木へんに尾の漢字は「梶」!読み方と意味・苗字での使われ方
「木へんに尾」と書く漢字は「梶」です。
一般には「かじ」と読み、船の進む方向を変える装置やカジノキを表します。
一方、中国では「ビ」「こずえ」と読み、木の枝先という意味で使われてきました。
同じ「梶」でも、中国と日本では読み方や意味が異なる興味深い漢字です。
私がこの漢字に注目したきっかけは、『鬼平犯科帳』にも出演していた俳優・梶芽衣子さんの苗字でした。
この記事では、「梶」の読み方と意味、漢字の成り立ち、カジノキの特徴や苗字での使われ方を紹介します。
木へんに尾の漢字は「梶」!読み方と意味
木へんに尾を組み合わせた「梶」について、まずは基本情報を確認しましょう。
梶
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 木(きへん) |
| 画数 | 11画 |
| 音読み | ビ |
| 訓読み | こずえ・かじ |
| 意味 | 木のこずえ、船のかじ、かじ棒、カジノキ |
| 漢字の種類 | 人名用漢字 |
「梶」は人名用漢字に含まれているため、子どもの名前にも使用できます。
ただし、日常では個人の名前よりも、「梶」という苗字や船の「かじ」を表す漢字として見かけることが多いでしょう。
「梶」の読み方
「梶」の音読みは「ビ」、訓読みは「こずえ」です。
ただし、日本では一般に「かじ」と読まれます。
「かじ」は日本独自の読み方であり、中国における本来の読み方ではありません。
人名では「かじ」「こずえ」と読まれることがあります。
「梶」の意味
「梶」には、中国での本来の意味と、日本独自の意味があります。
中国では、木の先端にある細い枝、すなわち「こずえ」を表します。
日本では、主に次の意味で使われます。
- 船のかじ:船の進む方向を変えるための装置。
- かじ棒:人力車や荷車などの前方に伸びた、手で持って引くための棒。
- カジノキ:クワ科カジノキ属の落葉高木で、樹皮が和紙の原料に使われる木。
このように、同じ「梶」でも、中国では「木のこずえ」、日本では「船のかじ」「かじ棒」「カジノキ」を表します。
これらの意味がどのように生まれたのかは、次の「梶」の由来と漢字の成り立ちで詳しく見ていきましょう。
「梶」の書き順
「梶」は、左側の「木」を書いてから、右側の「尾」を書きます。

全体で11画です。
木へんを細めに書き、「尾」をやや大きく配置すると、左右のバランスを取りやすくなります。
※「きへんに○の漢字一覧」で記事を書いています。「尾」の他にも様々な漢字を用意しています。
「梶」の由来と漢字の成り立ち
「梶」は、中国と日本で異なる成り立ちを持つ漢字です。
「漢字源」では、中国の「梶」と、日本で船の「かじ」を表す「梶」を分けて説明しています。
中国の「梶」は形声文字
中国の「梶」は、「木」と「尾」を組み合わせた形声文字です。
「木」が意味を、「尾(ビ)」が音を表します。
「尾」には細く小さくて見えにくいという意味もあり、木のてっぺんにある細い枝先、すなわち「こずえ」を表す漢字になりました。
日本の「梶」は船尾にある「かじ」を表す
『漢字源』によると、日本の「梶」は「尾(しっぽ)」+「木(き)」で、船尾に取り付ける「かじ」を表記した和製漢字です。
中国にも同じ字形の「梶」がありますが、中国では「木のこずえ」、日本では「船のかじ」を表し、それぞれ成り立ちと意味が異なります。
また、「梶」を「かじ」と読むのも、日本独自の読み方です。
※和製漢字(国字)では、複数の記事を書いています。いくつか紹介します。
「梶」が表すカジノキとは

カジノキは、クワ科コウゾ属の落葉高木です。
大きな葉には毛が生えており、表面を触るとざらついています。
雌雄異株で、秋になると雌株に赤く熟した丸い実をつけます。
カジノキの樹皮から採れる繊維は丈夫なため、古くから和紙の原料として利用されてきました。
また、葉は神への供え物を載せる敷物などに使われ、神社の境内にも植えられてきた植物です。
七夕には、カジノキの葉に歌や願い事を書く風習もありました。
カジノキは和紙の原料となるだけでなく、日本の神事や年中行事とも深く結び付いてきた木です。
「梶」は名前に使える?
「梶」は人名用漢字に含まれているため、子どもの名前に使用できます。
名のりには「かじ」「こずえ」がありますが、個人の名前に使われる例は多くありません。
「梶」には船の進む方向を変えるという意味があるため、「自分の進む道を見定められる人に」「人生を望む方向へ導ける人に」といった願いを込めることはできます。
ただし、「梶」よりも船のかじを表す「舵」の方が一般的であり、初見では苗字と受け取られやすい漢字です。
名前に使用する場合は、読み方の分かりやすさや苗字とのバランスも考える必要があるでしょう。
「梶」のつく苗字と読み方
「梶」は、個人の名前よりも苗字で見かけることの多い漢字です。
「梶」一文字の苗字は、一般に「かじ」と読み、まれに「かぢ」とも読まれます。
名字由来netによると、「梶」という苗字は全国順位1,081位、人数はおよそ16,000人です。
全国各地に見られる苗字で、特定の一つの家系だけを起源とするものではありません。
「梶」のつく主な苗字には、次のものがあります。
| 苗字 | 読み方 |
|---|---|
| 梶 | かじ・かぢ |
| 梶川 | かじかわ |
| 梶谷 | かじたに・かじや |
| 梶田 | かじた |
| 梶本 | かじもと |
| 梶原 | かじわら |
| 梶山 | かじやま |
同じ漢字を使った苗字でも、地域や家系によって読み方が異なる場合があります。
なかでも「梶川」「梶原」「梶山」などは、「梶」に地形や場所を表す漢字を組み合わせた苗字です。
まとめ
木へんに尾と書く漢字は「梶」です。
音読みでは「ビ」、訓読みでは「こずえ」、日本独自の読み方では「かじ」と読みます。
中国の「梶」は木のこずえを表す形声文字ですが、日本では「木」と船尾の「尾」を組み合わせ、船の進む方向を変える「かじ」を表す和製漢字として解釈されています。
また、「梶」はカジノキを表し、その樹皮は和紙の原料、葉は神事などに用いられてきました。
人名用漢字なので名前にも使えますが、個人の名前よりも「梶」「梶原」「梶山」などの苗字で見かけることが多い漢字です。
同じ字形でありながら、中国と日本で異なる意味と成り立ちを持つところが、「梶」という漢字の大きな特徴といえるでしょう。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
梶|名字由来net
※気づけば木へんの記事も増えてきました










60爺




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