「令」の書き方は2種類!どっちが正しい?フォントによる違いも解説
「令」という漢字には、下の部分を縦線で表す形と、「マ」のように表す形があります。
パソコンで表示される「令」と、学校で習った「令」の形が違い、「どっちが正しいの?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。
結論からいうと、どちらか一方だけが正しく、もう一方が間違いというわけではありません。
印刷文字と手書き文字にはそれぞれの表し方の習慣があり、その違いによって字形に差が生じることがあります。
この記事では、「令」の2種類の書き方がどちらも間違いではない理由や、形が違う理由を解説します。
さらに、Windows 11で明朝体・ゴシック体・教科書体・楷書体・行書体などを実際に比較した結果も紹介します。
「令」の書き方は2種類!どちらも間違いではない
「令」には、次の画像のように大きく分けて2種類の形があります。

①は、パソコンなどでよく目にする「令」です。
下の部分が縦線を中心とした形になっています。
②は、下の部分を「マ」のように書く形です。
学校で習った「令」として、こちらの形を覚えている人も多いでしょう。
では、①と②のどちらが正しいのでしょうか。
結論は、どちらか一方だけが正しく、もう一方が間違いというわけではありません。
文化庁の「常用漢字表の字体・字形に関する指針」でも、「令」は印刷文字と手書き文字の形に違いが見られる例として示されています。
したがって、パソコンなどに表示される「令」と、自分が手書きする「令」の形が違っていても、それだけで書き方が間違っていることにはなりません。
なぜこのような違いが生じるのかは、次の章で詳しく見ていきましょう。
「令」の基本情報
「令」の読み方や画数なども確認しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 音読み | レイ |
| 訓読み | ― |
| 部首 | 人(ひと・ひとやね) |
| 画数 | 5画 |
| 主な意味 | 命じる・いいつけ・おきてなど |
「令」は、「命令」「法令」「令状」などの熟語に使われる漢字です。
また、「令和」の「令」としても身近な漢字になっています。
なぜ「令」には2種類の書き方がある?
「令」の形が2種類見られるのは、一方が正字でもう一方が略字だからではありません。
この違いを理解するポイントになるのが、「字体」と「字形」です。
「字体」は、その漢字をほかの漢字と区別するための骨組みに当たるものです。
これに対して「字形」は、実際に書いたり印刷したりしたときに現れる具体的な形を指します。
今回取り上げている2つの「令」は、別々の漢字ではなく、同じ「令」という漢字を異なる形で表したものです。
印刷文字と手書き文字では形が違うことがある
「常用漢字表の字体・字形に関する指針」では、印刷文字と手書き文字の表し方には、それぞれの習慣があるとしています。
常用漢字表に示されている明朝体の字形を、そのまま手書きしなければならないわけではありません。
明朝体は印刷文字として用いられてきた書体であり、手書きの楷書には手書きとしての字形があります。
「令」は、この違いが分かりやすく現れる漢字の一つです。
そのため、印刷された「令」と手書きの「令」の形が違っていても、どちらかを誤りとする必要はありません。
②は略字や異体字ではない
②の「令」を見て、「①を簡単にした略字なのでは?」と思う人もいるかもしれません。
しかし、②を①の略字と考えるのは適切ではありません。
また、①と②が別々の異体字というわけでもありません。
形は異なっていても、どちらも同じ「令」という字体を表しています。
「令」の形をフォント別に比較
実際にパソコンのフォントを変えると、「令」の形はどのように変わるのでしょうか。
Windows 11で複数のフォントを使って「令」を表示し、その形を比較しました。

上記の図にあるように、ARP 明朝 U、MS 明朝、BIZ UD 明朝 Medium、游明朝では、いずれも①の形で表示されました。
ARP ゴシック体 M、MS ゴシック、BIZ UD ゴシック、游ゴシック、メイリオでも①の形です。
今回確認した一般的な明朝体やゴシック体などでは、①の形が使われていました。
教科書体では「マ」に近い形になる
次に、教科書体を比較してみます。

ARP 教科書体、AR 教科書体 M、HGP 教科書体、HGS 教科書体、HG 教科書体、UD デジタル教科書体など、今回確認した教科書体では、いずれも②のような形で表示されました。
一般的な明朝体やゴシック体とは、「令」の下部の形がはっきり異なっています。
楷書体・行書体も②の形
楷書体や行書体についても確認しました。

今回確認したAR P 楷書体 M、AR P 行書体 L、AR 楷書体 M、AR 行書体 M、HGP 行書体、HG 正楷書体-PRO、HG 行書体、DF 行書体、DHP 行書体などでは、いずれも②の系統の形になっています。
今回のWindows 11での確認では、明朝体やゴシック体などでは①、教科書体・楷書体・行書体では②という傾向が見られました。
ただし、フォントによって字形が異なる場合があるため、「明朝体なら必ず①」「楷書体なら必ず②」と決め付けるのではなく、今回確認したフォントでの結果として捉えてください。
このように、使用するフォントによって「令」の形が異なることがあります。
「令」の書き順ときれいな書き方
「令」は5画で書く漢字です。
ここでは、手書きで使われる②の形を例に、書き順を確認します。

「令」の書き順については、上記の書き順画像に沿って確認してください。
前章までに見てきたとおり、「令」は印刷文字と手書き文字で形が異なることがあります。
そのため、手書きするときに、明朝体などで表示される「令」の形をそのまま再現しなければならないわけではありません。
「令」をきれいに書くポイント
「令」は、上部を左右に広げ、その下を中央に収めるようにすると全体のバランスが取りやすくなります。
②の形で書く場合は、下部の「マ」のような部分が大きくなりすぎないようにすると、まとまりのある字形になります。
ただし、文字の形には書き手による違いもあります。
印刷された「令」と全く同じ形にすることよりも、各画の位置や全体のバランスを意識して書くとよいでしょう。
ひらがなの形や書き方については、「さ」の書き方や「や」の書き方についても詳しく解説しています。
「令」と同じように形が変わる漢字
「令」の字形の違いは、「令」という漢字だけに見られるものではありません。
「令」と共通する構成要素を持つ漢字でも、印刷文字と手書き文字で形に違いが見られる場合があります。
「令」と共通する部分を持つ漢字
「常用漢字表の字体・字形に関する指針」では、常用漢字の例として「領」「鈴」「冷」「齢」が挙げられています。
また、常用漢字表にない漢字については、同じ構成要素を持つ常用漢字の考え方を「参考にできる場合がある」とされています。
| 漢字 | 読み方の例 |
|---|---|
| 領 | リョウ |
| 鈴 | レイ・リン・すず |
| 冷 | レイ・つめたい・ひえる |
| 齢 | レイ・よわい |
| 伶 | レイ |
| 怜 | レイ・レン |
| 玲 | レイ |
たとえば、「鈴」や「冷」などを手書きしたときに、「令」に当たる部分が印刷文字と違って見えることがあります。
このような違いも、すぐに誤字と判断する必要はありません。
ただし、「令」で見られる字形の違いが、「令」と共通する部分を持つすべての漢字に必ずそのまま当てはまるわけでないため、注意が必要です。
まとめ
「令」には、下の部分を縦線で表す形と、「マ」のように表す形があります。
どちらか一方だけが正しく、もう一方が間違いというわけではありません。
「常用漢字表の字体・字形に関する指針」では、印刷文字と手書き文字にはそれぞれの表し方の習慣があり、字形に違いが生じることが示されています。
Windows 11で実際にフォントを比較したところ、今回確認した明朝体やゴシック体などでは①、教科書体・楷書体・行書体では②の形になりました。
パソコンで表示される「令」と、自分が手書きする「令」の形が違っていても、それだけで間違いということにはなりません。
「令」を書くときは、印刷文字の形だけにとらわれず、手書きでは「マ」のような形も用いられることを覚えておくとよいでしょう。
参考資料
字形比較表 レ|文化庁
文化庁「常用漢字表の字体・字形に関する指針(報告)」







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