部首「おおがい」とは?意味から成り立ち・使われる漢字まで総特集
「おおがい」という部首を聞いたことがありますか?
私たちは、漢字やひらがなを普段使っていますが、漢字の部首については、普段は、あまり意識することはありませんよね。
いざ、その部首に着目してみると、その名称からして面白いモノが多いです。
本記事では、部首「おおがい」とは何か、その意味や由来を詳しく見ていくとともに、実際に使われている漢字の例もご紹介します。
「おおがい」の部首を知ることで、関連する漢字の意味を推測しやすくなり、学習の助けにもなるでしょう。
この記事を通じて、「おおがい」という部首の魅力や奥深さをぜひ実感してください。
「おおがい」とは?
まずは、部首「おおがい」を見てください。
頁
この部首「おおがい」ですが、この形を見れば、きっと何回もお目にかかったことが分かるでしょう。
「おおがい」は「貝」と区別して「大貝」から来ています。
また、頁は「一」「ノ」「貝」に分解できることから「いちのかい」とも呼ばれます。
「おおがい」部首の成り立ち
この「頁」ですが、現在では「ページ」として使われるイメージだと思います。
ですが、古代文字では次のように書いたんです。

この「おおがい」は、次に示す、首の古代文字に「儿(ひとあし)」が付いた形なのです。

「頭部」を強調することで、「首から上全体」を指すのが本来の意味です。
ただ、これとは別に、「薄っぺらいモノ」を表すことがあり、そこから「ページ」を指すようにもなりました。
この「おおがい」の特徴は、ほとんどの場合、漢字の右側、即ち、「旁」の位置に現れることです。
名称は、既に述べたように「おおがい」「いちのかい」ですが、意味の上では「貝」とは全く関係ありません。
古代文字であったように「首から上全体」を表すのが基本です。
その例として、「頭(あたま)」「顔(かお)」「額(ひたい)」などの字に「おおがい」が使われており、成り立ちの背景を知ることができます。
「おおがい」の成り立ちを理解すると、関連する漢字の意味がよくわかると思います。
※他にも、次のような部首で記事を書いています。
⇒ あくび「欠」の部首は?意外と知らない漢字の構造を分かりやすく紹介
⇒ 部首「れんが」とは何か?その意味からどんな形・由来までを総特集
⇒ 部首「ネ」とは何?読み方から意味・使われる漢字の特徴をご紹介
⇒ 「のぶん」という部首がある!?その由来は知って納得・本来の名称は
⇒ 「したごころ」という部首を知ってる?知ってる漢字がいっぱいあるよ
部首「おおがい」の主な漢字
この章では、「おおがい」の部首を持つ漢字を見て参ります。
「おおがい」の漢字を次に示すいくつかの種類に分けて紹介します。
- 「首から上全体」を指す漢字
- 頭の動作・顔の表情に使われる漢字
- 使われ方が大きく変わった漢字
「首から上全体」を指す漢字
さて、「おおがい」は、もともと「首から上全体」を指す漢字で、先ほど挙げた「頭(あたま)」「顔(かお)」や「額(ひたい)」がその代表例です。
「額(ひたい)」は訓読みとして使うのが本来の意味ですが、「金額」や「総額」のように「額(がく)」という数量を表す言葉としても使われます。
その他にも、「顎(あご)」や「頬(ほお)」といった難しい漢字も、この仲間です。
「頸骨(けいこつ)」の「頸」の訓読みは「くび」、「顴(カン)」という「ほおぼね」、「顱(ロ)」は「頭の骨」を表す難読漢字達です。
「顛末(てんまつ)」の「顛」も「頭のてっぺん」を表す漢字です。
頭の動作・顔の表情に使われる漢字
最初に、頭の動作に使われる漢字を見ていきます。
「顧(コ)」という漢字は「回顧」などで使われますが、「振り返る」という意味です。
「頷(ガン)」は「うなずく」という訓読みを持つ漢字で、さらに、「おとがい」「あご」という先程の「首から上全体」を指す語でもあります。
「頓智(とんち)」という語の「頓」は、「ぬかずく」、つまり、頭をずしんと地につける意味があります。
「顫(セン)」という漢字は「ふるえる」という意ですが、元々は「頭がふるえる」から来たらしいです。
「頃(けい)」も「頭がかたむく」「頭をかしげる」という意味を持っています。
古代中国で「大体の時間」を指す言葉と発音が似ており、当て字的に「この頃」のような使い方が生まれました。
次は、顔の表情に使われる漢字です。
顰蹙(ひんしゅく)で使われる「顰」は、「顔をしかめる」の意味を持っています。
頻繁(ひんぱん)の「頻」には、「顔にしわを寄せる」という意があります。
使われ方が大きく変わった漢字
ここでは「おおがい」の意味から逸脱した使い方をされる漢字を抜き出します。
「題」は、元々は「ひたい」を指す漢字ですが、「ひたい」は目立つことから、目立つように書かれた「タイトル」を表すようになりました。
「領」は「うなじ」のことです。
それが転じて「えり首」を指すことにより、衣服の全体をまとめることから、「まとめる」という意で使われています。
例として、「要領」「領袖」などがあります。
「項」も「うなじ」「くび」を表します。
それが、なぜ、事柄の一つ一つを表す「項目」のように使われるようになったのかはよく分かっていないようです。
次は、「須」ですが、これは、「ひげ」とくに「あごひげ」を指しています。
この語の発音が「必要である」という意の言葉と似ていたことから、当て字的に使われたそうです。
「顆粒」の「顆」は、ちょっと変わっており、「頭のように丸い粒」という意です。
最後に
「おおがい」の部首は、「頁(けつ)」が由来となっていました。
この部首の読み方は、「おおがい」の他に、頁が「一」「ノ」「貝」に分解できることから「いちのかい」があります。
この「おおがい」の成り立ちは、「首」の古代文字に「儿(ひとあし)」が付いた形なで、「頭部」を強調することで、「首から上全体」を指すのが本来の意味でした。
この意味で、「首から上全体」を表す漢字が多かったのですが、その他にも、「頭の動作・顔の表情に使われる漢字」や「使われ方が大きく変わった漢字」を紹介しました。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
部首ときあかし辞典 研究社
■思えば、「ある言葉を漢字で書くと」の記事も増えてきました
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません