琥は名前に良くない?そんな反対意見の真偽を詳しく吟味してみよう
「琥(こ)」という漢字は、その美しい響きと神秘的な印象から、最近では、この漢字を我が子の名付けに使う方もいらっしゃるようです。
琥珀(こはく)の「琥」で使われる漢字で、力強さや落ち着いた気品を感じさせるこの文字ですが、一部では「名前に使うには良くないのでは?」という反対意見も囁かれています。
どうやら、複数の意見があるようですが、果たして本当に正しい内容なのでしょうか?
本記事では、「琥は名前に良くない」という意見の真偽を、漢字の意味や成り立ち・指摘の正しさなど多角的な視点から吟味してみます。
「琥」という文字に魅力を感じている方にとって、判断材料となる情報を丁寧にお届けします。
どうか最後まで、ごゆっくりご覧ください。
琥という漢字について
最初に、「琥」という漢字の意味やイメージを見ていきます。
始めに「琥」という漢字の基本情報を見てください。
画数 | 12画 |
音読み | コ、ク |
訓読み | - |
意味 | ①虎の形を刻んだ玉で作った割符 ②黄色と黒の交じった虎の皮の色の玉石 ③姓の一つ |
琥の音読みは「コ」ないし「ク」で訓読みはありません。

Gary Todd, CC0, via Wikimedia Commons
意味は3つあり、①では、「将軍の印」あるいは「兵士を挑発するのに用いる」こともあります。
②では、虎の形をした玉の器も指すのです。
意味の③から、中国には「琥」さんが存在するわけです。
琥=「虎(勇猛の象徴)]+「玉(たま)」(会意)で構成され、虎の形を彫刻した玉器を表しています。
「琥」という漢字は冒頭でも述べましたが、「琥珀(こはく)」の「琥」としてよく知られ、古代から美しい宝石として愛されてきた琥珀に由来しています。
そのため、「琥」は自然の神秘や時の流れ、悠久の美しさを象徴する文字としてのイメージが強くあります。
また、「琥」を構成する「虎」に通じる音や形から、力強さや勇ましさ、守護の象徴といった意味も感じさせる文字です。
名前に使う場合には、「清らかで美しい輝きを放つような人に」、「虎のように強くしなやかな人に」といった願いを込めることができます。
伝統と神秘性を併せ持つ漢字として、静かな存在感を放つ一字と言えるでしょう。
琥は名前に良くない?
「琥」という漢字について見て参りました。
意味や成り立ちでも、特に悪い意味はありませんでした。
しかし、ネットを巡ると、やはり、この漢字は良くないという意見が散見されました。
一覧にしましたので、60爺の寸評と共にご覧ください。
否定的意見 | 60爺の寸評 |
---|---|
石の意味と象徴が強すぎる | 全くの見当違いの意見で、聞く価値はありません |
音の響きが強すぎる | 個人の勝手な論理であり一方的な意見です。 |
書き順が複雑で書きづらい | 小さい子って、あれっと思う間に急激に成長します。才能を信じましょう |
他の漢字との組み合わせが難しい | 全体のバランスの取れる文字を探して、素晴らしい名前にすればいいです |
伝統的な名前とのギャップ | 名前って、時代時代で変わるものです。 |
虎の印象が強い | 漢字を構成する文字に目を付け、その部分をこき下ろして漢字全体を悪く言う手法です |
キラキラネームに見られやすい | 「琥」がキラキラネームになるのではなく、読ませ方を勝手に作るからキラキラネームとなる |
いくつか、まあ、一理あるかなと思う意見もあったものの、どうも反対の立場からの意見が多かった気がします。
寸評にも書きましたが、聞くまでもない意見や見る方向を変えれば、何の問題もないことが分かります。
それぞれの意見について、もう少し、詳しく見てください。
石の意味と象徴が強すぎる
「琥」という漢字は琥珀を指し、石の意味や象徴が非常に強い(石の象徴は硬く、冷たい)ので、子どもの性格や人間関係に影響を及ぼす可能性があるという意見です。
「琥」は、基本情報にもある通り「琥珀」のことではありません。
スタート地点で意味を見誤っています。
全くの見当違いの意見で、聞く価値はありません。
音の響きが強すぎる
「琥」の音は力強く、固い印象を与えるため、厳格で頑固な性格になるという意見です。
「こ」という音の何を以て固い印象を与えるのか不明です。
ましてや、その音が基になって、性格が頑固になるというつながりが全く見えません。
これは、個人の勝手な論理であり一方的な意見です。
こちらも、まともに聞く必要がないですね。
書き順が複雑で書きづらい
「琥」という漢字は12画あり、書き順が複雑で子どもが学ぶのに時間がかかる可能性があり、幼少期においては、簡単で覚えやすい漢字が望ましいという意見です。
この手の意見は、画数の多い漢字についていつも出てきますが、簡単な漢字を選べと言いますが、子どもの可能性を狭めているとしか思えません。
小さい子って、あれっと思う間に急激に成長しますよ。
自分の子どもの才能を信じませんか?
他の漢字との組み合わせが難しい
「琥」は、他の漢字との組み合わせによって全体のバランスが崩れる場合があるという意見です。
画数が多い漢字との組み合わせで、名前全体が重く感じられることを言っています。
60爺からすると、これが分かっているなら、全体のバランスの取れる文字を探して、素晴らしい名前にすればいいわけですよね。
それもやらずに、だから「琥」は名前として良くないというのは片手落ちだと思います。
悪い方向だけを示して名前に良くないというのはおかしいのではありませんか。
伝統的な名前とのギャップ
「琥」は比較的新しい名前の一部として使われることが多く、伝統的な日本の名前とのギャップが生じる可能性があるという意見です。
名前って、時代時代で変わるものです。
伝統的な名前って、具体的にどんな名前を言うのでしょうか?
名付けの際に、願いを込めるはずですので、その部分をしっかり持っていれば、この手の曖昧な意見に左右されることはないでしょう。
虎の印象が強い
漢字を構成する文字に目を付け、その部分をこき下ろして漢字全体を悪く言う手法ですね。
漢字を構成する部分をあれこれ言っても始まりませんし、「虎」は「勇猛の象徴」の象徴ですから、悪い意味ばかりを取らない方がいいでしょう。
自信を持って名付けに使いましょう。
キラキラネームに見られやすい
「名前が良くない」シリーズで度々扱う意見です。
「琥」がキラキラネームになるのではなく、読ませ方を勝手に作るからキラキラネームとなるのです。
たとえば、「琥」の読みのない「大琥」と書いて「たいが」と読ませたら、りっぱなキラキラネームになっちゃいます。
漢字の読みは辞書を確認して、正しい読み方で名付けをした方が無難ですよ。
※たまへんの漢字について、同じカテゴリの中に記事があります。
⇒ 玲を名前に使うのは良くない?その根拠とポジティブな意味を考察
⇒ 瑞は名前に良くない漢字?6つの否定的意見に60爺の見解を総特集
⇒ 瑛は名前に良くない?否定的意見を払しょくする60爺の見解を総特集
琥を使う名付けのポイント
「琥(こ)」という漢字を名前に使う際の魅力は、その音の美しさと、漢字が持つ深い意味にあります。
もともと「琥」は「琥珀(こはく)」の一字であり、古くから装飾品や薬用として珍重されてきた宝石の名を含みます。
長い時間を経て樹脂が化石化した琥珀は、「永遠」や「守護」の象徴としても知られており、名付けにおいては「大切な存在を長く守ってくれるように」「時を超えて輝き続ける人生を歩んでほしい」といった願いを託すことができます。
また、「琥」には「虎」という漢字が含まれていることから、「力強さ」「勇敢さ」「誇り高き心」といったイメージをもあわせ持ちます。
単に柔らかいだけでなく、内に芯のある人間に育ってほしいという親心を表現するのにも適した字といえるでしょう。
名付けの例を見てみましょう。
- 男の子:琥太郎(こたろう)、琥南(こなん)、里琥(りく)
- 女の子:琥々寧(ここね)、琥涼(こすず)、琥春(こはる)
響きとしても悪くなく、時代に合った名付けが可能です。
たまひよの赤ちゃんの名前ランキングを見たら、琥太郎(こたろう)が2022年音の子のランキング53位に入っておりました。
総じて、「琥」を使った名付けは、伝統的な美しさと現代的な響きを兼ね備えた選択肢といえます。
宝石のように輝き、芯の強い人に育ってほしいという思いを込めて、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
琥を名前に持つ有名人
琥を名前に持つ有名人を集めてみました。
有名人 | 読み | 職業 |
---|---|---|
桜瀬琥姫 | おうせこひめ | イラストレーター |
数井琥恩 | かずいくおん | 子役 |
川田琥太郎 | かわだこたろう | 子役 |
佐藤琥鉄 | さとうこてつ | 子役 |
須田琥珀 | すだこはく | 元女優 |
すめらぎ琥珀 | すめらぎこはく | 漫画家 |
ぱっと見、子役が多いですが、「琥」は今どきの名前なんでしょうか?
誰もがご存知の名前はないと思いますが、これは60爺の勝手な意見かもしれません。
最後に
「琥(こ)」という漢字について、名前に良くないという噂について吟味してみました。
基本的に、この漢字には悪い意味はなく、名付けにも最適だと思われます。
ただ、「名前に使うには良くないのでは?」という反対意見も複数ありましたが、本編で見てきたように、摂るに足らない池が多数でしたね。
世の中には反対のための反対意見を述べる方も多いので、冷静に内容を確認しましょう。
※気づけば「この漢字は名前に良くないのか」の記事も増えてきました
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