ユーロ記号(€)の知識とパソコン・スマホでの出し方完全ガイド
ユーロ記号「€」は、欧州連合(EU)の共通通貨「ユーロ(Euro)」を表すために生まれたシンボルです。
国際ニュースや為替レート、ヨーロッパ関連の資料を扱ううえで欠かせない存在ですが、日本語環境では、キーボードからの入力方法がわかりづらい記号でもあります。
そして、当然ですが、ユーロ記号には歴史的な背景や正しい表記ルールが存在します。
また、パソコン、スマホ・テプラといった各デバイスで、効率よく入力するためのコツを知っておくと便利です。
本記事では、ユーロ記号の成り立ちから、国ごとの表記スタイルの違い、そしてパソコン・スマホでの出し方までを、わかりやすく一つにまとめました。
これを読めば、ユーロ記号について迷うことはなくなりますよ!
ユーロ記号(€)の背景と知っておきたい知識
This photo (C) Lars Aronsson, CC SA 1.0, via Wikimedia Commons
フランクフルトの欧州中央銀行にあるユーロの光の彫刻
ユーロ記号「€」は、欧州連合(EU)が導入した共通通貨「ユーロ(Euro)」を象徴するために生み出された記号です。
採用されたのは1996年、実際にユーロが通貨として流通を開始したのは1999年から。
欧州共通通貨の理念を広くアピールするため、単なる略字ではなく「欧州らしさ」と「信頼性」を視覚化したデザインが求められました。
記号の形には象徴的な意味が込められています。
まず、ベースとなっているのは「Europe」の頭文字「E」。
そこに、平行する二本線が重ねられていますが、これは通貨としての安定性と価値の確固たる基盤を示すものです。
日本円の「¥」や米ドルの「$」も同様に線を持ち、通貨記号に共通する「信用」を象徴しています。
また、曲線部分はギリシャ文字「ε(イプシロン)」を意識したとされ、ヨーロッパ文明の起源を示唆しているとも言われます。
つまり、「欧州の伝統」と「経済の安定」という二つの要素が一つのシンボルに融合しているのです。
デザイン選定の際には多数の候補から議論が行われ、視認性やタイポグラフィとの親和性などが最重視されました。
最終的なデザインは、ベルギーの欧州委員会職員チームが手がけたものとされています。
コンピューターや紙幣・硬貨など、多様な媒体で明確に認識できるよう配慮されたシンプルな造形は、現代の記号デザインの代表例とも称されます。
ユーロ記号の表記ルール
€(ユーロ記号)の「通貨表記ルール(通貨記号を金額の前につけるか後ろにつけるか)」について、国・言語ごとの慣習や背景を整理して紹介します。
基本的なルール:国や言語によって異なる
ユーロ記号の配置(数字の前か後か)は、国ごとの 旧通貨の表記習慣 を引き継いだ形が多く、 EU加盟国・地域によって異なるのが基本です。
つまり、ユーロ導入以前にその国・地域でどのように自国通貨記号を配置していたかが、そのまま€の配置に反映されるケースが多いのです。
€の配置の例
€の配置の例を一覧にしてお届けします。
| €の配置 | 例 | 代表的な国 |
|---|---|---|
| 前につける | €10 | オランダ・ベルギーなど |
| 後につける | 10€ | フランス、スペイン、イタリア、スペイン、オーストリア、ドイツなど |
一覧を見てお分かりのように、€の配置は後につける場合が多いようです。
Dutch(オランダ語)圏においては、旧ギルダー通貨の習慣を引き継ぎ、「€」を金額の前に配置するようです。
フランスでは、旧通貨(例:フラン=Fなど)で数字の後に通貨記号を置いていた習慣を踏襲し、「€」を金額の後ろに配置します。
個別に見ていくと、英語圏、そして、欧州委員会の英語文書用スタイルでは、$と同じで、「€+金額」(金額の前)を推奨しています。
ユーロ記号の出し方(パソコン)
パソコン(Windows11)でユーロ記号を出す方法は複数あります。
- 文字変換
- Unicode変換
- Alt キー+数字キー
以上の方法を順にご紹介します。
文字変換
文字変換によるユーロ記号の出し方の手順を示します。
- メモ帳起動
- 今回はメモ帳で、ユーロ記号の出し方をご紹介します。

- 「ゆーろ」と入力
- 「ゆーろ」と入力します。

- 「変換」候補に€
- スルト、「変換」候補に€が見つかりますノデクリックします。

- ユーロ記号入力完了
- ユーロ記号が入力できました。

簡単に入力できました。
unicode変換
今度は、unicode変換によるユーロ記号の出し方の手順です。
- メモ帳起動
- メモ帳を起動します。

- 「20AC」入力
- 「20AC」と日本語で入力します。
右のように「20あc」となりますが問題ありません。

- F5キー押下
- F5キーを押してください。
変換候補にユーロ記号が見つかりましたのでクリックします。

- ユーロ記号入力完了
- ユーロ記号が入力できました。

ただし、Unicodeは覚えていられないのが難点です。
Alt キー+数字キー
今度は、Alt キー+数字キーによるユーロ記号の出し方の手順です。
1:数字はテンキーで入力する
2:ノートPC等テンキーがない場合は、Num Lock キーをロックし、通常キーボードに割当てられる数字で行う
3:Alt キーを押して数字入力後、キーから指を離した瞬間、文字が表示される
- メモ帳起動
- メモ帳を起動します。

- 「Altキー」+「0128」入力
- 「Altキー」をおしながら、「0128」と入力します。
画面上に変化はありません。

- ユーロ記号入力完了
- 「Altキー」を離してください。
ユーロ記号が入力されました。

上記、注意点でも述べましたが、「Altキー」を離した瞬間にユーロ記号が表示されますので要注意です。
※パソコンで「記号」や「カナ」の出し方の一覧を記事にしています。
ユーロ記号の出し方(スマホ/Android)
ここでは、Androidのスマホで、ユーロ記号を出す方法を述べます。
スマホも複数の入力方法を示します。
- 文字変換
- 記号一覧からの選択
文字変換
スマホでも、パソコンで行った文字変換が使えます。
パソコンと同じ「ゆーろ」を入れて文字変換します。
- 「ゆーろ」入力
- 日本語で「ゆーろ」と入力します。

- 「€」をタップ
- 変換候補の中に「€」が表れましたのでタップします。

- 「€」入力完了
- 「€」が入力されました。

「€」を入力できました。
記号一覧からの選択
記号一覧の中にある「€」をタップする方法です。
まずは、数値入力画面にします。
60爺はローマ字入力を使っていますので、次の位置を2回タップします。

数値入力画面で次の位置をタップします。

次の位置をタップします。

下の方に、ユーロ記号「€」があるのでタップします。

ユーロ記号「€」が入力されました。

スマホの場合、文字変換の方が速いと思います。
ユーロ記号の出し方(スマホ/iPhone)
今度は同じスマホでも、iPhoneでの出し方を見ていきましょう。
日本語環境では「¥」を長押ししましょう。
すると、主要通貨(「$」、「£」、「€」)の記号が入力候補として表示されます。

ここで、ユーロ記号をタップすれば入力完了です。
ユーロ記号の出し方(テプラ)
テプラでは、「π」「Φ」の時と同じく、文字変換ではダメです。
⇒ 「π/Π/Φ/φ」パイ記号の出し方完全ガイド!大文字・小文字の違いも徹底紹介
調べてみると、ユーロ記号は記号の中の「単位」に収納されていました。
さっそくその手順をご紹介します。
「記号・絵」(他機種の場合、こちらを参照)ボタンを押します。

- 「記号」を選択する
- 「記号・絵」画面となるので、「記号」を選んで
ボタンを押します。

- 「単位」を選択する
- 「記号」画面となるので、「単位」を選んで
ボタンを押します。

- 該当の記号を選択する
- ユーロ記号を探して、該当の記号(右の図は抜粋版です)を選んで
ボタンを押します。

- 完了
- ユーロ記号を入力できました。
パソコンやスマホに比べて大きいですね。

TEPRAでは、文字変換でなく記号>単位の中に「ユーロ記号€」が入っていました。
※テプラで「記号」や「カナ」の出し方の一覧を記事にしています。
⇒ テプラで「記号」「カナ」「特殊記号」の出し方!全部まとめて総特集
最後に
ユーロ記号「€」は、EU共通通貨ユーロを象徴する大切なシンボルです。
形には「欧州=E」と「安定性を示す二本線」という意味が込められており、国や言語によって数字の前・後どちらに置くかの表記ルールも異なります。
また、日本語環境では入力がわかりにくい記号ですが、パソコン・スマホ・テプラそれぞれに効率的な出し方が存在します。
コピー&ペーストに頼らず、正しい知識と入力方法を押さえておくことで、ビジネス資料や国際的な情報発信もスマートに。
ぜひ、本記事を活用し、ユーロ記号を自在に使いこなしてみてください。
※思えば「打ち方・出し方」の記事も増えてきました









60爺



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