10日の正しい読み方は?日常で役立つ語源も丁寧にご紹介
日本語で日付を表すとき、数字をそのまま読むだけでは済まない場面が少なくありません。
「1日」は「ついたち」、「2日」は「ふつか」など、独特の読み方が古くから定着しており、普段の生活でも自然に使い分けています。
日付には特別な読み方があり、10日も特別な読み方をします。
そして、この読み方ですが、正確にひらがなで書けるでしょうか。
その読み方を覚えるだけではなく、語源を合わせて知っておくことは無駄ではないと思います。
本記事では、「10日」という日付の読み方を明確に回答し、その語源を丁寧に説明し、現代の生活の中で役立つ知識としてお伝えしていきます。
どうか最後まで、ご一緒にお付き合いください。
10日の読み方と語源
10日の読み方と語源について見ていきましょう。
まずは、10日の読み方です。
10日は「とおか」と読みます。
ネットを見に行くと、読み方のクイズで「とうか」か「とおか」かというモノが散見されますね。
日本語は、聞いているだけだと「う」か「お」が明確でない言葉が数多くあります。
「王様」もその一つですが、答えは記事を読んでください。
⇒ 「おおさま」と「おうさま」どちらが正しい?その理由を詳しく探った
さて、10日の読み方の正解は、上記の通り「とおか」ですが、なんと小学校1年生で習うそうですよ。
そして、10日の意味は「①1日の10倍②月の第十番目の日」です。
次は、なぜ、10日を「とおか」と読むのか、その語源を探っていきます。
10日(とおか)の語源
「とおか」の語源については、数詞「とお」+助数詞「か」で問題ないようですが、日本語の日数詞全体の語構成から考えると、事情が異なって来るようです。
日本語の日数詞の構成は、数詞語幹に「ウカ」が付いたと分析できるんですって。
ここから、今までやってきた7日、9日、20日のように日数詞の語構成が体系的に説明できるのです。
- 7日:7(なな:nana)+ウカ(uka)⇒ nan + uka ⇒ nanuka(なぬか)
- 8日:8(や:ya)+ウカ(uka)⇒ ya + uka ⇒ yauka(やうか)
- 20日:20(はた:hata)+ウカ(uka)⇒ hat + uka ⇒ hatuka(はつか)
上記の通り、数詞語幹が二音節以上の際、語幹末の母音が落ちるのです。
ところが、10日に限って、例外が発生します。
10日:10(とを:towo)+ウカ(uka)⇒ towo + ka ⇒ towoka(とをか)
ご覧のように、ウカのウが落ちて、「とをか」となるのです。
10日の上代の仮名書きをみると「登哀加」のように「とをか」となっています。
これが、平安時代になると「とうか」が多いらしいです。
日にちの読み方
皆さん、よ―――くご存知だと思いますが、月の日にちは独特の読み方をするものが多いですね。
それを一覧にしました。
1日 | ついたち |
2日 | ふつか |
3日 | みっか |
4日 | よっか |
5日 | いつか |
6日 | むいか |
7日 | なのか |
8日 | ようか |
9日 | ここのか |
10日 | とおか |
11日 | じゅういちにち |
12日 | じゅうににち |
13日 | じゅうさんにち |
14日 | じゅうよっか、じゅうよんにち |
15日 | じゅうごにち |
16日 | じゅうろくにち |
17日 | じゅうしちにち、じゅうななにち |
18日 | じゅうはちにち |
19日 | じゅうくにち、じゅうきゅうにち |
20日 | はつか |
21日 | にじゅういちにち |
22日 | にじゅうににち |
23日 | にじゅうさんにち |
24日 | にじゅうよっか、にじゅうよんにち |
25日 | にじゅうごにち |
26日 | にじゅうろくにち |
27日 | にじゅうしちにち、にじゅうななにち |
28日 | にじゅうはちにち |
29日 | にじゅうくにち、にじゅうきゅうにち |
30日 | さんじゅうにち |
31日 | さんじゅういちにち |
特別な読み方をするのが、「1日〜10日」「14日」「20日」「24日」です。
この中で要注意なのが「1日」で、この「ついたち」は月の中の「最初の日」にしか使えません。
これは、「ついたち」だけ別由来ということで、「月立」、つまり、その月が始まる日でこうなるそうです。
本記事では、10日の読み方を述べて参りましたが、7日、8日、9日、20日についても記事を書いています。
⇒ 「7日」は「なぬか」?読み方と由来を知れば思わず納得
⇒ 8日の読み方は「ようか」だが何でそういうのか語源から探ってみた
⇒ 「9日」ってなんて読む?読み方と由来を知って日本語力アップ!
⇒ 20日の読み方は「はつか」!この語源がどこから来たのか追いかけた
最後に
「10日」という日付の読み方を明確に回答し、その語源を丁寧に説明して参りました。
10日の読み方は、「とおか」で「とうか」は誤りです。
その語源は、数詞語幹に「ウカ」が付いたモノであり、「10(とを:towo)+ウカ(uka)⇒ towo + ka ⇒ towoka(とをか)」となり、他の日付と異なり、第二音節の母音が残った形でした。
1ヶ月の日にちの読み方を示しましたが、1~10日までが全て通常の読み方と違うのは日本語ならではですね。
参考
新明解語源辞典 研究社
※気づけば言い方・呼び方の漢字の記事も増えてきました
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