草冠に任の漢字は「荏」!読み方・意味・成り立ちを解説

2023年4月26日

「草冠に任」と書く漢字を、駅名の「荏原中延」で見かけたことがあります。

「任」は読めても、草冠が付くと何と読むのか迷いますよね。

草冠に「任」と書く漢字は「荏」です。

「荏」は主に「え」と読み、エゴマを表すほか、「やわらかい」「力が抜けて弱々しい」という意味を持っています。

この記事では、「荏」の読み方や意味、成り立ち、使われている言葉や苗字について見ていきます。

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草冠に任の漢字「荏」の読み方と意味

草冠に「任」と書く漢字は「荏」です。

「草冠に任せる」と表現されることもありますが、正確には草冠の下に「任」を置いた字形です。

まずは、「荏」の基本情報を確認しましょう。

項目内容
部首艸部(くさかんむり)
画数9画
音読みジン、ニン
訓読みえ、やわ(らか)
意味エゴマ、やわらかい、力が抜けて弱々しい、じわじわとしている
漢字の種類表外漢字・JIS第1水準漢字

「荏」は常用漢字ではありませんが、地名や苗字の「荏原」、植物名の「荏胡麻」などで目にすることがあります。

「荏」の読み方

「荏」の音読みは「ジン」「ニン」、訓読みは「え」「やわらか」です。

一般には、「荏胡麻(えごま)」や「荏原(えばら)」のように「え」と読む例がよく知られています。

熟語では、「荏苒」を「じんぜん」、「荏弱」を「じんじゃく」と読みます。

「草冠に任せる」の読み方を探している場合も、該当する漢字は「荏」で、代表的な読み方は「え」です。

「荏」の意味

「荏」には、植物のエゴマを表す意味があります。

エゴマはシソ科シソ属の一年草で、「荏」はその古い呼び名です。

エゴマの画像
エゴマ

茎は四角形で白い毛があり、秋になると白い花を咲かせます。

種子からは油が採れ、食用や薬用などに利用されてきました。

もう一つは、「やわらかい」「力が抜けて弱々しい」という意味です。

さらに、物事が少しずつ進む様子や、月日が何もしないまま過ぎていく様子も表します。

この意味は、「決断できないまま月日が過ぎること」を表す「荏苒(じんぜん)」という言葉に残っています。

「荏」の書き順

「荏」は全部で9画です。

最初に3画で草冠を書き、その下に6画で「任」を書きます。

「任」は、左側のにんべんを書いてから、右側の「壬」を書く順番です。

書くときに注意したいのは、「任」の右側を「王」にしないことです。

「壬」は、最初の横画に当たる部分を左上から右下へ向かうように書き、その後に横画、縦画、最後の横画を書きます。

草冠と「任」を上下の中心にそろえ、下の部分をやや縦長にすると、全体のバランスが整います。

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「荏」の漢字の成り立ち

「荏」は、植物に関係することを表す「艸(くさかんむり)」と、主に音を表す「任」を組み合わせた形声文字です。

「任」は「まかせる」という意味で使われていますが、「荏」では、その意味をそのまま加えたものではありません。

「漢字源」では、「任」を構成する「壬」に「ふくらむ」という意味があり、「荏」は隆起してふくれた実をつける草を表すと説明されています。

一方、「学研漢和大字典」では、「壬」はやわらかく包み込む意味を含み、「荏」は種をやわらかく包み込んだ植物を表すとされています。

細かな解釈には違いがありますが、いずれも「荏」は植物を表す草冠と、音を示す部分を組み合わせてできた漢字です。

「任せること」とエゴマの意味が直接結び付いてできた漢字ではありません。

※草冠に〇で構成される漢字の記事の中で紹介しています。

「荏」のつく言葉

「荏」は、植物のエゴマを表す言葉のほか、「やわらかい」「弱々しい」「物事が進まないまま時間が過ぎる」という意味を持つ言葉に使われています。

代表的な言葉を見てみましょう。

言葉読み方意味
荏胡麻えごまシソ科シソ属の一年草
荏の油えのあぶらエゴマの種子を搾って採った油
荏苒じんぜん物事が進まないまま、月日が次第に過ぎること
荏弱じんじゃくやわらかく、弱々しいこと

「荏胡麻」は名前に「ゴマ」と付きますが、ゴマ科のゴマではなく、シソ科の植物です。

「荏」はエゴマの古名で、種子から採れる油は、古くから食用や灯火、防水用などに利用されてきました。

「荏苒」の「荏」と「苒」には、どちらにも物事が少しずつ進むという意味があります。

そこから、「荏苒」は何もしないまま月日が過ぎることや、物事が延び延びになることを表します。

一方、「荏弱」は、「荏」が持つやわらかく力のないという意味を用いた言葉です。

■草冠の漢字で植物を表す漢字をいくつか紹介しています。

「荏」は名前に使える?

「荏」は、子どもの名前には使えない漢字です。

戸籍に登録する子どもの名前には、原則として常用漢字または人名用漢字を使用します。

「荏」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていないため、出生届に記載する名前には使用できません。

ただし、名前に使えない漢字であっても、昔から存在する苗字には使用されています。

「荏」のつく苗字

「荏」は、「えばら」と読む荏原をはじめ、さまざまな苗字に使われています。

代表的な苗字と読み方を見てみましょう。

苗字読み方
荏原えばら、えはら
荏田えだ
荏草いぐさ、えくさ
荏柄えがら
荏畑えばた、えはた
荏本えのもと、えもと
荏隈えのくま
荏開津えがいつ

苗字に使われる「荏」は、主に「え」「い」「えの」と読まれます。

なかでも「荏原」は、東京都品川区の地名や荏原町駅、荏原中延駅などで目にする機会のある苗字です。

「荏開津」は「えがいつ」と読む珍しい苗字です。

「荏」のつく苗字には、文字から読み方を推測するのが難しいものもあるため、それぞれの苗字ごとに読み方を確認する必要があります。

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まとめ

「草冠に任」と書く漢字は「荏」です。

音読みでは「ジン」「ニン」、訓読みでは「え」「やわらか」と読みます。

「荏」はエゴマを表すほか、「やわらかい」「力が抜けて弱々しい」「じわじわとしている」という意味を持つ漢字です。

荏胡麻は「えごま」、荏苒は「じんぜん」、荏弱は「じんじゃく」と読みます。

「荏」は常用漢字にも人名用漢字にも含まれていないため、子どもの名前には使えません。

一方、苗字には使われており、荏原、荏田、荏畑、荏本、荏開津などがあります。

「草冠に任」や「草冠に任せる」と表現される漢字を見かけたら、「荏」という字を思い出してください。

参考資料
上級漢和辞典 漢字源 改訂第六版(学研)

※気づけば草冠の漢字の記事も増えてきました

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら」

草冠の漢字

Posted by 60爺