「藤」の旧字・旧字体とは?草冠が離れている字との違いと出し方
「藤」の旧字や旧字体を調べると、現在一般に使われている「藤」と少し形の違う字を目にすることがあります。
特に目立つのが草冠の違いで、「草冠が離れている藤」を探している方も多いでしょう。
この記事では、「藤」の旧字・旧字体の字形や違い、草冠が離れている理由、異体字、パソコンやスマホでの出し方について分かりやすく解説します。
藤の旧字・旧字体はどんな漢字?
「藤」には、現在一般に使われている字体とは形の異なる旧字体があります。

旧字体では、草冠が左右に分かれた4画の形になっているほか、「月」に見える部分や、その右下にある「八」のような部分にも違いがあります。
そのため、草冠が離れているだけの「藤」を、すべて旧字体と考えるのは正確ではありません。
「藤」の旧字体は、草冠を含む複数の部分が現在の字体とは異なっています。
読み方や意味は現在の「藤」と同じで、「トウ」「ふじ」と読み、植物のフジなどを表します。
「藤」と旧字体の違い

現在一般に使われている「藤」と旧字体では、主に3つの部分に字形の違いがあります。
特に分かりやすいのは草冠ですが、それ以外の部分にも違いがあるため、順番に見てみましょう。
| 比較する部分 | 現在の「藤」 | 旧字体の「 |
|---|---|---|
| 草冠 | 3画の形 | 左右に分かれた4画の形 |
| 「月」に見える部分 | 横線が右側につく | 横線が右側につかない |
| 「八」のような部分 | 下側が離れる形 | 上側からつながる形 |
| 画数 | 18画 | 19画 |
このように、「藤」の旧字体は草冠だけが違うわけではありません。
草冠が左右に分かれている「藤」は目につきやすいため旧字体と思われがちですが、草冠の形だけでは旧字体かどうかを判断できません。
なお、こうした字形の違いによって、「藤」の読み方や意味が変わることはありません。
「藤」の成り立ち
Raul654, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
フジ
「藤」は、「艸(くさ)」と「滕(トウ)」を組み合わせた形声文字です。
「艸」は草や植物を表し、「滕」は読み方を表す部分です。

この「滕」はもともと「水が上に湧き上がる」情景を表す形声文字で、そこから、「
」は、「つるが他の木に絡みついて、うえによじ登る草」を表しているのです。
草冠が離れている「藤」はなぜ?
「藤」には、草冠を3画で書く形のほか、左右に分けて4画で書く形があります。

これは、草冠のもとになった「艸」の形に由来する字形の違いです。
現在一般に使われている「藤」では、草冠は3画の形になっています。
草冠は、もともと「艸」という字からできたもので、字体や書体(楷書体)によっては左右に分かれた4画の形で表されることがあります。
そのため、草冠が離れている「藤」を見かけても、それだけで別の漢字というわけではありません。
また、前の章で紹介したように、「藤」の旧字体には草冠以外にも字形の違いがあります。
したがって、草冠が4画になっているという理由だけで、「藤」の旧字体と判断することはできません。
「藤」の異体字
「藤」の異体字には「䕨」があります。
䕨
『漢字源』では、「䕨」を「藤」の異体字として掲載しています。
「䕨」は、旧字体「
」とは別の字形です。
そのため、旧字体「
」を探しているときに、「䕨」と混同しないように注意してください。
なお、「䕨」のUnicodeは「U+4568」です。
「藤」の旧字体の出し方
旧漢字の「
」は、今の日本語入力で出せるのでしょうか?
この章では、パソコン・スマホ及びテプラでの具体的な出し方をまとめて紹介します。
まず、結論を言っちゃいますね。
旧字体の「
」のUnicodeは存在しないんです!
即ち、この旧字体は、特定の文字集合(文字コードなど)に含まれない文字なんです。
ですから、旧字体の「
」は、基本的に電子機器では出すことは出来ません!
ええええーーーー!!。
これで、記事終了では、ここまで読んでくださった皆様に申し訳がないので、何か手立てはないか追いかけてみました。
パソコンでの出し方
パソコンでは、まず「ふじ」と入力して、通常の「藤」に変換します。
その後、フォントを変更することで、旧字体に近い字形を表示できる場合があります。

実際に同じ「藤(U+85E4)」を使って確認したところ、「AR Pゴシック体M」では現在一般的な字体が表示されましたが、「Malgun Gothic」と「HG正楷書体-PRO」では旧字体に近い字形が表示されました。
また、「Arial Unicode MS」「Batang」「Dotum」でも旧字体に近い字形を表示できると紹介されています(参考:Yahoo!知恵袋「旧字体の【藤】と言う漢字を出したい(ハリーポッター3)」)。
WordやExcelでも方法は同じです。
「藤」を入力したあとにフォントを変更し、目的の字形が表示されるか確認してください。
なお、使用しているパソコンに該当するフォントが入っていない場合は、そのフォントを選択できません。
また、フォントによって表示される字形が異なるため、実際の表示を確認して使用してください。
スマホでの出し方
スマホでは、「ふじ」や「とう」と入力すれば、通常の「藤」は文字変換で出すことができます。
一方、旧字体の「藤」は、通常の文字変換では目的の字形を選べないことがあります。
また、スマホではアプリごとに使用されるフォントが決まっていることも多く、パソコンのようにフォントを変更して目的の字形を表示できるとは限りません。
テプラでの出し方
テプラの取扱説明書(「SR-R980」「SR750」「SR-R680」「SR-R560」「SR370」「SR300」「SR170」)を確認しましたが、旧字体「
」は漢字として登録されていないので出すことは出来ません。
どうしても出したい方は、パソコンと接続できる機種(SR-R7900P/SR5900P等)で実施することで、フォントを変えて旧字を出し、それを印刷できます。
※同じカテゴリで単語登録は次の漢字でも紹介しました。
⇒ 橋の旧字とは?異体字と合わせパソコン・スマホでの打ち方をチェック
⇒ 「柳」の旧字とは?異体字も含めパソコン・スマホでの打ち方を確認
まとめ
「藤」の旧字体は、現在一般に使われている「藤」と草冠など複数の部分で字形が異なります。
草冠が左右に分かれた4画の「藤」もありますが、草冠の形だけで旧字体かどうかを判断することはできません。
また、「藤」には「䕨」という異体字があり、旧字体とは別の字形です。
旧字体の「藤」は、パソコンではフォントを変更することで表示できる場合があります。
目的の字形が表示されない場合は、外字など別の方法が必要になります。
参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。









60爺




ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません