将棋棋聖戦のシステムについて/第90期棋聖戦は挑戦者渡辺二冠が制し3勝1敗で奪取で2013年以来の三冠

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1.棋聖戦とは

1962年に開始されたタイトル戦です。前身の棋戦は早指し王位決定戦です。初代棋聖は、大山康晴が、塚田正夫を3-1でタイトルを獲得しています。その後、七連覇しています。

この棋聖戦、タイトル戦には珍しく、1994年の65期まで、年2回春・秋にタイトル戦がありました。

タイトルの序列は、全8タイトルの第八位となります。2018年4月からはヒューリック株式会社が特別協賛に入り、正式名称をヒューリック杯棋聖戦と称しています。

2008年に奪取した現羽生竜王が十連覇していましたが、昨期(第89期)、挑戦者の豊島八段が3勝2敗で奪取し、新棋聖となりました。豊島棋聖は初タイトルです。

2.参加棋士と賞金

参加棋士ですが、日本将棋連盟の棋聖戦棋戦概要を見ると、参加棋士は女流棋士二名と全棋士です。

賞金ですが、残念ながら公開されていません。調べてくださった方がいるので、こちらをご覧ください。

3.棋聖戦のシステム

それでは、棋聖戦の挑戦者になるまでの道筋を説明していきます。

どのタイトル戦もそうですが、予選と本戦があります。そして、この予選及び本戦に各棋戦の特色があるのです。

棋聖戦の予選は、一次予選と二次予選があります。二次予選の突破者とシード棋士が決勝トーナメントで挑戦者を争います。

(1) 一次予選

一次予選は、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士と、女流棋士2人によりトーナメント形式で行われます。8人が二次予選に進みます。

なお、シード者以外の順位戦C級1組以下の棋士であっても、前期の戦績によっては二次予選からの出場となる場合があります(棋聖戦五番勝負出場経験者、前期決勝トーナメント進出者は、C級1組以下であっても二次予選からの出場となります)。

一次予選を突破するには、三勝ないしは四勝が必要です。90期の一次予選には、109名の 棋士が八つの椅子を争いました。

(2) 二次予選

二次予選は、一次予選の勝ち抜き者8人と、シード者以外の棋士によりトーナメント形式で行われます。81期よりシード人数が変動することになり、勝ち抜け枠は毎年変動するようになりました。

90期は、47名の1次予選免除者と一次予選突破者の八名の55名が8つの決勝トーナメントの切符を目指して戦っています。二勝ないしは三勝で決勝トーナメント進出です。

持ち時間は、一次予選は1時間(チェスクロック使用)、二次予選は3時間です。

(3) 決勝トーナメント

さて、決勝トーナメントは、16名の棋士が争い、優勝者が棋聖戦五番勝負の挑戦者となります。三番勝った方がタイトル獲得となります。

棋聖戦は、一次予選、二次予選、そして、決勝トーナメントと、全てがトーナメント戦ですので一発勝負です。即ち、挑戦者になるまで一番も負けられないのです。

決勝トーナメントに在籍していれば、四番勝つだけで挑戦者になれますが、一次予選からだと、最低でも九連勝が必要です。

運が悪いと、11連勝しなければ挑戦者になれません。しかし、逆に言えば、棋士であれば、11連勝すればタイトル挑戦者になれるのです。

なお、棋聖戦の決勝トーナメントのシード棋士は、前期挑戦者決定トーナメントベスト4以上(前期棋聖が敗れた場合を含む)、タイトル保持者、永世棋聖資格者(現役では羽生 善治、佐藤康光)です。

第89期は、タイトル保持者が二名(今年は、久保王将、渡辺棋王) 、永世棋聖資格者の佐藤九段を含めて7名でした。

持ち時間は4時間です。

(4) 五番勝負

棋聖保持者と挑戦者が、例年6月から8月にかけて五番勝負を行い、先に三番勝ったものが棋聖になります。

棋聖戦は1日制で実施されます。棋王戦、王座戦と同様です。

持ち時間は4時間です。

将棋世界2月号106項 抜粋

4.永世棋聖

永世称号である永世棋聖は、棋聖位を通算5期以上保持した棋士に与えられます。

2019年1月現在、永世棋聖は大山康晴・中原誠・米長邦雄の3名です。また、永世棋聖の資格を持つ棋士は羽生善治佐藤康光の2名がいます。

基本的に永世位は現役引退後に称するものですが、米長は順位戦フリークラス転出時に現役で永世棋聖を呼称しました。また、中原も60歳になった年度に現役で永世棋聖を呼称しました。

5.第90期棋聖戦の状況

(1) 第90期棋聖戦5番勝負

今回の五番勝負は、豊島三冠 vs 渡辺二冠の複数タイトル保持者の闘いです。複数冠保持者のタイトル戦は、2014年度の第40期棋王戦(渡辺二冠(棋王、王将) vs 羽生善治四冠(名人、王位、王座、棋聖))以来となります。

いわば、現役棋士の最強を決める闘いとも言えます。

さて、この5番勝負ですが、第一局は、豊島棋聖が幸先よく勝利して、初防衛に向け好発進しました。
第二局は、渡辺二冠が106手で制して、1勝1敗のタイに戻しました。さすがに、三冠対二冠の闘いで、見ごたえがあります。
どちらが王手をかけるか注目の第3局は、105手で渡辺二冠が勝ち、棋聖奪取に王手をかけました。

そして、注目の第四局が7月9日に行われました。この勝負は、136手で渡辺二冠が勝利し、棋聖位を奪取(渡辺は棋聖位を初めて獲得)し、2013年以来の三冠王になりました。

豊島三冠は、昨年度羽生九段から奪った棋聖位を防衛できず、二冠に後退です。

  • 第一局 6月4日(火)豊島棋聖〇-●渡辺二冠「ホテルニューアワジ」兵庫県洲本市
  • 第二局 6月19日(水)豊島棋聖●-〇渡辺二冠 「亀岳林 万松寺」愛知県名古屋市
  • 第三局 6月29日(土)豊島棋聖●-〇渡辺二冠「沼津倶楽部」静岡県沼津市
  • 第四局 7月 9日(火) 豊島棋聖●-〇渡辺二冠 「高志の宿 高島屋」新潟県新潟市

6.第91期棋聖戦の状況

さて、熱戦で盛り上がる第90期棋聖戦5番勝負ですが、早くも次期棋聖戦が始まっています。

一次予選たけなわです。八つの通過枠に対して、ほとんどの枠でベスト4が決まっています。

注目の藤井七段は、決勝まで勝ち上がり、二次予選進出を虎視眈々と狙っています。

  • イ(高野智四段 vs 石井五段)vs(田中悠五段 vs 日浦八段)
  • ロ(斎藤明四段 vs 長谷部四段)vs(藤倉五段 vs 本田四段)
  • ハ(宮田七段 vs 泉八段)vs(杉本和四段 vs 高崎六段)
  • ニ(先崎九段 vs 佐々木大五段)vs(村中六段 vs 金井六段)
  • ホ(井出四段 vs 増田康六段)vs((黒沢五段 vs 瀬川六段) vs 門倉五段)
  • ヘ 藤井聡七段 vs(竹内五段 vs 兵頭七段)
  • ト 大橋四段
  • チ 西田四段

参考サイト:wiki

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