片に旧字はある?異体字も含めパソコン等各機器での出し方を大公開
「片」という漢字は、多くの人が一度は目にしたことがある文字で、名字にもよく使われています。
たとえば「片山」「片岡」「片桐」などが代表的です。
では、この「片」という漢字に旧字や異体字は存在するのでしょうか。
結論から言うと、「片」に旧字はありませんが、4画目の形が異なる異体字は存在します。
本記事では、「片」に旧字があるのかどうか、またどのような異体字があるのかを分かりやすく整理したうえで、パソコン・スマホ・テプラでそれらの文字を入力する方法を紹介します。
日常ではあまり意識しない漢字の違いですが、知っておくと役立つ知識でもあります。
ぜひ、最後までご覧ください。
片に旧字はあるか
さて、まずは本記事の結論部分でもある「片に旧字はあるのか?」という点から解説します。
結論から言うと、「片」に旧字はありません。
非常にシンプルですが、これは事実です。
「片」という漢字は、新字体・旧字体の区別が存在しない文字であり、いわゆる旧字を持たない漢字に分類されます。
この点については、『上級漢和辞典 漢字源(学研)』をはじめとする信頼性の高い漢和辞典を参照して確認しています。
そのため、「実は旧字があるのでは?」と心配する必要はありません。
なお、本サイトではこれまでにも、旧字が存在しない漢字についていくつか解説してきました。
興味のある方は、あわせて次の記事もご覧ください。
片に異体字はあるか
さて、「片」に旧字がないことが分かったところで、次に異体字が存在するかどうかを見ていきましょう。
結論から言うと、「片」には異体字があります。
その異体字とは、冒頭でも触れましたが、下記のように、4画目の形が「T」の字のようになっている字体です。

一般的な文章や印刷物ではほとんど見かけないため、初めて目にする方も多いかもしれません。
では、この「片」の異体字は、実際にどのように入力・表示できるのでしょうか。
以下では、パソコン・スマホ・テプラといった各機器での扱いについて紹介します。
パソコンでの出し方
まず、パソコンで「片」の異体字を入力できるかどうかですが、通常の文字変換やUnicode入力では出すことはできません。
フォントを変えるしか方法はない
「片」の異体字は、Unicodeに収録されていない文字であるため、IME変換や文字コード指定による入力は不可能です。
そのため、表示するにはフォントを変更する方法を取るしかありません。
その例を見てください!

上記のように、「HG正楷書体-PRO」及び「AR顔眞楷書体H」では異体字の字体で表示されましたが、その他にも、以下のようなフォントで、通常の「片」が異体字の形で表示されるようです。
- CPPコーパス毛筆楷書体
- CPコーパス毛筆楷書体
- Sモトヤ正楷書
- Sモトヤ行書
- TA堀内正楷書
例にもありましたが、「Noto Serif JP」などの一般的なフォントでは、通常の「片」の形のまま表示されます。
これは、以前に漢字「藤」の異体字を紹介した際と同じ考え方です。
⇒ 藤の旧漢字とは?その字形から出し方までを追いかけた結果……
スマホでの出し方
スマートフォンでは、文字コード自体が存在しないため、「片」の異体字を入力・表示することはできません。
これは、Android・iPhoneいずれも同様です。
フォント変更アプリなどを利用しても、文字そのものが定義されていないため表示は困難です。
テプラでの出し方
テプラでも同様に、文字コードが存在しない漢字は登録されていません。
そのため、「片」の異体字を表示・印刷することはできません。
上位機種・下位機種を問わず、この点は共通です。
ただし、パソコンに接続できる機種であれば、パソコン側でフォントを変更した状態の文字を、そのまま印刷することは可能です。
よくある質問(FAQ)
ここでは、片の旧字に関する「よくある質問」をまとめています。
Q1. 漢字「片」に旧字はありますか?
A. いいえ、漢字「片」に旧字はありません。
新字体・旧字体の区別が設けられていない漢字です。
Q2. 「片」には異体字がありますか?
A. はい、「片」には異体字があります。
4画目の形が「T」の字のようになった字体があり、書体やフォントの違いによって表示されます。
Q3. 片の異体字はパソコンやスマホで入力できますか?
A. 通常の文字変換やUnicode入力ではできません。
パソコンでは対応フォントを使うことで表示できる場合がありますが、スマホやテプラでは入力・表示はできません。
まとめ:片の旧字はなく異体字はある
漢字「片」について調べてみると、旧字は存在しないことが分かります。
「片」は新字体・旧字体の区別が設けられていない漢字であり、古い形が別に定められているわけではありません。
一方で、「片」には異体字が存在します。
4画目の形が「T」の字のようになった字体がそれにあたりますが、この文字はUnicodeに収録されていないため、通常の文字変換やコード指定では入力できません。
パソコンでは、対応するフォントを使用することで異体字の形を表示できる場合がありますが、スマホやテプラでは基本的に入力・表示は不可能です。
実務や日常生活で迷った場合は、標準の「片」を使用すれば問題ありません。
「片 旧字」についての疑問は多いものの、結論としては「旧字はなく、異体字のみが存在する漢字」であると理解しておくとよいでしょう。
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。








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