「興」の旧字体はある?ない?誤解されやすい漢字との違いも解説
「興」に旧字はあるのでしょうか。
「興 旧字」と検索すると、もっと難しい字体があるのではないか、戦前は別の字で書いていたのではないか、と気になる方も多いようです。
結論から言うと、「興」には別の旧字体は存在しません。
現在使われている字形が、そのまま旧字体でもあります。
「旧→舊」「挙→擧」のように形が変わった漢字が多いため、興にも旧字があると思われがちですが、実は違います。
本記事では、その理由と、異体字やよく似た漢字との違いまで整理して解説します。
興に旧字はある?結論:ありません
結論からお伝えします。
「興」には、旧字体は存在しません。
「旧→舊」「挙→擧」のように、戦後の漢字整理で字形が簡略化された漢字は数多くあります。
そのため、「興」にも旧字体があるのではと思われることがあります。
しかし、現在使われている「興」は、戦後の漢字整理でも字形が変更されなかった漢字で、旧字体と新字体の区別がない文字です。
つまり、昔も今も同じ「興」という字が使われています。
なぜ「興」は新字体化で変わらなかったのか
戦後、日本では漢字の字形整理が行われ、1946年の当用漢字表、のちの常用漢字表において、多くの漢字が簡略化されました。
では、「興」はどうだったのでしょうか。
結論として、「興」は字形変更の対象にはなりませんでした。
現在使われている「興」が、そのまま採用されています。
個別の理由は公表されていない
重要なのはここです。
新字体の制定にあたって、全ての漢字について個別に「なぜ変えた・なぜ変えなかった」という公式説明が残っているわけではありません。
そのため、以下の疑問について、明確な公式理由を示すことはできません。
- なぜ「興」は変更されなかったのか
- どの観点で維持されたのか
事実として言えること
確実に言えるのは、次の3点です。
- 「興」は当用漢字・常用漢字にそのままの字形で採用された
- 旧字体と新字体の差は存在しない
- 別の標準的旧字体は定義されていない
つまり、「興」は戦後の漢字整理においても字形を変えずに残った漢字の一つなのです。
「興」に異体字はある?
次に気になるのが、異体字の存在です。
異体字とは、意味や読みが同じで、字形だけが異なる文字のことです。
たとえば、「島⇒嶋」「高⇒髙」の右側にある漢字が異体字になります。
では、「興」に異体字はあるのでしょうか。
異体字は存在しない
つまり、「興」は、旧字も異体字も存在しない漢字です。
一般的な漢和辞典(60爺所有の「上級漢和辞典 漢字源」)では、「興」に広く認められた異体字は掲載されていません。
ただし、行政資料などでは、字形の違いを含めた「異体字」として扱われる場合があります。
たとえば、厚生労働省の「異体字検索漢字リスト」では、「興」の字形バリエーションが4/13ページに掲載されています。
ここに紹介された異体字は、漢字の一部の書き方が異なる字体です。
このような字形差は、書写や印刷の過程で生まれたバリエーションと考えられます。
※旧字も異体字もない漢字に「慶」がありました。
「興」によく似た漢字
「興」に非常によく似た漢字ですが、良く取り上げられるのが次の漢字です。
與
パッと見、「興」によく似ています。
しかし、この漢字は「与」の旧字であり、「興」とは、全く別の漢字なのです。
「興」の成り立ちと意味

「興」は「立ち上がる」「起き上がる」から、「物事を立ち上げる、物事をおこす(興国、興起)」意味を表します。
上記、篆文では、両手で物を持ち上げる様子を表していたとされます。
興=「舁(一緒に組み合う)」+「同(一緒に揃う)」で構成されます。
「舁」は、何人かが手を組んで、一緒に持ち上げる情景を表し、「同」と一緒になることで、「皆で一緒に手を組んで物事を立ち上げる」意味になりました。
まとめ|興に旧字は存在しない
最後に整理します。
- 「興」に旧字体はない
- 異体字も存在しない
- 似ている漢字と混同されやすいだけ
「興」は、戦後の漢字整理でも形を変えなかった漢字です。
旧字を探していた方も、これで安心して理解できるはずです。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。










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