相殺を総特集【「そうさい」以外の読み方から意味・使い方まで】

2023年8月29日

今度の記事も漢字の読み方です。漢字は、時々、思いもよらない読み方をする場合があるんですよね。

で、それを知らないで「あいつ、馬鹿じゃないの。」なんて思ってたら、馬鹿は自分だったなんてことが、ままあったりします。

60爺

うかつなことは余り言わないようにしたいですね^^;

今回の対象は「相殺」という漢字です。皆さん、読み方はご存知ですか?

「そうさい」一択だと思ってました。「そうさつ」と読む人がことのほか多く、最近の日本人はと嘆いていたら何と辞書に載ってるんですよ。

「相殺」は「そうさつ」でも間違いではないことや何で「そうさい」っていう読み方をされるのか、その他、意味や使い方についても総特集しますよ。

ご一緒に最後までお付き合いくださいませ。

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「相殺」の読み方は?

辞書(広辞苑)から引いてみます。

そう‐さい【相殺】サウ‥
(「殺さい」は、へらす意)
①互いに差し引いて損得なしにすること。
②〔法〕二人が相互に負担する同種の債務を、その一方的な意思表示により対当額において消滅させること。

「殺」を「さい」と読むのは中国語に由来しているんです。

「さい」という読みは、「そぐ。へらす。そぎとって量や大きさをへらす」意味です。「相殺」は、互いに差し引くところから「さい」の読み方が採用されたんですねエ。

ところが、次の読みが辞書に、しかも、広辞苑に載っているんですよ!

そう‐さつ【相殺】サウ‥
ソウサイの慣用読み※。

老舗(ろうほ)に続き、こちらも衝撃でした。てっきり、「そうさつ」は誤りだと思っていましたから。何と、どちらの読みも許容されているんですな!

※かんよう‐よみ【慣用読み】クワン‥
漢字・ローマ字などで記された語の慣用的な読み方。
■慣用読みとは、「誤読」などにより本来とは異なる読み方が、広く用いられ定着した読み方のことです。

ここにあるように、本来は「誤読」だったんですが、広く用いられ定着したものなんです。皆が使うと間違いでも認知されるようになるんですね!

明鏡国語辞典以外は、「そうさい」も「そうさつ」も載っていました!

大辞林、大辞泉、日本国語大辞典には、「=そうさい」の意味の他に「互いに殺し合うこと。」が出ています!

ですから、今まで「相殺」を「そうさい」オンリーだった方も認識を改めましょうね。

上述の通り、世論や肉汁と同様、相殺にも「そうさつ」って読みはあるんですよ!

アホではありませんよ!「そうさつ」も「だいがえ」も許容されています。後で恥をかくのは自分自身ですからね^^;


相殺の意味

ここでは、「相殺」について、より具体的に考えてみます。

上述しましたが、広辞苑に、相殺とは、「互いに差し引いて損得なしにすること。」とあります。

具体的にいうと、「債務と債権」や「長所と短所」などを「互いに差し引きされ帳消しにすること」を意味します。

ビジネスや法律の世界でも使われます。

広辞苑では、2番目に法律用語で「二人が相互に負担する同種の債務を、その一方的な意思表示により対当額において消滅させること。」と出ています。

簡単に言うと次のようになります。

お互いに持つ同じ程度のプラス及びマイナス要素を差し引きしてプラスマイナスゼロにする

超簡単な例ですが、50万円の貸しと30万円の借りがある場合、30万円は相殺し、20万円の貸しが残っていることにするという処理ですね。

人やモノの良し悪しについては次のような使い方が出来ます。

  1. 長所を短所が相殺している
  2. 彼の持つ長所は、短所を相殺して余りある
  3. この企画は、二大役者の魅力を相殺しちゃうね

簡単に解説します。

  1. たとえば、「美人」ですが「ものぐさ」だったり、「頭がいい」けど「人見知り」など、長所を短所が打ち消してしまうような人に使います。
  2. こちらは、持っている長所が凄くて、短所をしのいでいる場合ですね。
  3. ここで出された企画はよっぽどひどいもので、二人の大物役者の魅力をも消し去るんですな。

相殺は「あいさつ」「あいごろし」とは読みません!

相殺について、読み方で笑えるものがいくつかあったので、ご紹介します。

上述したように、この漢字の読みは「そうさい」あるいは「そうさつ」です。

まあ、冗談で言ってらっしゃるのだと思いますが、「あいさつ」ではありませんよ!

これは笑えますよね。「あいごろし」ではありませんよ!

皆、分からないときは必死に漢字を読もうとしているんですよね。ですので、笑えると言ったことは削除します。

こんな読み方がある漢字

さて、相殺を見てきましたが、「そうさい」が主で「そうさつ」は慣用読みでしたね。

慣用読みではないものの意外な読みのある漢字が、いくつか存在します。

60爺が驚いた漢字の読み方を2つ紹介します。

老舗

この漢字、大体の方は「しにせ」と読むことはご存知かと思います。

中には、「ろうほ」と読まれる方もいらっしゃるのではないかと存じます。

えええーー!「そりゃ、違うだろ!」と怒れる方も多数おられると推察しますが、この漢字、「ろうほ」も辞書に載っています。

詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

代替

この漢字の読みは何でしょうか。

「だいかえ」「だいがえ」と読まれる方もいらっしゃるのではないかと存じます。

「だいたい」が正解でしょ!と怒れる方もおられると推察します。何言ってんだという方もいらっしゃいますよね。

しかし、どちらも辞書に載ってます。「だいかえ」「だいがえ」は、「だいたい」の重箱読み※なんですよ。

※じゅうばこ‐よみ【重箱読み】ヂユウ‥
漢字の熟語を「重箱」のように、上の字を音おん、下の字を訓でよむ読み方。

この「だいがえ」、日本国語大辞典にのみ載っていませんでした。

最後に

相殺という漢字ですが、「そうさい」と読む(「そうさい」以外は読みはない)と思っていました。

何と、「そうさつ」も辞書にも載ってるんですな!本当にビックリしました!

twitterなどには、過激に発言される方もいらっしゃいますが、後々、恥をかきますので注意しましょうね。

多分、外にも同様な事柄があると思いますが、まあ、何か見つけたら別途、紹介します。

※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら