「羽」の旧字は何か?パソコン・スマホ・テプラでの出し方もご紹介
「羽」という漢字は日常的にもよく使われる文字ですが、その旧字(旧字体)をご存じでしょうか?
昔の文献や書道、あるいは伝統的な看板などで見かけることのある旧字体は、現代の漢字とはやや異なる形をしています。
本記事では、「羽」の旧字がどのような形なのかを明らかにしつつ、パソコンやスマホ、そしてテプラなどの機器でその旧字を表示・印刷する方法をご紹介します。
旧字体を正しく使いたいけれど出し方がわからない、という方に向けて、実践的かつわかりやすく紹介します。
特に和風のデザインや歴史的資料の作成時には、正しい旧字を使うことでより本格的な雰囲気を演出できます。
旧字の基本と操作方法を押さえて、表現の幅を広げてみましょう。
「羽」の旧字とは?
「羽」には、旧字の「羽」があります。

この「羽」は環境依存文字ですので、機器によってはきちんと表示されない場合がありますので、画像を表示しておきます。

この旧字「羽」の基本情報です。
画数 | 6画 |
音読み | ウ |
訓読み | は、はね、やばね(日本語のみ)わ |
主な意味 | ①は、はね。鳥のはね。 ②やばね。矢につけたはね ③はねのある鳥 ④舞のとき手に持つキジの尾ばねで作った飾り ⑤五声の一つ。古典音楽で階名を表す。七声の「ラ」 ⑥はねを伸ばす (日本語のみ)①鳥・ウサギを数えるときの言葉 ②「出羽」の略。「羽前」「奥羽」 |
意味の①の補足説明に「飛ぶ虫のはねも含めて言う」があります。
「羽」の類語に「翅」「翼」がありますが、それぞれの意を以下に示します。
- 羽:左右に並ぶ鳥の風切りばね
- 翅:鳥や昆虫のまっすぐにのびた短いはね
- 翼:左右に二つ並ぶ鳥のはね
②の類語に「翎(レイ)」という漢字があります。こちらの意は「弓の矢につけたはね。やばね」となっています。
③の意味の言葉に「羽属」「羽類」(ともに鳥類のこと)、④の意味の言葉に「羽舞」が載っていますが、これ、広辞苑を含む国語辞典には載っていません。
⑤の五声ですが、「宮・商・角・徴・羽」です。音名は「十二律」といいます。
⑥にあるように、「はねをのばす」意味も持っているのです。
日本語のみの意味①では、鳥・ウサギを数えるときの言葉があります。
ウサギの数え方について記事をアップしていますので、その内容をご覧ください。
羽、羽は共に6画の漢字です。
その書き順を見てください。

書き順は、どちらも簡単です。
「羽(羽)」の語源
「羽(羽)」は左右に並ぶ鳥の翼の風切り羽を描いた象形文字です。
風俗通義(フウゾクツウギ)という書に「羽は宇なり」という表現があるそうです。
「宇」とは、モノがたくさん集まって覆いかぶさるという意なのですが、これ、鳥の羽の特徴をよく捉えています。
即ち、鳥が木にとまる際、両翼の翼は脇に収め、身体を覆っていますから。
※「カテゴリ:漢字の旧字」に収録した漢字の中で、旧字が存在するのは「寿」「実」「来」「会」「真」「恵」「広」です。
- 寿の旧字体とは?その字形から意味・各機器での出し方まで総特集
- 実の旧字とは?その構成の意味と打ち方・新字のベースまで総特集
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- 会の旧字とは?歴史や意味・異体字の打ち方まで全部まとめて総特集
- 「真」の旧字のパソコン・スマホでの打ち方は?異体字も合わせて確認
- 恵に旧字体はある!その表記の歴史からパソコン等への打ち方を総特集
- 広の旧字「廣」を知ってる?まだれに黄と書く表記の打ち方をご紹介
さて、上記の漢字は全て「新・旧字対照表|立命館大学」に載っていましたが、「羽」は見つかりませんでした。
こちら「異体字検索漢字リスト|厚生労働省」でどうぞ。
さて、次の章では、旧字「羽」をパソコン・スマホ・テプラでの打ち方を紹介します。
パソコンでの「羽」の打ち方
文字変換とUnicodeによる打ち方の2つをご紹介します。
文字変換による「羽」の打ち方
それでは、文字変換による「羽」の打ち方を紹介します。
変換をかける文字は「はね」です。
手順は次の通りです。
- 「はね」入力
- 日本語で「はね」と入力します。

- 変換候補から「羽」を探す
- 変換キーを数度押すと変換候補が現れます。
見つからずに「単漢字…」まで来たらクリックします。

- 変換候補から「羽」を探す
- 「羽」が見つかったらクリックします。

- 「羽」入力完了
- 「羽」が入力されました。

簡単に打てました。
Unicodeによる「羽」の打ち方
Unicode4桁を打ち込んで変換をかける打ち方です。
いつも言っているんですが、手軽ですなんだけど、Unicodeを覚えるのが面倒です。
- 「FA1E」入力
- 日本語で「FA1E」と入力します。
ご覧のように「ふぁ1え」となっても気にしないでください。
F5キーを押します。

- 変換候補から「羽」を探す
- 変換候補が現れますので、目指す「羽」を探します。
見つけたら、クリックしましょう。

- 「羽」入力完了
- 「羽」が入力されました。

日本語でUnicodeを入力してF5キーを押すだけです。
注意点は「日本語で」という部分!
これだけで、望む漢字を入力できます。
ただ、上述したように、いつまでもUnicodeを覚えるていられませんよね!
スマホでの「羽」の打ち方
スマホででも「羽」を出すのに、文字変換による打ち方が出来ます。
変換をかける文字は、パソコンと同じく「はね」ですね。
- 「はね」入力
- 日本語で「はね」と入力します。

- 変換候補をタップ
- 変換候補をタップしましょう。

- 旧字発見
- 変換候補の中に旧字「羽」があります。
見つけたらタップします。

- 「羽」入力完了
- 「羽」が入力されました。

テプラでの「羽」の打ち方
ここでは、テプラ(TEPRA PRO SR300)における「羽」は打てるでしょうか?
文字変換
まずは、文字変換でやってみました。
- 「はね」と入力して変換ボタンを押します。
- 候補は「羽根」「波根」「羽」の3つのみです。
旧字の「羽」はありませんでした。
JISコードを指定する打ち方
次は、JISコードを指定する打ち方です。
まずは、TEPRA SR300の取扱説明書で「羽」を検索しました。

検索は出来ましたが、旧字ではない「羽」を指しております。
実際にやってみましょう。
- 「シフト」+「あ・ア」キー押下
- 「シフト」を押しながら、「あ・ア」キーを押します。
コード入力画面が表示されます。

- 「1709」入力
- コードに「1709」を入力します。

- 「羽」押下
- 「羽」が候補に表れますので「選択」ボタンを押します。

- 「羽」入力完了
- 「羽」が入力できました。

やはり、旧字「羽」を出力することは出来ませんでした。
60爺所有のTEPRA SR300では、「羽」の旧字「羽」を出すことは出来ません!
TEPRAには、次の機能を持っている機種があります。
- 本体の外字作成機能で「羽」の字を作る
- PCやスマホと接続して印字する
どちらも不可能な機種であれば、「羽で代用する」「カタカナで書く」が現実的なラインとなりますね。
テプラで難しい漢字を入力する方法を紹介した記事があります。
最後に
本記事では、「羽」の旧字体である「羽」について、その字形や意味、成立ちについて紹介しました。
「羽」は、鳥のはねを意味することが第一でしたが、他にも異なる意味を複数持っていました。
また、パソコンやスマートフォン及びTEPRAの各機器で「羽」の出し方を紹介しましたが、60爺所有のTEPRAでは「羽」は登録されておらず出せませんでした。
「羽」という漢字を知ることで、日本の漢字文化への理解が深まり、場面に応じた正しい使い方ができるようになります。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。
参考資料
・上級漢和辞典 漢字源
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