山甘欠と書いて嵌!読み方から意味・この語を使った言葉まで総特集
「山甘欠」と書いて「嵌」という漢字があります。
普段あまり目にすることはないかもしれませんが、実は私たちの身近な場面にも潜んでいます。
この漢字にはどのような意味が込められ、どんな場面で使われるのでしょうか?
また、その成り立ちや使い方を知ることで、新たな発見があるかもしれません。
本記事では、この「山甘欠」と書いて「嵌」が持つ奥深い世界を紐解き、成り立ちや背景、そしてこの語を含むさまざまな言葉について総特集します。
普段何気なく使っている言葉の中にも、この漢字存在しているかもしれません。
意外な発見とともに、「嵌」という字の魅力を存分に楽しんでください。
さあ、それでは、ご一緒に最後までご確認ください。
山甘欠と書いて嵌!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、嵌の意味と読み方を明確にしましょう。
嵌の読み方と意味
嵌
画数 :12画
音読み:カン
訓読み:は・まる は・める
意味
①くぼみに押し込んではめ込む
②くぼみ。また、奥深く入り込んだ山中のくぼ地。深くくぼんだ谷
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「嵌」の音読みは「カン」で、訓読み「は・まる」「は・める」です。
意味は2つです。
①の意で、「嵌入」「象嵌」という言葉があります。
この漢字の書き順を見てみましょうか。

この漢字の書き順は、タイトルにあるようにに山甘欠を順に書きます。簡単です。
もっと詳しく知ろう!嵌の漢字としての由来や成り立ち
呈の下にある「王」ですが、旧字では「壬」なんです。次源は次の通りです。
嵌=「𣢟(カン:くぼみの中に物を入れる)+山(やま)」(形声)
※形声
漢字の六書(りくしょ)の一つ。意味を表わす文字に、音声を表わす文字を組み合わせて、新しい漢字を作る方法。
ここから、「嵌」は「山中に入り込んだくぼみ」を表します。
そして、この意が、山中に入り込んだくぼみに何かを「はめる」という意味になったのです。
上記の意味にある内容と一致するわけです。
嵌のつく言葉
この章では、嵌のつく言葉をみていき行きますが、始めに、「嵌る」「嵌める」を見ておきましょう。
嵌まる・嵌める
言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
嵌まる | はまる | ①穴や窪みに落ち込む ②かかわりあって抜け出せなくなる ③計略に引っ掛かる。だまされる ④女性の色香におぼれる ⑤しっくりと合う。うまくはいっておさまる ⑥うまくあてはまる。 |
嵌める | はめる | ①中に落とし入れる。投げ込む ②ある形に合うように中に入れておさめる ③ある制限・範囲内におさめ入れる ④計略にかける。いっぱいくわせる |
「嵌まる」「嵌める」共に複数の意味を持っています。
「嵌まる」では、「しっくりと合う」「うまくあてはまる」というポジティブな意味と、「だまされる」「女性の色香におぼれる」なんていうネガティブな意味が同居しています。
「嵌める」の方は、上記のような反対の意味はないようです。
嵌のつく熟語
ここでは、嵌のつく熟語を見ていきます。
トップの「象嵌」は、次の写真にあるように、異なる素材をはめ込んで装飾を施す技法のことです。

金属、木、陶器などに別の素材を埋め込むことで、美しい模様やデザインを生み出します。
日本の伝統工芸にも用いられ、刀剣や磁器などに見られます。
その職人が「嵌工」ですね。
「嵌合」を捕捉します。
特に機械工学や製造業において、部品同士を精密に組み合わせる際に用いられる概念です。
例えば、自動車や精密機器の組み立て、建築部品の接合、電子機器のコネクタ部分など、多くの分野で利用されています。
また、プラスチック成形品や金属加工においても、適切な嵌合が求められ、製品の耐久性や機能性を向上させる重要な要素となります。
持ち帰り弁当や、お寿司、お刺身などの容器(外嵌合)、パスタなどの麺類やカットフルーツを入れる容器(内嵌合)などに利用されているんです。
次は「嵌張」です。漢字ではわからなくとも「カンチャンまち」の「カンチャン」と言えば、麻雀好きの方には一発で通るのではないでしょうか?
「嵌頓」、これも滅多に見ない言葉です。
しかし、この言葉は、藪医者のせいで妻が死にそうになった際に出てきた言葉なんですよーー!

記事は、「妻が緊急手術に!藪医者の指示に従い妻が危うく命を落としかけた話」です。
最後の「嵌入」の意は、「はめこむこと」、まさに、この章でお話してきた内容ですね。
嵌を使った名前・名字について
嵌を使った名前及び名字について確認します。
嵌の名前での使われ方
この「嵌」は、常用漢字でも人名漢字でもないため、名付けに使うことは出来ません!
もし、名前に使えるとしても、ちょっと使いづらい漢字ですね。
嵌のつく名字
今度は「嵌」のつく名字をみましょうか。
最初に、「嵌」一文字の名字があるのか見てみました。
【名字】嵌
【読み】
【全国順位】
【全国人数】
参考資料 嵌|名字由来net
「嵌」という名字は存在しないようです。
また、「嵌」に他の漢字を付けた名字もありませんでした。
過去に、このような漢字がいくつかありました。
最後に
「嵌」という漢字は、「山」「甘」「欠」という三つの要素から成り立ち、「くぼみに押し込んではめ込む」「くぼみ」を意味します。
例えば「嵌める」「嵌まる」という言葉は、日常生活でも使われ、「罠に嵌る」「指輪が嵌る」といった表現に使われます。
また、技法としての「象嵌」や、工学分野で重要な「嵌合」など、幅広い分野で活用されています。
このように、「嵌」は単なる一文字ではなく、さまざまな場面で意味を持ち、私たちの生活に深く関わっています。
本記事を通じて、この漢字の奥深さや活用法について理解を深められたのではないでしょうか。
■シリーズものでない漢字の記事をいくつか掲げておきます。
- 口に王で呈!読み方から名字での使われ方までガッツリ総特集
- 羽に卒で「翠」!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
- 竹冠に馬で篤!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
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- 辻は点一つでも間違いじゃない!その理由から出し方まで大特集
※「その他の漢字」も大所帯になってきました
参考
上級漢和辞典 漢字源
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