さんずいに寿と書いて涛!意味・読み方から苗字での使われ方まで総特集
パソコンで「どとうのごとく」と入力して変換を押下すると「怒涛の如く」「怒濤の如く」が候補として表示されます。
問題は、この「とう」の部分で変換される漢字なんですが、「涛」と「濤」の異なった漢字ですね。

これは、さんずいの漢字シリーズに格好の対象じゃないですか!
60爺の進めているシリーズは、現在「木へんに○○」「草冠に○○」「さんずいに○○」の3つです。
この形で行くなら、最初の漢字が「さんずいに寿」でピッタリとフィットします。
そこで、さんずいに寿の「涛」について、いつも通りに、意味・読み方から名前での使い方まで突っ込んで調べてみたいと思います。
それでは、ご一緒に内容を見ていってください。
さんずいに寿といえば涛!漢字の読み方や全体像をまずはチェック
最初に、涛の意味と読み方を明確にしましょう。
涛の読み方と意味
涛
画数 :10画
音訓:トウ なみ
意味
①なみ。おおきななみ。うねり
②なみ・だつ。水が風などでうねりをおこす。
参考:上級漢和辞典 漢字源 学研
「涛」の音読みは「トウ」、訓読みは「なみ」ですね。
そして、「涛」は「濤」の異体字(漢字の字体のうち標準字体以外のもの)なんです。
そして、「JIS83制定」により、略字の「涛」ではなくて旧字の「濤」を使用することが推奨されています。

そうなんです。「涛」は標準字体ではないんですよ。
この漢字は、「濤」の異体字なんですね!
意味なんですが2つ持っています。
ひとつは「なみ」「うねり」で、もうひとつが、動詞の「なみ・だつ」なんですね。
次に、涛の書き順を示しておきます。

木と寿の書き順そのままです!
寿の書き方は大丈夫ですよね。
不安がある方は、書き順をご確認くださいね。
ついでに、標準字体の「濤」の書き順も載せておきます。こちらは難しいぞ。

さんずいの右側の「壽」の画数が多いのでのですが、上から順に書いていけば、間違える箇所はほとんどないのでは。
その書き順は、士(4~6)⇒フ(7)⇒エ(8~10)⇒ー(11)⇒口(12~14)⇒寸(15~17)ですね。
この覚え方には次の形で!

この覚え方は、次の記事に出ています。
⇒ 寿の旧字体とは?その字形から意味・各機器での出し方まで総特集
もっと詳しく知ろう!涛の漢字としての由来や成り立ち
涛の由来や成り立ちを見ていきますが、これは、標準体の「濤」を見ることになります。
濤=「壽(ジュ)うねうねと長い」+「水(みず)」(形声)
壽には、「長く延びる」イメージから、上記の「うねうねと長い」というイメージにつながりました。
「濤」は、水が「うねうねと長い」ことから、うねうねと連なる「うねり」につながったものと考えられます。
類義語に、「波」と「浪」及び「瀾」があります。
濤も含めたそれぞれの違いは次の通りです。
- 波:水面が傾いて生じたなみ
- 浪:清らかななみ
- 濤(トウ):うねうねと続くうねりを持ったなみ
- 瀾(ラン):つぎつぎと続くなみ
※さんずいに〇で構成される漢字を一覧にしました。クイズ形式にしましたので楽しんでください。
次の章では、「涛」のつく言葉を見てみましょう。
涛のつく言葉
涛のつく言葉にはどんなモノがあるでしょうか。涛は異体字であるため、代わりに標準字体である「濤」がつく言葉を一覧にします。
濤のつく言葉 | 読み | 意味 |
---|---|---|
狂濤 | キョウトウ | ⇒狂瀾。荒れくるう大波。 |
驚濤 | キョウトウ | ⇒驚波(キョウハ)。さっとわきかえる荒波。 |
巨濤 | きょとう | 大きな波。大浪。 |
鯨濤 | ゲイトウ | ⇒鯨波(ケ゛イハ・トキ)おおなみ。 |
洪濤 | こうとう | おおなみ。洪波。 |
怒濤 | どとう | 大きな波。 |
松濤 | しょうとう | 松風の音を波の音にたとえていう語。 |
濤声 | トウセイ | うねりの音。 |
濤波 | トウハ | {濤瀾(トウラン)}うねり。 |
濤瀾 | トウラン | ⇒濤波。 |

難しいというか、難読漢字の言葉ばっかりみたいに見えてしまいます。
上から6つまでは、「大波」を示しています。が、こういう表現は知りませんでした。
大波と聞くと、「怒濤」が思い浮かびますが、いろいろな表現があるのですね!
「鯨濤」の意味にある鯨波は、歴史小説の戦の場面に出てきますね。
松涛とは
「松涛」という言葉について、その読み方や、「松さんずいに寿」で検索している方が、そこそこいらっしゃるようです。
そこで、「松涛」について情報を挙げておきましょう。
この「松涛」の読み方は「しょうとう」です。
「松涛」は、渋谷区の地名として有名で、高級住宅街として知られています。
ただ、標準字体を用いた「松濤」が正解です。
現行行政地名は松濤一丁目および松濤二丁目ですね。
その他、「松涛」という名字があります。
【名字】松涛
【読み】まつなみ
【全国順位】 20,141位
【全国人数】 およそ220人
参考資料 松涛|名字由来net
次の章で見る名字よりも、順位も人数も上に当たります。
名前に使われる際のポイントは
誠に残念ながら「涛」は、2023年現在、常用漢字・人名用漢字ではないので名前に使うことはできません。
仕方がないので、「涛」の入った苗字を見てみましょう!
最初に、そのものずばりの「涛」という苗字をみてみます。
【名字】涛
【読み】おおなみ
【全国順位】 58,762位
【全国人数】 およそ30人
参考資料 涛|名字由来net
この名字、少ないながら存在しているんですよ!
「おおなみ」さんです。
こんな名字は聞いたことはないですな!
全国で、およそ30人しかいない珍しい苗字なんですね。
都道府県別に見てみましょう。
都道府県 | 人数 |
---|---|
東京都 | およそ10人 |
千葉県 | およそ10人 |
愛知県 | およそ10人 |
石川県 | およそ10人 |
参考資料 名字由来net
4つの都県で、それぞれ10人に満たないと考えられます。
そして、これ以外の道府県に少数ながら生息しているのかは、この記録だけではわかりません!
ところで標準字体の「濤」で名字を調べたら、さらに、少数民族でした!
【名字】濤
【読み】おおなみ,なみ
【全国順位】 90,008位
【全国人数】 およそ10人
読みは、「おおなみ」の他に、ただの「なみ」がありました。
全国で、たった10人に満たない、さらに、珍しい苗字ですね。
順位も、先程の58,762位よりも、ずうっと下の90,008位となっています!
この名字を持った方は、京都府のみに「およそ10人」と出ていました。
それでは、涛に他の文字を付けた苗字です。
荒涛(あらなみ)、井涛(いなみ)、聴涛(きくなみ)、瀬涛(せとう)、田涛(たなみ)、涛崎(とさき,なみざき)、涛岡(なみおか)、涛川(なみかわ)、南涛(なんとう)、波涛(はとう)、波涛崎(はとざき)、藤涛(ふじなみ)、舟涛(ふなと)、松涛(まつなみ)
引用 「涛」を含む名前・人名・苗字(名字)
荒涛(あらなみ)、井涛(いなみ)、聴涛(きくなみ)等のように「なみ」と読ます苗字が多いですね。
瀬涛(せとう)、南涛(なんとう)、波涛(はとう)では「とう」と読ませていますね。また、涛崎(とさき,・・・)、波涛崎(はとざき)、舟涛(ふなと)では「と」と読ませています。
次の章では、異体字について過去に書いた記事を見ていきたいと思います。
ところで異体字についての記事は?
今までに異体字である漢字の記事を書いています。
一覧にしましたが、今回取り上げた異体字の記事は全部、部首が「木へん」の漢字ですね。
部首+○○ | 漢字 | 読み | 標準字体 |
---|---|---|---|
木へんに百 | 栢 | カシワ | 柏 |
木へんに会う | 桧 | ヒノキ | 檜 |
木へんに戸 | 枦 | ハゼ | 櫨 |
木へんに百で栢
木へんに百で栢ですが、「かしわ」「かや」と読みます。
標準字体は柏なんですよ!
柏は、「白」+「木」で、白色を帯びた実のなる木を暗示しているんです。実際に、青白い実の写真を載せている以下の記事をご覧になってください。
木へんに会うで桧
木へんに会うで桧ですが、こちらは「ヒノキ」なんです。
標準字体は檜なんですよ!
やっぱり、檜は、標準字体の方が馴染みがありますね。
成り立ちなども解説していますので、この記事もご覧になってください。
木へんに戸で枦
木へんに戸で枦ですが、こちらは「ハゼ」なんです。
標準字体は櫨なんですよ!
はぜの木は、その実から「ろう」を採るのだそうです。
花言葉や形態・生態なども解説していますので、次の記事をご覧ください。
他にもたくさんありますが、今回はこの辺で……。
最後に
さんずいに寿といえば涛ですが、この漢字について述べてきました。
この漢字は濤の異体字です。濤の略字なんですね。そして、「JIS83制定」により、略字の「涛」ではなくて旧字の「濤」を使用することが推奨されているんですよ。
漢字の書き順は、異体字の方が抜群に簡単でした。標準字体の濤の書き順はよーく見ていくと、それほど難しくはないことが分かりますね!
いやー、漢字を掘り下げていくと面白くて飽きませんね。
※気づけばさんずいの記事も増えてきました
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