邑久郡虫明村だそうです。村の名前が名字になったわけですな。
浦上家から宇喜多家へと主を替えたようです。
他にも、次の名字がありました。
【名字】玉蟲
【読み】たまむし
【全国順位】 66,586位
【全国人数】 およそ20人
こちらは、「玉蟲」と書く「たまむし」さんです。
「蟲明」さんより、順位は少し上がって66,586位、人数も倍の「およそ20人」です。
由来は、熊本県御船町などに同地名が見られるとありましたので、Googleマップで見ると、同地に「玉虫」というバス停と「玉虫観音寺」がありました。
玉虫がいっぱいいたのでしょうか?
「蟲」のつく名字ですが、今述べた2つの他に見つけることは出来ませんでした。
「虫」のつく名字だと「虫谷」「虫野」「高虫」など、そこそこあるようですが、「蟲」がつく名字は珍しいようですね。
虫が3つの漢字「蟲」をパソコン等で出す方法
パソコン、スマホ、テプラの各機器で「蟲」を出せるか見ておきましょう。
パソコン
「むし」と入れて文字変換することで「蟲」を出すことができます。
変換キーを何度か押すと、変換候補に「蟲」が出てくるので、選択すれば表示できます。

「蟲」が入力できました。

パソコンでは、コード変換でも「蟲」の入力ができます。
また、次の3つの数字のうち、いずれかを日本語で入れてF5キーを押すと変換候補の中に「蟲」がありますのでクリックしましょう。
6A35、7421、87F2
6A35でやってみましょう。
- 日本語で「6A35」と入力
- 日本語で「6A35」と入力します。
右のように「6あ35」となりますが問題ありません。

- F5キー押下
- F5キーを押します。
候補が表示されるので、「蟲」をクリックします。

- 「蟲」入力完了
- 「蟲」が入力できました。

スマホ
スマホでも「むし」と入れて変換することで「蟲」を出すことができます。
「むし」と入れた変換候補を見てみましょう。

変換候補の最初のページにはないようです。
下の方に行きましょう。

「蟲」が出てきました。

タップすれば完了です!
テプラ
テプラも「むし」と入れて変換することで「蟲」が候補に出てきます。
手順を示します。
- 「むし」と入力
- 「むし」と入力します。

- 「むし」と入力
- 変換候補が表れます。
さらに、候補を表示します。

- 「蟲」を選択
- 「蟲」が出てきました。
選択しましょう。

- 「蟲」入力完了
- 「蟲」の入力が完了しました。

それぞれの機器全てで文字変換が可能でした。
蟲を使った言葉・熟語まとめ
これまで「蟲」の持つ深い意味や、複雑な成り立ちを見てきました。
ここでは、実際に「蟲」が使われている言葉や熟語をチェックし、その知識を整理しましょう。
多くは古典的な表現ですが、知っておくと「漢字通」として一目置かれるかもしれませんよ!
音読み「ちゅう」が中心の熟語リスト
「蟲」は「ちゅう」と音読みすることが多いため、熟語も音読みが中心です。
特に、前の章で解説した古代の壮大な動物分類(五蟲)が由来となっている言葉が多く残っています。
| 熟語 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 毒蟲 | どくちゅう | 毒を持つ虫のこと。集団の怖さや、病原菌などの比喩としても使われる |
| 鱗蟲 | りんちゅう | 鱗を持つ生き物。魚やヘビ、トカゲなど |
| 羽蟲 | うちゅう | 羽を持つ生き物。鳥や蝶、トンボなど |
| 甲蟲 | こうちゅう | 甲羅や殻を持つ生き物。カニ、エビ、貝など |
| 毛蟲 | もうちゅう | 毛を持つ生き物。人間以外の獣、つまり哺乳類のこと |
| 五蟲 | ごちゅう | 古代の思想で、人間以外の動物を分類した総称 |
| 蟲魚 | ちゅうぎょ | 虫と魚。また、下等動物のこと |
| 蟲豸 | ちゆうち | 足のある虫と、足のない虫。虫類の総称 |
このリストの中で、現代では「毒蟲」「蟲豸」を除き、ほとんどの言葉は学術的な文脈や古典・漢文でしか使われません。
私たちが日常で「魚」を「鱗蟲」と呼ぶことはありませんよね。
でも、「蟲」と書くことで、「古代の壮大な分類体系に基づいた呼び方をしている」という、特別なニュアンスを込めることができるんです。
つまり、現在の使い分けは、「たくさんいる虫」という意味合いを強調したい時や、古典的な雰囲気を出したい場合に、あえて「蟲」を選ぶということになります。
なお、「毒蟲」「蟲魚」は、現代では「毒虫」「虫魚」と書きます。
訓読み「むし」として使われる場合
現代では「虫」という漢字が「むし」の代表ですが、古典や文学などでは、そのまま「むし」という訓読みで「蟲」が使われることがあります。
また、特定の種類の「むし」の名称には、「蟲」が旧字体として使われてきました。
- 毛蟲(けむし):蛾や蝶の幼虫のこと。
- 蟲:単純に「むし」を指す際に、あえて古風な重厚な表現として使う。
つまり、現在の使い分けは、「たくさんいる虫」という意味合いを強調したい時や、古典的な雰囲気を出したい場合に、あえて「蟲」を選ぶということになります。
「蟲」を使うことで、言葉に深みが増す、と覚えておくと面白いですね!
神話・物語における「魔性・異界」のイメージ
「蟲」は、ただの生き物という枠を超え、古くから「魔性」や「異界」のイメージと結びついてきました。
漢字の成り立ちが「うじゃうじゃと蠢く(うごめく)」様子を表すことから、「病の原因となるもの」「人の心に巣食う邪悪なもの」「この世ならざるもの」といった、目に見えない得体の知れない存在の比喩として使われてきたのです。
特に、日本では、人の魂や心を蝕む「もののけ」や「霊的な存在」を表す際にも「蟲」が使われることがあり、その不気味さや根源的な怖さを強調する効果を持っています。
サブカルチャーでの利用例(作品名・キャラクター)
その強烈なイメージから、「蟲」や「虫」の字、あるいはその概念は、ゲームやアニメ、漫画といったサブカルチャー作品で異質さや禍々しさを象徴するために多用されています。
例としては、次のような作品に出てきます。
- 「鬼滅の刃」の胡蝶しのぶ:「蟲の呼吸」の使い手
- 「NARUTO」の油女シノ:体内に蟲を寄生させ、それを操って戦う「蟲使い」
- 風の谷のナウシカ:王蟲、蟲使い
- 蟲毒:夢枕獏「陰陽師」の中に出てくる式神を作る法
このように、「蟲」は単なる旧字体というだけでなく、フィクションの世界で「恐怖」や「異文化」を表現するための強力な記号として機能しているのです。
同じ字が3つの漢字はたくさんある
「蟲(虫が三つ)」を見て、「同じパーツを重ねた漢字なんて珍しい!」と思われたかもしれませんね。
しかし、実は漢字の世界には、同じ字を二つ重ねた漢字や、三つ重ねた漢字がたくさん存在します。
特に「蟲」のように、同じパーツを三つ並べた漢字には、文字学の世界で正式な名前がついています。
正式名称は「品字様(ひんじよう)」!
同じパーツを三つ重ねて、漢字の「品」の字のようにピラミッド型に配置された漢字のスタイルを、「品字様(ひんじよう)」と呼びます。
これは、漢字の構成(構造)を指す専門的な分類名です。
これらの漢字は、パーツを重ねることで「数が非常に多いこと」や「程度が甚だしいこと」を表現するという、漢字のユニークなルールに基づいています。
| 漢字 | ベース | 読み | 意味 |
|---|---|---|---|
| 森 | 木 | もり、シン | 木々がうっそうと茂って、深い林になっている様子 |
| 晶 | 日 | あき、ショウ | 光がいくつも集まって、キラキラと輝いている様子(例:結晶) |
| 轟 | 車 | とどろ(く)、ゴウ | 車の音がゴロゴロと鳴り響いている様子 |
※「品字様」の漢字のうち、既に記事にしているのは以下です。
⇒ 石3つの漢字「磊」!読み方から意味・四字熟語までガッツリ総特集
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視覚で「多さ」を伝える漢字
「蟲」も「森」も、パーツが三つあることで、一目で「たくさんあるぞ!」というメッセージを伝えてくれます。
漢字の構造を直感的に「三つ重ねた形だね!」と捉える、親しみやすい言い方もありますが、「品字様」という正式な分類を知っておくと、漢字マニアとして知識に深みが増しますね!
品字様には、これら以外にも珍しい漢字がたくさんあります。
私たちの祖先が、いかに視覚的な表現力を大切にしていたかがよくわかりますね。
虫3つの漢字に関するよくある質問
ここまで「蟲」について深掘りしてきましたが、読者の皆さんが抱きやすい疑問をQ&A形式でまとめてみました。「なるほど!」と納得できる疑問ばかりですよ!
Q1. 「蟲」と「虫」は、そもそも違う漢字だったの?
A. はい、ルーツは別々でした。
「虫」は元々、ヘビやトカゲなど大きな爬虫類を横から見た形を象った漢字でした。一方、「蟲」は小さな生き物が群れてうごめいている様子を表現するために、「虫」の字を三つ重ねて作られた別の漢字です。
時代と共に、「虫」がシンプルで書きやすいことから、「むし」全般の代表として使われるようになり、「蟲」は旧字体として扱われるようになりました。
Q2. 読み方の「ちゅう」はどこから来たの?
A. 古代中国での発音が日本に伝わったものです。
音読みの「ちゅう」は、この漢字が古代中国で使われていたときの発音(漢音)に由来しています。
「むし」は日本語の固有の読み方(訓読み)ですが、「ちゅう」は中国から輸入された音なのです。
現代中国語の発音は少し違いますが、日本語に定着した古い発音がそのまま残っているわけですね。
Q3. 「蟲」は本当に「虫」だけじゃない生き物も指すの?
A. その通り!古代では「人間以外の動物の総称」でした。
驚くかもしれませんが、古代中国の分類法では、「蟲」は昆虫だけでなく、魚、ヘビ、カニ、鳥、獣(けもの)といった人間を除くほとんどの動物を指す言葉でした。
鱗を持つものは「鱗蟲」、羽を持つものは「羽蟲」というように分類されていました。
字源を遡ると、とてもスケールの大きな漢字なんです!
Q4. パソコンやスマホで出すのは難しい?
A. 全く難しくありません!
「蟲」は画数が多いですが、JIS第2水準の漢字に含まれているため、ほとんどのデジタル機器で標準的に入力・表示が可能です。
PC:「むし」と入力して変換キーを押す
スマホ:「むし」で変換候補を探す
テプラ:「むし」で変換ボタンを押す
ぜひこの機会に、キーボードで「蟲」を出してみてください!
最後に
虫が三つ集まった「蟲」という漢字は、そのインパクトある見た目の裏に、深い歴史と壮大な意味を秘めていました。
この漢字の読み方は音読みの「チュウ」、訓読みの「むし」ですが、元々の意味は「昆虫」に留まらず、古代中国の分類法では魚、ヘビ、獣など人間以外の動物の総称でした。
これは、「たくさんうごめく様子」を表現するために「虫」を三つ重ねた「品字様」というスタイルで生まれたためです。
現代では「虫」の旧字体として扱われますが、JIS第2水準の漢字としてパソコンでも使用可能です。
日常では「虫」が標準ですが、文章に古典的な重厚さや「群れている」ニュアンスを強調したい場合に「蟲」は非常に有効です。
「蟲」は、ただ難しい漢字ではなく、古代の思想や漢字の持つルールを私たちに教えてくれる、知識欲を刺激する魅力的な一文字と言えるでしょう。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
「虫」「蟲」の字源、意味|コトバンク(出典:精選版 日本国語大辞典、他)
新聞漢字あれこれ38 同じ漢字が3つ「品字様」|KanjiCafe
虫と蟲-1
※「同じ漢字3つで構成される漢字」達です









60爺




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