広の旧字は「廣」!読み方・意味・異体字や「まだれに黄」を解説
「広」の旧字を調べると、「廣」という画数の多い漢字が出てきます。
「廣」は現在の「広」と読み方や意味が同じですが、字の中をよく見ると、普段使っている「黄」とは少し違います。
また、「廣」に似た「弘」「宏」「紘」もあるため、どの漢字が「広」の旧字なのか迷うこともあるでしょう。
この記事では、「広」と「廣」の関係をはじめ、「廣」の読み方や意味、成り立ち、「まだれに黄」との違い、異体字の有無や出し方まで分かりやすく解説します。
広の旧字は「廣」
「広」の旧字は「廣」です。

「廣」は、1949年に告示された「当用漢字字体表」で、画数の少ない「広」に改められました。
現在使われている「広」が新字体、それ以前から使われていた「廣」が旧字体という関係です。
旧字「廣」の読み方と意味
「廣」の基本情報は、次の通りです。
廣
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 部首 | 广(まだれ) |
| 画数 | 15画 |
| 音読み | コウ |
| 訓読み | ひろい、ひろまる、ひろめる、ひろがる、ひろげる |
| 意味 | 面積や範囲が大きい、ひろがる、ひろめる |
| 漢字の種類 | 「広」の旧字体、人名用漢字 |
読み方と意味について、もう少し詳しく見ていきましょう。
「廣」の読み方
「廣」の音読みは「コウ」です。
訓読みには、「ひろい」「ひろまる」「ひろめる」「ひろがる」「ひろげる」があります。
「廣大(広大)」「廣告(広告)」など、現在「広」を使っている言葉も、かつては「廣」で表記されていました。
苗字では、「廣瀬(ひろせ)」「廣田(ひろた)」のように「ひろ」と読まれます。
「廣」の意味
「廣」には、面積や範囲が大きいという意味があります。
また、物事の範囲がひろがる、多くの人に行き渡らせるという意味でも使われます。
現在の「広」は「廣」を簡略化した新字体であるため、両者の意味に違いはありません。
「廣」の書き順
「廣」は全部で15画あります。

最初に「广(まだれ)」を書き、その内側を上から順に書いていきます。
まだれをやや大きめに書き、内側の部分を中央に収めると、全体のバランスを取りやすくなります。
「廣」の成り立ち
『漢字源』によると、「廣」は「黄(四方に広がる)」と「广(建物)」を組み合わせた形声文字です。
「黄」は、油を染み込ませて火をつける火矢を描いた象形文字とされています。
火矢を飛ばすと、その火や光が四方に広がることから、「黄」は「四方に広がる」というイメージを持つようになりました。
この「黄」に建物を表す「广」を組み合わせた「廣」は、建物が四方に広がることを表し、そこから「ひろい」という意味を持つようになりました。
「広」と「廣」の違い
「広」と「廣」の違いは、新字体と旧字体という字形上の区別にあります。
両者の主な違いを、表にまとめました。
| 項目 | 広 | 廣 |
|---|---|---|
| 字体 | 新字体 | 旧字体 |
| 画数 | 5画 | 15画 |
| 漢字の種類 | 常用漢字 | 人名用漢字 |
| 主な使用場面 | 一般的な文章 | 名前や苗字、屋号、社名などの固有名詞 |
普段の文章では、常用漢字の「広」を使うのが一般的です。
一方、「廣」は人名用漢字に含まれているため、現在も子供の名前に使用できます。
「廣瀬」「廣田」などの苗字をはじめ、屋号や社名、寺社名などでも使われています。
新字体の「広」は、旧字体「廣」の「黃」の部分を「ム」に置き換えた省略形です。
字形が簡略化されたことで、旧字体に含まれていた「黄」との関係は、新字体の「広」からは分からなくなりました。
「廣」の中は「黄」?「まだれに黄」との違い
「廣」は、一見すると「まだれに黄」と書く漢字に見えます。
しかし、一般的な日本語フォントで表示される「廣」の中にあるのは、現在使われている「黄」ではなく、その旧字体に当たる「黃」の字形です。
「黄」と「黃」では、上部や中央部分の線の形が異なります。
ところが、パソコンで「廣」と入力すると、フォントによって、まだれの中が「黃」に見える場合と、現在の「黄」に近く見える場合があります。
WindowsのLibreOffice Writerなどで比較する場合は、次のようなフォントを使用できます。
| Noto Serif JP | まだれの中が旧字体の「黃」になる |
| 游明朝 | まだれの中が旧字体の「黃」になる |
| MS ゴシック | まだれの中が旧字体の「黃」になる |
| メイリオ | まだれの中が旧字体の「黃」になる |
| Microsoft JhengHei | まだれの中が旧字体の「黃」になる |
| SimSun | まだれの中が現在の「黄」に近い形になる |
| Microsoft Yahei | まだれの中が現在の「黄」に近い形になる |
実際の文字を見てください。

この比較では、別々の漢字を入力しているわけではありません。
同じ「廣」を入力し、フォントだけを変更することで、字形の違いが現れます。
また、古い手書き文字にも、まだれの中を現在の「黄」に近い形で書いたものが見られます。
漢和辞典などで示される旧字体は「廣」ですが、「まだれに黄」に見える形も、フォントや手書きによる字形の違いとして使われてきました。
パソコンで一般的な旧字体を表示したい場合は、游明朝やMS 明朝などの日本語フォントを使用するとよいでしょう。
「廣」と似た漢字の違い
「廣」と似た漢字として、「弘」「宏」「紘」が挙げられます。
これらは字形がそっくりというより、「コウ」や「ひろ」と読むことや、広がりを感じさせる意味が共通する漢字です。
それぞれの違いを表にまとめました。
| 漢字 | 主な読み方 | 主な意味 | 「広」との関係 |
|---|---|---|---|
| 廣 | コウ、ひろいなど | 面積や範囲が大きい | 「広」の旧字体 |
| 弘 | コウ、ひろい、ひろめる | 大きい、ひろめる | 読み方や意味が似た別の漢字 |
| 宏 | コウ、ひろい | ひろい、大きい | 一部の言葉で「広」が書きかえ字となる別の漢字 |
| 紘 | コウ | 太い綱、冠のひも、大地の果て | 読み方や意味のイメージが近い別の漢字 |
この中で、「広」と新字体・旧字体の関係にあるのは「廣」だけです。
「弘」は「弘める」、「宏」は「宏大」、「紘」は「八紘」などに使われ、それぞれ「廣」とは異なる成り立ちと用法を持っています。
なお、「宏大」は「広大」と書きかえられますが、「宏」が「広」の旧字体という意味ではありません。
「紘」の読み方や意味、「絋」との違いについては、次の記事で詳しく解説しています。
⇒「紘」の読み方・意味と「絋」との違い
「広」に異体字はある?
『漢字源』では、「廣」は「広」の旧字体として示されており、異体字欄には別の漢字が掲載されていません。
そのため、『漢字源』の分類に従えば、「広」には旧字体の「廣」がありますが、それ以外の異体字はないことになります。
前章で紹介した「弘」「宏」「紘」も、読み方や意味が似ているだけで、それぞれ「広」とは異なる漢字です。
この記事では、『漢字源』の分類に従い、旧字体と異体字を分けて扱っています。
「広」以外の漢字についても、旧字体や異体字の有無を次の記事で一覧にしています。
⇒旧字体一覧|旧字がある漢字・ない漢字と異体字の有無も解説
旧字「廣」の出し方
旧字の「廣」をすぐに使いたい場合は、次の文字をコピーしてください。
廣
パソコンでは、「ひろ」または「こう」と入力して変換すると、候補に「廣」が表示されます。
Windowsの日本語入力では、「5EE3」と入力してF5キーを押し、Unicodeから変換することもできます。
スマホでも、「ひろ」と入力して変換候補を開けば、「廣」を選択できます。
テプラでは、文字変換やコード入力から「廣」を出せる機種があります。
収録されている漢字や操作方法は機種によって異なるため、使用機種の取扱説明書にある漢字変換表を確認してください。
パソコン、スマホ、テプラで「廣」を出す詳しい手順は、次の記事で画像付きで紹介しています。
⇒広の旧字「廣」の出し方!パソコン・スマホ・テプラでどうやる
まとめ
「広」の旧字は「廣」で、読み方と意味は現在の「広」と同じです。
『漢字源』によると、「廣」は「黄(四方に広がる)」と「广(建物)」を組み合わせた形声文字で、建物が四方に広がることから「ひろい」という意味を持つようになりました。
「廣」の中には旧字体の「黃」に当たる字形が含まれていますが、フォントによっては現在の「黄」に近い形で表示されることがあります。
また、『漢字源』では「廣」以外の異体字は示されておらず、「弘」「宏」「紘」は読み方や意味が似た別の漢字です。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。









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