芥という苗字はかわいそう?その読み方からルーツまで総特集

苗字には、人々の暮らしや土地の記憶、あるいは歴史の断片が込められています。

その中で、「芥」という苗字は、その読み方から、時に「かわいそう」というイメージで語られることがあります。

なぜ、そのように思われるのか、その読み方にはどのようなバリエーションがあるのか、意味は何なのかを確認したいと思います。

また、そのルーツは日本のどの地域にあるのか、どういった由来の中で生まれた苗字なのでしょうか。

この記事では、「芥」という苗字の読み方から歴史的ルーツ、そして、名前にまつわるイメージまでを徹底的に掘り下げてご紹介します。

どうか、ご一緒に「芥」に関わる謎解きをご一緒にご覧になってください。

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「芥」について

「芥」については、「草冠に介で芥」という記事を書いていますので、そこから、基本情報を引っぱってきましょう。

画数7画
音読みカイ
訓読み からしな からし あくた(日本語だけ)ごみ・ごもく
意味①野菜の名。カラシナ。芥菜(カイサイ)
②からし。からしなの実をひいてつくった黄色い粉末。香辛料に用いる
③あくた。小さいごみ。ちり
④微細なもの。つまらぬもの
⑤姓の一つ。

ご覧のように「芥」は5つの意味があります。

野菜の「カラシナ」や「和がらし」の意味の他に、「小さいごみ、ちり」や「つまらぬもの」なんて意もあるんですね。

これを見ると、「芥」という苗字は、ちょっと「かわいそう」と言われても仕方のないような気がします。

※草冠に介で「芥」で記事をアップしています。
草冠に介と書いて芥!意味・読み方から名前での使われ方まで総特集

なぜ、このような名字が出来たのでしょうか?

そのルーツをたどってみましょう。

「芥」のルーツ

この苗字「芥」ですが、そのルーツにはいくつか説があるようです。

  1. 発祥は讃岐国(現香川県)で明田氏と関連する
  2. 圷(あくつ)が変化した

トップは、讃岐の国の明田氏に関わる説ですね。

明田氏という一族がおり、その苗字が「あくた」に変わっていったものと考えられるという説です。

他に、「江州甲賀廿一家の一つ」という表現があるので、関連の甲賀五十三家を見てみましたが、明田氏は存在しません(芥川家はある!)。

ただ、香川県丸亀市においては、兵庫県赤穂市の出と伝えておるそうです。

丸亀の「芥姓」は、明石の塩田製法を伝えに来て定着したものと思われます。

2番目の説の「圷」は、水に浸かりやすい低湿地や川沿いの低地を意味します。

「芥(あくた)」は、接頭語「あ」に「くた」=「腐(くた)」るの語根なんです。

「くた」はゴミの意味で、単独でも使われ、古今集にも出てきます。

低湿地が、ゴミに変化しちゃうとは、ちょっと悲しいですね。

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芥という苗字はかわいそう?

芥という苗字は、それなりの数が存在しているようです。

【名字】芥
【読み】あくた
【全国順位】 13,316位
【全国人数】 およそ450人

参考資料 芥|名字由来net

先程、芥のルーツで述べた香川県に、450人のうち、180人程が在住とのことです。

この「芥」という苗字ですが、漢字自体に、「ゴミ」とか「塵芥(ちりあくた)」などという意味があり、ちょっと「かわいそう」と感じる部分がありますが、実際はどうなのでしょうか?

確かに、こういった字面だけ見るとネガティブに捉えられることもあり、「名前にゴミの字が入っていて気の毒」という感覚を持つ人がいるのも事実でしょう。

しかし、苗字は単なる意味だけでなく、歴史や地名との結びつき、家の由緒が背景にあります。

「芥」という字は小さなものを表すことから「慎ましい」「つまびらか」といったニュアンスもあり、古典文学でも用例が多く、日本文化に深く根付いた文字です。

また、珍しい苗字である分、個性的で記憶に残りやすいという強みもあります。

人によっては、かわいそうと感じる方とは真逆に、「渋くてかっこいい」「文学的だ」と感じる方もいらっしゃると思います。

要するに「かわいそう」と決めつけるのは一面的で、むしろ、独特の魅力や価値を持つ苗字だといえるのではないでしょうか。

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最後に

「芥」という苗字は、一見すると否定的な意味を連想させるため「かわいそう」と思われがちですが、その背景には長い歴史と独自の価値があります。

珍しい苗字ゆえに強い印象を与え、個性を際立たせる力を持っている点も大きな魅力です。

読み方の多様性や地域的なルーツをたどることで、単なるネガティブな印象にとどまらない奥深さが見えてきます。

本記事では、名前に込められた文化的背景と魅力を再発見し、先入観を超えて「芥」という苗字を新たな視点で捉えるきっかけをご紹介しました。

参考
新明解語源辞典 三省堂
芥|名字由来net
芥(あくた)さんの由来と分布
ベストアンサー bjcさん|yahoo!知恵袋

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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Posted by 60爺