「ご存知」と「ご存じ」どっちが正しい?違いと使い分けを解説
「ご存知」と「ご存じ」、文章を書くときに「どっちが正しいの?」と迷ったことはありませんか。
メールや文章では、些細な表記の違いが気になるものです。
結論から言うと、「ご存知」と「ご存じ」はどちらも誤りではありません。
ただし、文章の種類や場面によって、より無難とされる表記が異なります。
この記事では、「ご存知」「ご存じ」の違いと使い分け、さらに文章で使える言い換え表現までを、わかりやすく解説します。
結論|「ご存知」と「ご存じ」どっちが正しい?
結論から言うと、「ご存じ」が辞書的・公的には標準的な表記とされることが多く、NHKや新聞社、通信社でも「ご存じ」が採用されています。
そのため、表記に厳密さが求められる文章では「ご存じ」を使うのが無難です。
一方で、「ご存知」も誤りではありません。
「知」は本来の語源ではなく当て字とされることがありますが、「知っている」という意味が直感的に伝わりやすく、一般の文章やビジネス文書では広く使われ、慣用として定着しています。
つまり、次のように考えると整理しやすくなります。
- 公的文書・放送・表記基準を重視する文章 → ご存じ
- 一般的な文章・ビジネス・案内文 → ご存知/ご存じ どちらも可
迷った場合や、より厳密さを求められる場面では、「ご存じ」を選んでおけば安心と言えるでしょう。
「ご存知」と「ご存じ」の違いはどこ?
「ご存知」と「ご存じ」の違いは、意味の違いではなく、成り立ちと表記の考え方にあります。
どちらも意味は同じで、「(相手が)知っていること」を敬って表す言葉です。
もともとの語源は、動詞「存ずる(存じる)」です。
「存じる」は「思う・考える」をへりくだって言う言葉で、そこから転じて「知っている」という意味でも使われるようになりました。
このため、語源に忠実な形は「ご存じ」になります。
一方の 「ご存知」は、「存じる」の意味をより分かりやすく示すために、「知る」の意味をもつ漢字「知」を当てた表記です。
この「知」は、語源的には本来含まれないため、当て字と説明されることがあります。
ただし、当て字だからといって誤りというわけではありません。
日本語では、意味が伝わりやすい漢字表記が慣用として定着する例は多く、「ご存知」もその一つです。
実際、一般の文章やビジネス文書では広く使われています。
整理すると、違いは次のようになります。
- ご存じ:語源に忠実で、辞書や放送・新聞などで重視される表記
- ご存知:意味が直感的に伝わりやすく、慣用として広く使われている表記
この違いを知っておくと、「どちらが正しいか」で悩むのではなく、文章の性質に応じて選ぶことができるようになります。
※いくつかの言葉で、どちらが正しいか見ています。
⇒ 「可愛そう」「可哀想」「可哀相」どれが正しい?意味や違いも総特集
⇒ 「少しずつ」と「少しづつ」どっちが正しい?使い分けも徹底紹介
公的文書・ビジネスではどちらを使うべき?
この表記の違いは、「どちらが正しいか」という問題以上に、どのような基準で文章が書かれているかが影響しています。
NHKや新聞社、通信社などでは、文章表記を社内で統一する必要があります。
そのため、語源に忠実で説明しやすい表記として 「ご存じ」 が採用されているのが実情です。
これは、「ご存知」が誤りだからではなく、放送や紙面での一貫性を重視した運用と言えます。
一方、一般的なビジネス文書や案内文、メールでは、表記の厳密さよりも 意味の伝わりやすさや読みやすさが優先されます。
そのため、「知」の字を用いた 「ご存知」も自然に使われており、問題視されることはほとんどありません。
重要なのは、どちらを選ぶかよりも、文章全体の性質と表記の統一です。
公的性が高く、基準を重視する文章では「ご存じ」、一般的な文章では読み手にとって自然な表記を選ぶ、という考え方をすると整理しやすくなります。
なお、同じ文章の中で「ご存じ」と「ご存知」が混在すると違和感が出るため、どちらか一方に揃えることは意識しておきたいポイントです。
会話・文章での使い分け例
「ご存知」と「ご存じ」は意味に違いはありませんが、文章の硬さや場面によって、より自然に感じられる表記が異なります。
ここでは、具体的な場面ごとに例文を見ていきましょう。
会話や口語的な文章の場合
話し言葉に近い場面では、「ご存じ」が自然に使われることが多くなります。
- こちらの件は、既に、ご存じかと思います。
- その話は、田中さんも、ご存じですよ。
やわらかく、相手との距離を感じさせにくい表現になります。
ビジネスメール・案内文の場合
ビジネスシーンでは、どちらを使っても問題ありませんが、「ご存知」の方が見慣れていると感じる人も多い表記です。
- 先日の会議内容は、既に、ご存知のとおりです。
- 詳細につきましては、皆さまも、ご存知かと存じます。
一方、文章をやや丁寧に整えたい場合は「ご存じ」を使うこともあります。
- 本件につきましては、既に、ご存じのとおり、調整を進めております。
公的文書・説明的な文章の場合
語源や表記基準を意識する文章では、「ご存じ」が選ばれることが多くなります。
- この制度については、多くの方が、ご存じのとおりです。
- 詳細は、既に、ご存じの内容かと思われます。
迷ったときの考え方
どちらを使うか迷った場合は、次のように考えると判断しやすくなります。
- 表記の厳密さや統一を重視したい → ご存じ
- 読みやすさ・一般的な文章 → ご存知
いずれを選んでも失礼になることはありませんが、文章内で表記を統一することは忘れないようにしましょう。
「ご存知」「ご存じ」の言い換え表現一覧
「ご存知」「ご存じ」は便利な表現ですが、同じ言い回しが続くと文章が単調になったり、場面によっては少し直接的に感じられることもあります。
ここでは、場面別に使える言い換え表現を紹介します。
ビジネス・改まった文章で使える言い換え
丁寧さや配慮を重視したい場合は、次の表現が使えます。
- ご承知のとおり → 会議資料や報告書など、やや硬い文章向き
- すでにご理解いただいているとおり → 相手への配慮を強めたい場面
- 周知のとおり → 多くの人が知っている前提を示す場合
例文も挙げておきます。
- 本件につきましては、ご承知のとおり、現在調整中です。
ビジネスメール・案内文で使いやすい言い換え
やや柔らかく、読みやすさを重視する場合に適しています。
- すでにお伝えしているとおり
- 以前ご案内したとおり
- ご確認いただいているとおり
こちらの例文です。
- 以前ご案内したとおり、日程を変更しております。
会話・口語的な場面での言い換え
話し言葉では、あえて敬語を弱めた方が自然なこともあります。
- もう知っていると思いますが
- 聞いているかもしれませんが
こちらの場面での例文です。
- もう知っていると思いますが、担当者が変更になりました。
「ご存知」を避けたいときの考え方
相手が本当に知っているか分からない場面では、「ご存知」を使うと決めつけに感じられることがあります。
その場合は、次のような表現に置き換えると、より丁寧な印象になります。
- 念のためお伝えしますと
- 念のため補足しますが
使い分けのまとめ
- 文章を引き締めたい・公的寄り → ご承知のとおり/周知のとおり
- 一般的なビジネス → お伝えしているとおり
- 会話・柔らかさ重視 → 知っていると思いますが
「ご存知」「ご存じ」に固執せず、文脈に合った言い換えを選ぶことで、文章全体が読みやすくなります。
H2よくある質問(FAQ)
Q1:「ご存知」と「ご存じ」、失礼になるのはどちらですか?
どちらも失礼な表現ではありません。
ただし、表記に厳密さが求められる公的な文章や、放送・新聞などでは「ご存じ」が選ばれることが多いため、迷った場合は「ご存じ」を使うと安心です。
Q2:ビジネスメールでは「ご存知」と「ご存じ」、どちらが無難ですか?
一般的なビジネスメールでは、どちらを使っても問題ありません。
ただし、社内文書や取引先向けの文書では、文章内で表記を統一することを意識しましょう。
Q3:「ごぞんじ」とひらがなで書くのは間違いですか?
間違いではありませんが、ひらがな表記はやや口語的な印象になります。
改まった文章や説明的な文書では、「ご存じ」または「ご存知」と漢字で書く方が一般的です。
Q4:「ご存知ですか?」と質問形で使っても問題ありませんか?
問題ありません。
ただし、相手が本当に知っているか分からない場合は、決めつけた印象になることがあります。
そのようなときは、「念のためお伝えしますと」といった表現に言い換えると、より丁寧です。
まとめ
「ご存知」と「ご存じ」は、どちらか一方が誤りというわけではありません。
語源や公的な表記基準を重視する場合は「ご存じ」が選ばれることが多く、NHKや新聞社などもこの表記を採用しています。
一方で、「ご存知」も当て字ながら慣用として広く使われており、一般的な文章やビジネスシーンでは問題なく通用します。
大切なのは、「どちらが正しいか」で悩むことではなく、文章の性質に合った表記を選び、文中で統一することです。
迷ったときは、公的・説明的な文章なら「ご存じ」、読みやすさを重視する一般的な文章なら「ご存知」と考えると、判断しやすくなるでしょう。
※気づけば「どっちが正しい言い回し?」の記事も増えてきました








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