杜という名字はある?読み方から由来・分布まで徹底解説
「杜(もり/と)」という名字は、日本に実在する苗字です。
名字由来に関するデータベースによれば、全国におよそ300人台の人が確認されており、決して一般的とは言えないものの、「存在しないほど希少」というわけではありません。
一方で、読み方には複数のパターンがあり、由来も地名や自然に基づくと考えられるなど、分かりにくい点が多いのも事実です。
この記事では、「杜」という名字が実在するのか、考えられる読み方や由来、分布の傾向、そして名前に使われる「杜」との違いについて、分かりやすく解説します。
杜という名字は実在する?

「杜」という名字は、日本で実際に使われている苗字です。
【名字】杜
【全国順位】 15,769位
【全国人数】 およそ340人
「名字由来net」によれば、全国の推定人数は約340人程度とされており、決してメジャーな名字ではありませんが、存在自体は確かです。
珍しい苗字ではありますが、東京都など都市部でも少数ながら記録されています。
| 都道府県 | 人数 |
|---|---|
| 神奈川県 | およそ50人 |
| 東京都 | およそ40人 |
| 鹿児島県 | およそ30人 |
| 兵庫県 | およそ30人 |
| 大阪府 | およそ30人 |
日本の苗字には数万以上の種類があり、人口が少ない姓も多いことから、「珍しい名字」に分類されるものの、完全に稀少で存在しない姓ではありません。
分布の傾向
名字「杜」は全国的に見ても分布が広く偏りが強くない傾向です。
例えば東京都だと数十人程度の登録があり、大都市圏だけでなく各地に点在しています。
人数が約340〜400人程度と少数であるため、特定の県や地域に大きく集中しているというより、散発的に見られる姓であると考えられています。
ただし、都市部では出会う機会が比較的増えるという特徴はあります。
読み方のパターン
「杜」という苗字の代表的な読みは「もり」です。
これは、漢字としての意味や音の感覚からも自然な読み方とされています。
ただし、「と」「ゆずりは」など、複数の読み方が存在する可能性もデータ上では挙げられています。
先程の、名字由来netの情報を見ると、次のようにたくさんの読みが紹介されています。
【読み】もり,ゆずりは,と,とう,とじゆ,とん,とい,とぅ
なんと、読みが8種類もありますね。「と」一文字の読みを含め「と」で始まる名字が6種類もあります。
うち、杜(ト、トゥ)氏は中国系の名字でわずかだそうです。
読み方は家族や地域によって異なることもあるため、名乗る人自身に確認するのが確実ですが、まずは「もり」が基本の読みとして理解しておくと良いでしょう。
「ゆずりは」には、漢字として複数の文字があります。
楪が有名ですが、𣜿や杠なんて感じもあるのです。
じつは、この「杠」と「杜」が似ているため、間違って「ゆずりは」と読んだことから始まったという説もあるんです。
※ゆずりはに関する記事を複数書いてます。
⇒ 「楪」が名前に使えない理由とは何か?その内容をガッツリと伝え切る
⇒ 木へんに工と書いて杠!読み方から意味・苗字の使われ方まで総特集
⇒ 木へんに葉と書いて𣜿!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
由来の考え方(地名・自然・歴史)
名字の由来を断定することは難しいものの、「杜」という漢字が持つ意味から考えると、自然や地名に関係する可能性が高いと考えられます。
「杜」は、神社の周囲にある森や木立を表す意味があり、古くから神域や聖域を指す言葉として使われてきました。
このため、そのような場所を由来に苗字として定着した可能性があります。
他にも、森や林といった自然の景観を示す地名をルーツにする例も考えられます。
具体的な史料がない場合でも、自然・地名由来は日本の苗字でよく見られる傾向であり、「杜」もその流れに乗る姓と考えられます。
※「もり」という音に込められた、神様が降り立つ場所としての深い語源についてはこちら。
「杜」がつく他の名字
「杜」一文字の名字は非常に稀少ですが、他の漢字と組み合わさることで、日本の地名や職業、文化に根ざした名字がいくつか存在します。
杜下(もりした)
主な分布: 京都府、愛知県、岐阜県など、全国で約100人
「森下」さんと同じく、神社の杜(もり)の麓や周辺に住んでいたことが由来です。
あえて「森」ではなく「杜」の字を使っている点に、その家系が守ってきた場所が「単なる林ではなく、神聖な鎮守の杜であった」という強い自負や歴史が感じられます。
杜若(かきつばた)
主な分布: 京都府、宮崎県、東京都など、全国で約100人
植物のカキツバタが由来です。
古くから「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若」と言われるように、美しさの象徴として愛されてきた植物です。
平安時代の貴族が好んだ「杜若紋」という家紋もあり、非常に風雅で高貴な印象を与える名字です。
杜多(とだ / ずた)
主な分布: 東京都、埼玉県、京都府など、全国で約90人
読み方が「とだ」となるのが特徴です。
一説には、仏教用語の「頭陀(ずだ・ずた)」を「杜多」と書くことがあり、修行僧や寺院に関わるルーツを持つ家系が用いたとも考えられています。
地名としての「杜」に由来する場合もあります。
杜氏(とうじ)
主な分布: 大阪府、京都府など、全国に約20人
お酒造りの責任者である「杜氏」という役職名がそのまま名字になった珍しいケースです。
もともとは「刀自(とじ:一家を切り盛りする女性)」という言葉が語源とされていますが、酒造りの技術を代々受け継いできた家系が、その誇りを込めて名字としたものと推測されます。
名前の「杜」との違い
「杜」という漢字は、苗字として使われる場合と名前として使われる場合で意味合いが異なります。
- 苗字の場合
地名や自然の特徴、あるいは古くから使われてきた生活環境に由来する場合が多い - 名前の場合
「森のように豊か」「守る」「神聖」といったポジティブなイメージ重視で選ばれることが多い
名前としての「杜」は意味や響きの良さから人気がある一方で、苗字の場合は自然・地名由来である可能性が中心です。
※杜を名前につけるのは良くないかを徹底的に調べてみました。名前を付ける際のポイントについても述べています。
⇒ 「杜」は名前に良くない?その理由と誤解を徹底解説
最後に
「杜」という名字は、日本に実在する姓で、全国に約340人前後いるとされています。
多数派の名字ではありませんが、名字辞典などにも掲載されており、珍しすぎて存在しないというものではありません。
読み方は「もり」が基本と考えられるものの、名乗り読みや地域差により、複数の読みが使われている可能性があります。
由来については断定できる資料は少ないものの、神社の森や木立を意味する「杜」という漢字の性質から、地名や自然環境に由来する姓と考えるのが一般的です。
分布は特定地域に偏らず、全国に点在しています。
また、名前としての「杜」は意味やイメージを重視して選ばれるのに対し、苗字の場合は土地や環境に由来する点が大きな違いです。
※「珍しい苗字」の記事群は次のモノです









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