「判らない」の漢字は正しい?他の「わからない」と比べて使いこなそう

2023年12月7日

実は、先日、どこかのページで「…飼い主の判らない犬や猫を…」という表現を見たんですよ!

気になったのは「判らない」なんですが、おそらく「わからない」と読むと思いますけど、この漢字で合ってるんでしょうか

60爺

またしても、日本語の同音異語ですな。

パッと考えると「わからない」には、他の漢字表記がいくつか思いつきます。

そこで、今回の記事では、この「判らない」という漢字は正しいのか、他の「わからない」の漢字表記と比較して、それぞれを使いこなしていこうと思います。

是非、ご一緒にご覧になってください。

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「判らない」という漢字は正しいのか?

始めに、この「判らない」という漢字は正しいのか確認してみます。

「判らない」という漢字は正しいのか

「わからない」を辞書で引いても、一つも出て来ませんね。
そこで「わかる」を引いてみます。その結果…、

「判る」という表記は存在します。ですから、「判らない」という表記も存在するわけです。

但し、「判る」の読みは「常用漢字表の音訓索引」に載っていません。

そのため、公的な文書である「役所の書類」「新聞記事」「文部科学省検定済み教科書」等では使用しないことが重要です。

次に、「判らない」以外の「わからない」の漢字表記をみていきましょう。

それぞれの表記の紹介・使い分けと例文

明鏡国語辞典のみ、その使い分けが出ています。

  • 判らない:物事がそれと判別・判断される意
  • 解らない:理解できる意
  • 分(か)らない:上記二つの意を含んだ「わからない」全般の意

それぞれ、上記の意味を持つ場合、それぞれ該当する漢字表記を用いてもかまいませんが、「わからない」については「分(か)らない」を用いれば、基本的に問題はありません。

ただ、3つの漢字表記のうち、先程の「常用漢字表の音訓索引」に載っているのは「分(か)らない」だけなんです。

60爺

上述したように、公的な文書に使う場合、「分(か)らない」を使用します。

次に、それぞれの表記の使用例を挙げておきます。

  • 判らない:「違い[善悪]が判らない」「先のことは判らない」
  • 解らない:「英語が解らない」「あなたの気持ちはよく解らない」
  • 分(か)らない:上記の例を含む「わからない」の表記

ちなみに、パソコンで「わからない」と入力して変換を押下すると、変換候補に、今挙げた「判らない」「分からない」「分らない」「解らない」が出て来ますよ~。

スマホでも試してみましたが、こちらもパソコンと同様、変換候補に、「判らない」「分からない」「分らない」「解らない」が出て来ました。


漢字自体の持つ意味

この章では、「わからない」の漢字表記3つについて、その漢字の持つ意味を覗いてみようと思います。そこから何か見つかるでしょうか?

漢字画数意味
7画分割・区別されていない状態を二つに分けて善し悪しなどを見分ける
13画訳の分からない状態にあるモノを内容を理解してして分ける
4画判別する。見分ける

漢字の持つ意味を調べたところ、上記、使い分けで示された意味と同じ内容が出てきたと思います。

「分」は単純に、判別する、見分けるの意があるので、全体に用いることが出来るのですね。

他にもある!漢字選びが難しい言葉たち

「判らない」という漢字が正しいのか調べてみたところ、「わからない」については3つの表記があることが判明しました。

ここから、「常用漢字表の音訓索引」に載っているのは「分(か)らない」ことも明らかになりました。

他にも、この手の「漢字選びが難しい言葉たち」については、色々取り扱ってきました。それらの一部を一覧にしてみました。

言葉意味
あたたかい暖かい:気候・気温など、気体による全体的な体感に使う
温かい:個体・液体による感触や、気体による部分的体感に使う
さびしいさび・しい。しず・か。音がしない。ひっそりとして、さびしい。
・寂しい:常用漢字
・淋しい:常用外漢字
おさめる収める:中に入る。収束する。手に入れる。良い結果を得る。
納める:あるべきところに落ち着く。とどめる。引き渡す。終わりにする。
治める:問題のない状態になる。統治する。
修める:人格や行いを立派にする。身につける。
かたい固い:「ゆるい」の対語で広く一般に使う
硬い:「軟らかい」の対語で人の態度や物の状態に使う
堅い:「もろい」の対語で人や物の性質に使う
難い:それをするのが容易でない。むずかしい。
うつる映る:画像再生する。投影する。反映する。印象を与える。
写る:その通りに書く。画像として残す。透ける。
移る(遷る):物事が移動する様を表す
60爺

私が上記の言葉で過去に書いた記事は次の通りです。

最後に

「判らない」という漢字を素材に、「わからない」という別の表記を取出して、それらの使い分けを検討しました。

「わからない」には、最初に挙げた「判らない」の他に、「解らない」「分(か)らない」の2つがありました。

これらを比較してみましたが、「分(か)らない」が正規の書き方であることが分かりました。他の2つの書き方は、公文書には用いない方が良さそうです。

その他、意味と漢字の持つ意味から3つの表記を確認しましたが、意味と漢字の持つ意味が一致していたのは興味深かったですね。

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺