「超える」と「越える」の違いは?使い分けの基準と簡単な覚え方を紹介
「超える」と「越える」、どちらの漢字を使うべきか迷ったことはありませんか?
どちらも「こえる」と読みますが、実は明確な使い分けのルールがあります。
間違った漢字を使ってしまうと、文章の信頼性を損ねてしまうかもしれません。
結論から言うと、使い分けのポイントは「数値・基準」か「場所・時間」かにあります。
この記事では、迷った瞬間にすぐ解決できるよう、「超える」と「越える」の違いを比較表で分かりやすく紹介します。
読み終える頃には、どんなシーンでも自信を持って正しい漢字を選べるようになっているはずです。
「超える」と「越える」の違い・使い分け一覧表
「超える」と「越える」のどちらを使うべきか迷ったら、まずは以下の比較表をチェックしてください。
| 項目 | 超える | 越える |
|---|---|---|
| 判断の基準 | 「数値・レベル」を上回る | 「場所・時間」を通り過ぎる |
| イメージ | 上へ突き抜ける(点) | 向こう側へ渡る(線) |
| 言い換え | オーバーする | 通過する |
| 英語 | Exceed | Cross |
| よくある例 | 100人、予想、限界、30℃ | 山、国境、冬、12時 |
迷った時の「一発」見分け方
「超える」と「越える」、どちらの漢字か分からなくなった時は、その言葉を英語のイメージに変換してみるのも一つの方法です。
- 「exceed(上回る、凌駕する)」なら…… 超える
- 「Cross(渡る、過ぎる)」なら…… 越える
例えば、「速度制限を超える(exceed the speed limit)」、「cross the border(国境を越える)」と言うように判断できます。
どっちを使う?シーン別の詳しい判断基準
一覧表で全体像がつかめたところで、それぞれの漢字がどのようなシーンで使われるのか、具体的なケースを深掘りして解説します。
「超える」を使うケース(数値・限度・比較)

「超える」は、ある一定の基準(ライン)を上回る場合に使います。
数量的な多さや、質的なレベルの高さを表すのが特徴です。
- 数量・金額:基準より多い
- 100万円を超える費用
- 定員を超える応募
- 人口が3,000万人を超える
- 程度・レベル:期待や限界を上回る
- 想像を超える展開
- 限界を超える挑戦
- 実力が平均を超える
- 比較:対象よりも優れている
- 前作を超える傑作
- 父を超える料理の腕前
「越える」を使うケース(移動・経過・障害)

「越える」は、ある地点を通り過ぎて向こう側へ行く場合に使います。
物理的な移動や、時間の流れを感じさせる場面で活躍します。
- 場所・空間:境界をまたぐ、移動する
- 国境を越えて隣国へ
- 山を越え、谷を越える
- フェンスを越えてボールが飛ぶ
- 時間・時期:ある時を通過する
- 年を越して再会する
- 冬を越えて春になる
- 40歳を越えてから始めた趣味
- 障害・困難:ハードルを乗り越える
- いくつもの苦難を越える
- 障害物を越えてゴールする
迷いやすい「境界線」の判断ポイント
言葉の意味によっては、「超える」と「越える」のどちらも使われるケースがあります。
その場合、「何を伝えたいか(文脈)」によって漢字を使い分ける必要があります。
「壁」をこえる
「壁」という言葉をどう捉えるかで漢字が変わります。
- 「超える」を使う場合(能力・記録): 「自己ベストの壁を超える」「10万人の壁を超える」など、数値化できる限界や抽象的なレベルを突破するときに使います。
- 「越える」を使う場合(障害物・困難): 「高い塀を越える」「苦難の壁を越える」など、物理的な障害物や、それを乗り越えて先へ進むときに使います。
「12時」をこえる
時間に関する表現も、ニュアンスに違いがあります。
- 「超える」を使う場合(制限・超過): 「制限時間の12時を超えて作業した」など、定められた期限や枠組みをオーバーしたというニュアンスが強くなります。
- 「越える」を使う場合(経過・移動): 「12時を越えて日付が変わった」など、針がその地点を通過して先へ進んだという移動のニュアンスになります。
「40歳」をこえる
年齢についても、表現したいことによって使い分けます。
- 「超える」を使う場合(数値・比較): 「参加者が40歳を超える」「平均年齢を超える」など、数字としての大きさに注目するとき。
- 「越える」を使う場合(人生の経過): 「40歳を越えて人生観が変わった」など、その年齢を通過した、人生の節目を通ったというニュアンスのときに使われます。
迷ったらどっち?
現代の日本語では、迷った際に「超える」を使うケースが増えています。
特に、公用文や新聞等では「数値・基準」には「超」、「場所・時間・困難」には「越」と厳格に分けられていますが、判断が難しい抽象的なケースでは「超」が汎用的に使われる傾向にあります。
【一発で覚える】便利な見分け方・覚え方
「解説を読んでも、いざ書く時に忘れてしまいそう…」という方のために、一瞬で判断できる覚え方をご紹介します。
漢字のイメージ(形)で覚える
漢字の「字源」(上級漢和辞典 漢字源)に注目すると、イメージが定着しやすくなります。
超=「召」+「走」で構成されています。
召は「⌒形に曲がる」、「走」は「足の動作」を表しています。
ここから、「超」は「物の上を⌒形に躍り上がる情景」、即ち、基準を突き破って「上」に行く漢字です。
越=「戉」+「走」で構成されます。
「戉」は「鉞(まさかり)」の形で「刃が⌒形に大きく反っているイメージ」、「走」は「足の動作」を表しています。
ここから、「越」は、空間的にある境界を、またぎ越す状況を示します。
即ち、線をまたいで「向こう側」へ行くときは「越」です。
「矢印」の向きで考える
視覚的に、矢印の向きがどちらを向いているかで判断します。
- 超える:矢印が「↑(上)」を向いている
- 気温が上がる
- 能力が上がる
- 数が増える。
- 越える:矢印が「→(右・先)」を向いている
- 県境をまたぐ
- 夜をまたぐ
- 障害物を通り過ぎる。
英語の「頭文字」で置き換える
英語が得意な方は、既に示していますが、この一文字を思い出すのが最短ルートです。
- 「exceed(上回る、凌駕する)」なら…… 超える
- 「Cross(渡る、過ぎる)」なら…… 越える
【30秒でチェック】使い分け確認テスト
正しい漢字を選べるか、最後に試してみましょう!
Q1. 予想を( )える結果に驚いた。
答え:超える (理由:予想という「基準」を上回ったため)Q2. 厳しい冬を( )えて、春が来た。
答え:越えて (理由:冬という「期間」を通り過ぎたため)Q3. 前人未到の記録を( )える。
答え:超える (理由:これまでの「数値・レベル」を塗り替えるため)Q4. 垣根を( )えてボールを拾いに行く。
答え:越えて (理由:垣根という「場所・境界」をまたぐため)※今回の記事の他にも、漢字の「違い」について、記事を書いています。
⇒ 暖かいと温かいの違いは何?絶対的な理由を詳しくご紹介
⇒ 固い・硬い・堅い・難いの違い?使い分けは使用例を見れば即解決
まとめ|「超える」と「越える」を正しく使い分けよう
最後に、「超える」と「越える」のポイントを振り返ります。
- 超える:数値・レベル・基準を「上回る」(More than / Over)
- 例:100人を超える、期待を超える、30℃を超える
- 越える:場所・時間・境界を「通り過ぎる」(Across / Pass)
- 例:峠を越える、年を越える、国境を越える
迷ったときは、「その境界線をまたいで向こう側に行くかどうか」を考えてみてください。
向こう側へ行くなら「越える」、単に基準を突破するなら「超える」です。
参考
漢字の使い分けときあかし辞典 研究社
上級漢和辞典 漢字源 学研
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