区の部首は「匚(はこがまえ)」!由来・間違えやすい部首・仲間の漢字一覧
「区」の部首は何だろう?と調べてみると、「はこがまえ?」「囲い?」「かくしがまえ?」と迷ってしまう人は少なくありません。
結論から言うと、「区」の部首は一般的に「匚(はこがまえ)」です。
ただし、「匚(はこがまえ)」と非常によく似た「匸(かくしがまえ)」という部首もあり、辞書によっては両者を同じ部首として扱う場合があります。
この記事では、「区」の正しい部首を結論ファーストで示したうえで、混同されやすい理由や由来、はこがまえの仲間の漢字一覧まで、初めて調べる人にも分かりやすく解説します。
区の部首は「匚(はこがまえ)」

「区」の部首は「匚(はこがまえ)」です。
「匚(はこがまえ)」は、物を入れる箱や囲いを表す部首で、「匚」を含む漢字の部首や枠で囲む意味に関する漢字が集められます。
「区」は一見するとシンプルな形の漢字ですが、正式にはこの「匚」が部首として分類されます。
また、「匚(はこがまえ)」とよく似た部首に「匸(かくしがまえ)」がありますが、本記事では一般的な分類に従い、「区」の部首を「匚(はこがまえ)」として解説します。

なぜ「区」の部首は分かりにくいのか?
「区」の部首が分かりにくいのは、単に知識が足りないからではありません。
多くの人が同じように迷ってしまうのには、いくつかのはっきりした理由があります。
ここでは、「区」の部首が混乱しやすい原因を、代表的な3つのポイントに分けて見ていきましょう。
- 形が単純で部首の境目が見えにくい
- 似た形の部首が複数存在する
- 辞書や教材によって分類が異なる場合がある
これらの内容について、少し、細かく見ておきましょう。
形が単純で部首の境目が見えにくい
「区」は非常に画数が少なく、全体が一体化した形をしています。
そのため、どこが部首でどこが残りの部分なのか、見た目から判断しにくい漢字です。
特に、囲いの形をした漢字は「とにかく囲っている部分が部首」と思われがちで、正確な分類が意識されにくい傾向があります。
似た形の部首が複数存在する
「区」が分かりにくい最大の理由は、形のよく似た部首が複数存在することです。
「匚(はこがまえ)」のほかに、「囗(くにがまえ)」や「匸(かくしがまえ)」といった部首があり、どれも囲いの形をしているため混同されやすくなっています。
辞書や教材によって分類が異なる場合がある
さらに、混乱を招く要因として、辞書や学習資料によって部首の扱いが異なる場合があることが挙げられます。
本来は別の部首である「匚」と「匸」を同一の部首として扱う資料もあるため、調べるたびに答えが違うように感じてしまうのです。
匚(はこがまえ)の意味と「区」の由来
「匚(はこがまえ)」は、物を入れる箱や、一定の範囲を囲う囲いをかたどった部首です。
なお、「匚」の画数は2画で、下記に示す「かまえ」になることが多いので、「はこがまえ」と呼ばれるわけです。

「区」という漢字は、「囲われた範囲を分ける」「境界を設ける」という意味を持ち、部首である「匚」の成り立ちと意味が密接に関係しています。
これ、区の由来に大きくかかわっています。
区は、もと「區」と書く漢字です。
區=「匸(Lや⊂のような曲がった形に区切るさま)」+「品(3つの区画)」で構成される会意文字です。
いくつもの狭い区画に区切られて入り組んでいる状況を示した図形であり、小さく区切るというイメージがあります。
区画、地区、区分といった言葉からも分かるように、「区」はもともと「ある範囲を区切る」という概念を表す漢字なのです。
はこがまえ(匚)とかくしがまえ(匸)の違い

「匚(はこがまえ)」と「匸(かくしがまえ)」は、形がよく似ているため混同されやすい部首ですが、本来は意味や役割の異なる別の部首です。
「匚」は箱や囲いを表す部首で、「区」「医」「匠」などに使われます。
一方、「匸」は物を隠すことを表す部首で、「匿」などの漢字に使われます。
| 項目 | 匚 | 匸 |
|---|---|---|
| 部首名 | はこがまえ | かくしがまえ |
| 基本の意味 | 箱・囲い・区切り | 隠す・包み隠す |
| 形の特徴 | 左と下を囲う形 | 左と上を囲う形 |
| 主な使用漢字 | 区・医・匠・匹 | 匿 |
| 辞書での扱い | 独立した部首 | 匚と同一扱いの場合あり |
一般的な漢字学習では、「区」は「匚(はこがまえ)」に分類されますが、辞書や資料によっては、「匚」と「匸」を同じ部首として扱っているものもあります。
そのため、調べる資料によって部首名が異なって見えることがある点には注意が必要です。
「区」と間違えやすい部首との違い
「区」の部首は、「囗(くにがまえ)」や「凵(うけばこ)」と間違えられることがよくあります。
| 部首 | 見た目 | 代表漢字 | 違い |
|---|---|---|---|
| 匚 | 片側が開いている | 区・医 | 箱を表す形 |
| 囗 | 四角く囲む | 国・園 | 周囲を囲んだ形 |
| 凵 | くぼみ型 | 凹・凸 | 穴がくぼんだ形 |
「囗(くにがまえ)」は、四方を完全に囲む形をしており、「国」「園」「囲」などの漢字に使われます。
一方、「区」の部首である「匚」は、片側が開いている点が大きな違いです。
また、「凵(うけばこ)」は下が開いた形の部首で、「凶」「凹」「出」「凸」などに使われます。
囲いの形が似ていても、開いている方向が異なるため、見分けるポイントとして覚えておくとよいでしょう。
※囗(くにがまえ)の漢字と言えば、以下の記事に載っています。
⇒ 「円」の旧字とは?その意味から歴史・パソコンでの打ち方等を総特集
匚(はこがまえ)の仲間の漢字一覧
この章では、「匚(はこがまえ)」を部首にもつ漢字の一覧と、合わせて、「匚(はこがまえ)」の覚え方について述べます。
匚(はこがまえ)をもつ代表的な漢字
「匚(はこがまえ)」を部首にもつ漢字には、次のようなものがあります。
| 漢字 | 主な読み | 意味 |
|---|---|---|
| 区 | く | 区切る、範囲を分ける |
| 医 | い | 医療、医者 |
| 匹 | ひき | 動物を数える単位 |
| 匿 | とく | 隠す、かくまう |
| 匠 | たくみ | 職人、技に秀でた人 |
いずれも「囲う」「中に収める」といった意味合いを部首である「匚」から読み取ることができます。
※「匚(はこがまえ)」の漢字の記事は以下です。
⇒ はこがまえに王で匡!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
覚え方|「箱で区切る」と考える
匚(はこがまえ)をどうやって覚えればいいでしょうか?
「区」の部首を覚えるコツは、「箱で区切る」とイメージすることです。
「匚」は箱や囲いを表し、その中を分けることで「区」という意味になります。
「医」や「匠」など、同じ部首を持つ漢字とセットで覚えると、記憶にも残りやすくなります。
よくある質問(FAQ)
最後に、区及び「匚(くにがまえ)」で、よく出てくる質問を見ておきます。
Q1. 「区」の部首は「囗(くにがまえ)」ではないのですか?
いいえ、「区」の部首は「囗(くにがまえ)」ではありません。
正しい部首は「匚(はこがまえ)」です。
「囗」は四方を完全に囲む形をした部首で、「国」や「園」などの漢字に使われます。
一方、「区」に使われている「匚」は、片側が開いている囲いの形をしており、部首としての分類も異なります。
Q2. 「区」は何画の漢字ですか?
「区」の画数は4画です。
内訳は、部首である「匚」が2画、中の部分が2画となっています。
Q3. 匚(はこがまえ)にはどんな漢字がありますか?
匚(はこがまえ)を部首にもつ代表的な漢字には、「区」「医」「匹」「匿」「匠」などがあります。
これらの漢字はいずれも、「囲う」「中に収める」といった意味を部首である「匚」から読み取ることができます。
部首ごとに漢字をまとめて覚えると、学習効率も高まります。
Q4. 辞書によって「区」の部首が違って見えるのはなぜですか?
辞書によって「区」の部首が違って見えるのは、「匚(はこがまえ)」と「匸(かくしがまえ)」の扱いが統一されていないためです。
本来、この2つは意味や形の異なる別の部首ですが、学習用辞書や簡略化した漢和辞典の中には、両者を同じ部首としてまとめているものもあります。
そのため、資料によって部首名が異なって見える場合がありますが、一般的な分類では、「区」の部首は「匚(はこがまえ)」とされています。
まとめ
「区」の部首は「匚(はこがまえ)」です。
一見すると分かりにくい漢字ですが、「囲って区切る」という成り立ちを知ることで、意味と部首が自然につながります。
「囗」や「凵」との違いを意識しながら、匚(はこがまえ)の仲間の漢字とあわせて覚えると、理解がより深まるでしょう。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。








60爺



ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません