「おおさま」と「おうさま」どちらが正しい?その理由を詳しく探った

2024年8月7日

誰もが一度は目にしたことのある「王様」。

でも、いざ声に出そうとすると「おおさま」?それとも「おうさま」?と迷ってしまうことはありませんか?

これ、読み方で言うと、一方は大間違いなんですよ。

当然のことながら、日本語として「王様」の読み方は、きちんと規定されているんです。

ですから、その読み方は明確になっており、この際、この記事を読んでいただいて理解しちゃいましょう。

ということで、この記事では、「王様」を「おおさま」「おうさま」のうち、どちらが正しいのか、なぜそうなのか理由を詳しく探った結果をご報告します。

ご一緒に、最後までご覧になっていって下さい。

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王様の読み方

この王様の読み方ですが、発音を考えると混乱しちゃいます。

「おおさま」「おうさま」、どちらが正しいのか考えると眠れなくなっちゃうかもしれません。

「おーさま」と伸ばして言う人もいそうです。

まずは、「王様」の読み方です。

おうさま

「おうさま」が正解です。

「おおさま」「おーさま」は間違いです。

goo辞書で「王様」を確認します。

おう‐さま〔ワウ‐〕【王様】 の解説
1 王を尊敬、または敬愛していう語。

㋐同類の中で第一のもの、最高のもののたとえ。「ドリアンは果物の—だ」
㋑絶対的な権力・勢力をもつもののたとえ。「消費者は—だ」

王様(おうさま) とは|goo辞書

読みは、ここにあるように「おうさま」です。

「おおさま」も「おーさま」も読みにはありませんね。

また、パソコンで「おおさま」「おーさま」と入力して変換しても、変換候補に「王様」は出てきません。

スマホでは、「おーさま」に対して、変換候補に「王様」は出てきません。

ですが、「おおさま」に対しては変換候補の第3位に「王様」がありました(oppo A73)。

「おうさま」と書く理由

なぜ、「おうさま」となるのか、その理由は、文化庁による「現代仮名遣い」によります。

現代仮名遣いでは、『オ列の仮名に「う」を添える』という決まりがあります!

例としては、今回の題材の「おうさま(王様)」の他に、「おとうさん(お父さん)」「とうだい(灯台)」「わこうど(若人)」「オウム」があります。

このように、オ列の長音は「おう」となると、現代仮名遣いにおいて規定されています。

参考文書②では審議を行っているのですが、この中で「おうさま」を例に挙げて、『オ列の仮名に「う」をつけて書くのが「現代かなづかい」の原則』と述べています。

そして、「おうさま」の読み方に対して、「おおさま」の許容は外すと明確に述べています。

ですから、上述したように、「王様」の読み方は「おうさま」が正しいんですよ!

さて、ただ今述べてきた、『オ列の仮名に「う」を添えて長音を表す』表現の例をたくさん見ていただきましょう。

オ列の仮名に「う」の画像

これらの言葉は、オ列の仮名(お、こ、そ、と、の、ほ、も、よ、ろ)に「う」を添えて長音を表しています。

「王様」のローマ字表記

最後に、「王様」のローマ字表記を見ておきましょう。

既に述べたように、は、「王様」は「おうさま」と読むのが正しいです。

ですから、ローマ字表記は次のようになります。

  • 訓令式:osama
  • ヘボン式:osama、ohsama

※今回の例もそうでしたが、日本語にはどっちが正しいのかわからない言葉が多いです。
そんな言葉について追及したのが次の記事群です。

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オ列でも「お」がつく特例

「王様」の正しい読み方は「おうさま」でした。

上述したように、オ列の仮名に「う」を添える言葉は、例として挙げたように、「おとうさん」「とうだい(灯台)」「わこうど(若人)」「おうむ」・・・とたくさんありましたね。

一方で、「こおり(氷)」、「こおろぎ(蟋蟀)」「ほおずき」という言葉では、オ列でありながら「お」がつく言葉が存在します。

この理由は、「歴史的仮名遣い」によるのです(参考資料③)。

歴史的仮名遣い(旧仮名遣い)でオ列の仮名に「ほ」又は「を」が続くものは、オ列の仮名に「お」を添えて書く

これ、何を言っているかというと、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「ほ」と表記していたものは、「お」になることを述べています。

たとえば「こおり」「こおろぎ」「ほおずき」を辞書で引くと次のようになっています。

ご覧のように、「こおり」の後に、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「こほり」とあります。

このような場合に、オ列におを付けるのです。

その例として、次のように、たくさんの言葉が挙げられています。

オ列でも「お」がつく画像

ちなみに、いくつかgoo辞書を引いてみました。

  • おおき・い〔おほきい〕
  • いとおし・い〔いとほしい〕
  • ほ‐の‐お〔‐ほ〕

ご覧のように、それぞれ、歴史的仮名遣い(旧仮名づかい)で「ほ」があることがわかります。

とはいうものの、歴史的仮名遣いを知らないと、「おう」「おお」の使い分けができないのは、ちょっと問題ですよね。

そーなんです、非常に難しいのですから…。

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最後に

「おおさま」と「おうさま」どちらが正しいのか、その理由を含めて総特集しました。

「おうさま」が正しいとわかりました。

またまた、登場の「現代仮名遣い」が、そう規定しているからなんですが、特例が入って来るのでややこしくなります。

しかも、歴史的仮名遣いを知らないと、「おおきい」「こおろぎ」「ほおずき」なんかが分からなくなるのは問題ですな。

参考
5(5) オ列の長音|現代仮名遣い 本文 第1(原則に基づくきまり)
林主査|仮名遣い委員会の審議状況について
6 次のような語は,オ列の仮名に「お」を添えて書く。|現代仮名遣い 本文 第2(表記の慣習による特例)

※気づけば「どっちが正しい言い回し?」の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら