【警告】九字を切ってはいけません!素人が手を出すと「逆襲」される理由
昔、「孔雀王」という、若き阿闍利(あじゃり)・孔雀が、この世の理から外れた怪異と闘うコミックがありました。
この中で、孔雀が怪異に対して「臨・兵・闘・者・・・」の掛け声と共に九字を切るポーズが若者の間で流行っていました。

「九字を切る」って、いったい何?
ネットをみると、この「九字を切る」行為が危険だなんて書いてある記事なんぞを散見します。
この記事では、「九字を切る」とは何か、なぜ「九字を切ってはいけません」というのか、その根拠について追いかけてみました。
それでは、ご一緒に内容をご覧ください。
九字切りとは何か
メインテーマは『なぜ「九字を切ってはいけません」というのか』です。
しかし、「九字切り」が何か分からないと、何故、それがいけないことなのか、あやふやになる気もするので、そちらから解説します。
まずは、次の動画で「九字切り」の結び方・手の組み方を見ておきましょう。
ちなみに、「九字切り」は6分30秒あたりまで飛ばすと、すぐ見れます。
九字切りとは何か
「九字切り(くじきり/くじぎり)」とは、「九字を切る(くじをきる)」とも表現される作法のことです。
正式には、九字護身法(くじごしんぼう)と呼ばれ、主に修験道において「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前」の九字の呪文と九種類の印によって除災戦勝等を祈ります。
この作法は日本独自のモノであり、修験道に道教の六甲秘呪(九字の作法)や、その他の様々なものが混在しています。

この九字について、少し詳しくお話ししておきましょう。
「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前」という9つの文字は、「兵に臨んで闘う者は皆列をのべて前に在り」と読ませます。
ただの呪文ではありません。
一つ一つに、神仏の力が宿った重たい意味があるのです。
それぞれの漢字の意味ですが、文献によると、概ね以下のような意味を持つようです。
- 臨(りん): 自己の信仰が堅固なことを示す
- 兵(ぴょう): 修法者と仏の同化を示す
- 闘(とう): 相手を切ることを示す
- 者(しゃ): 相手をしばることを示す
- 皆(かい): 相手をかみくだくことを示す
- 陣(じん): 同上
- 烈(れつ): 自身が捉えられず、焼けず、濡らせず、傷付かない
- 在(ざい): 同上
- 前(ぜん): 自己の身を隠す
九字を切ることで、一切の悪霊を切断することを意味しています。
即ち、自分に立ち向かってくる生霊、死霊、怨霊などを打ち破り引き締めることを象徴しています。
この内容は、手元の『修験道大系』で調べたものです。
なぜ「九字を切ってはいけません」と言われるのか
では、なぜ素人が九字を切ってはいけないのか。
60爺が調べ、見聞きした範囲では、大きく分けて3つの危険なリスクがあるためです。
なぜ「九字を切ってはいけません」と言われるのか
「九字を切ってはいけません」と言われる理由は、次の通りです。
- 中途半端な力は、逆に霊を怒らせる
- 守ってくれている存在まで切ってしまう
- 精神のバランスを崩す
神仏に関する作法に対しては、決められた作法があり、それに従わないと予期せぬことが起きますので、注意することが肝要です。
実際にプロが九字を切るときは白装束になって実施しています。

中途半端な力は逆に霊を怒らせる
九字切りは、例えば、密教で、修行が一定の階梯に達し、伝法灌頂(かんじょう)により秘法を伝授された僧が行うモノなんです。
九字切りは、「霊的な刃物」を振り回すようなものであり、素人の生兵法で切ると、相手(悪いモノ)を祓うどころか、単に傷つけ、逆なでしてしまうことがあるのす。
怒り狂った霊から、それこそ「倍返し」の報復を受け、以前より体調が悪くなったり、不運が続いたりする……などという状況に陥ってしまうこともあります。
そして、一番怖いのは、このような状況に対する、後始末が出来ないことです。
このようなことがあるので、何かが起こった場合に、それを治める術を持たない素人は、「九字を切ってはいけません」と言われるのです。
守ってくれている存在まで切ってしまう
九字切りは強力な攻撃です。
コントロールができない素人が行うと、悪い霊だけでなく、ご自身を守ってくださっている「守護霊」や「ご先祖様」の加護まで無差別に切り裂いてしまう恐れがあると言われています。
自分で自分の守りを消してしまっては、元も子もありません。
ですから、素人は無闇に「九字を切ってはいけません」と言われているのです。
精神のバランスを崩す
素人が適当に行った「九字切り」で、中途半端に能力が覚醒した際に、意識の拡張により自我が肥大し、幻覚や幻聴を引き起こす精神状態へ陥ってしまうことがあります。
「自分が強くなった」と勘違いし、精神的に不安定になってしまうのです。
こんなこともあるので、素人がむやみに、九字切りをしてはならないのです。
※「雑談の部屋」の次の記事です。
※「雑談の部屋」の一つ前の記事です。
素人でもできる安全な厄除け・護身法
「最近なんだかツイていない」「変な気配を感じる」そう思って「九字切り」に辿り着いた方もいらっしゃるでしょう。
ですが、上記に示したような危険な真似をしなくても、古来より伝わる安全な方法はあります。
次の方法を、すぐさま実行しましょう。
- 神社での「柏手(かしわで)」
- 「盛り塩」で結界を作る
- それでもダメなら「プロ」へ
それぞれ、どんなことをすればいいのか見ていきましょう。
神社での「柏手(かしわで)」
神社にお参りした際、パン!と手を打ちますよね。
あの柏手の音には、邪気を払い空気を清める作用があると言われています。
ご自宅の神棚や、あるいは空気が淀んでいると感じる部屋で、心を込めて柏手を打つだけでも十分な効果が期待できます。
神社の参拝の仕方をまとめた記事があるので、是非、ご覧ください。
「盛り塩」で結界を作る
九字を切るのではなく、盛り塩で場を清めましょう。
天然の塩を小皿に盛り、玄関や部屋の四隅に置く
これだけで立派な結界になります。
それでもダメなら「プロ」へ
本当に霊的な現象でお困りなら、迷わず神社やお寺でお祓いを受けてください。
「餅は餅屋」です。
自分で自分を手術をしようとする人はいませんよね?
それと同じです。
但し、謝礼に何十万、何百万を要求する変なお祓い師には引っかからないようにしましょう!
最後に
九字を切るという語を見つけて、その内容を追いかけてみました。
日本での「九字を切る」は、仏教や、陰陽道などを巻き込んだ日本独自の発展を遂げたモノでした。
コミックなどで人気が出たせいで、「九字を切る」ポーズが、仮面ライダーの変身ポーズのように流行った時期もありました。
実際、この「九字を切る」のは除霊などでも行われるようですが、実際に行えるのは、やはり徳を積んだ人でないと難しいし、素人は下手なことをやると逆襲されたりするようですね。
「九字を切ってはいけません」と言われる理由を調べて、その感が、ますます強くなりました。
参考
九字|ウィキペディア
九字護身法|ウィキペディア
修験道大系 春秋社
荻野真『孔雀王』集英社
※「雑談の部屋」の記事はすごい大所帯です!












60爺



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