崎に旧字はあるか?異体字と共に各機器での出し方を徹底紹介
「崎」という字は地名や名字に多く用いられ、私達、日本人にとって非常に身近な漢字ですね。
「崎」とほとんど同じだけど、ちょっびっと違う漢字を姓に持っている方も多いのではないでしょうか。
これは、ひょっとすると、「崎」の旧字かなと感じる瞬間ですよね。
また、学校や会社の中で使用される印刷物や書類で、本来の形と違う漢字に置き換えられてしまうこともあり、
何でそうなるかなーと戸惑うシーンもあるでしょう。
本記事では、まず、「崎の旧字は存在するのか」という素朴な疑問から出発し、その形の違い、崎の異体字を確認し、パソコン・スマホ・テプラでの具体的な出し方まで、順序立ててわかりやすく紹介します。
どうか、ご一緒に最後まで、お付き合いください。
崎の旧字はあるか
始めに、「崎」という漢字に旧字はあるのかどうかから回答します。
崎に旧字はない
60爺愛用の「上級漢和辞典 漢字源」で確認した結果、「崎」に旧字はありません!

「崎」の基本情報です。
崎
画数 :11画
音訓:キ けわ・しい
意味
けわ・しい。地勢が平らかでない。山道がひどく傾斜していてけわしい
日本語だけの意味・用法
さき。陸地が海中に突き出たところ。みさき
この漢字「崎」は常用漢字で、常用漢字表での音訓は「さき」のみです。
この「さき」の意は、「陸地が海の方へ∠の形や∧の形に突き出た地形」を表します。
崎の成り立ち
崎=「奇(∠形にかたむく)」+「山(やま)」で構成されます。
「奇」は「可(つかえて曲がる)]+「大(正常に立つ人)」から構成され、正常に立つ人がバランスを崩して傾く情景を表すのです。
ここから、崎は、「山の道が傾斜して険しい状況」を示します。
※今まで、たくさんの漢字の旧字を見てきましたが、旧字のない漢字をいくつか紹介します。
崎の異体字
「崎」に旧字はありませんでしたが、異体字を持っています!
それが、以下の3つの漢字です。
﨑 㟢 嵜
「﨑」は、標準字体の「崎」の「大」の部分が「立」になっている「たつさき」と言われる漢字です。
画数は12画で、環境依存文字ですので、きちんと表示されない媒体があります。
この漢字については、既に記事にしております。
次の「㟢」は、標準字体の「崎」の「山へん」を「山冠」に変えた漢字ですね。
この漢字も環境依存文字です。
最後の「嵜」は、先程の「たつさき﨑」の「山へん」を「山冠」に変えた漢字で、なぜか、環境依存文字ではありません。
これらの漢字は、皆、上述した「崎」の基本情報を共有しています。
※これらの異体字によく似た漢字に「島」があります。次の記事でご確認ください。
⇒ 山に鳥を組み合わせた漢字とは?複数存在するが意味は全部一緒だった
⇒ 山へんに鳥で嶋!読み方から意味・名前での使われ方まで総特集
⇒ 山冠に鳥で「嶌」!読み方から意味・苗字での使われ方まで総特集
崎の異体字の出し方
この章では、崎の異体字の出し方のパソコン・スマホでの変換方法を紹介します。
なお、「たつさき:﨑」については、先程紹介した記事をご確認ください。
⇒ たつさきと呼ばれる漢字の変換方法!パソコン・スマホでの出し方紹介
出し方も、詳しく紹介しています。
この章では、標準字体の「崎」の「山へん」を「山冠」に変えた漢字「㟢」と、「たつさき:﨑」の「山へん」を「山冠」に変えた漢字「嵜」の出し方を紹介します。
パソコン
パソコンでは、次の2つの出し方が出来ます。
- 文字変換での打ち方
- Unicodeを使った打ち方
それぞれの手順を示します。
文字変換での打ち方
「さき」と入れて文字変換することで「㟢」「嵜」を出すことができます。

変換キーを何度も押して、変換候補の中に「㟢」「嵜」を探します。
「嵜」が先に見つかりました。

候補に名前が多くて大変ですが、「単漢字」をクリックすると「㟢」が表れます。



それぞれ、見つけた漢字をクリックすることで、山嵜「嵜」を入力できます。
文字変換では、もう一つ、こんな入力方法があります。
「やまざき」と入力して変換キーを押すとに、「嵜」の「山嵜」があります。

クリックして「山」を削除すれば「嵜」入力完了です。

こちらの方が「さき」入力で変換候補を探すよりも早いかもしれません。
先程の候補を見ればわかるんですが、なぜか、「㟢」の「山㟢」がないんですよね。
Unicodeでの打ち方
今度は、Unicode変換での打ち方ですが、それぞれのUnicodeは、次の通りです。
- 㟢:37E2
- 嵜:5D5C
手順は次の通りです。
「㟢」を例にしてやってみますね。
- 日本語で「37E2」と入力
- 日本語で「37E2」と入力します。
右のように「37え2」となりますが問題ありません。

- F5キー押下
- F5キーを押します。
候補が表示されるので、「㟢」をクリックします。

- 「㟢」入力完了
- 「㟢」が入力できました。

嵜(5D5C)も、コードを指定して同様に実施しましょう。
スマホ
こちらも、パソコンと同じく文字変換が使えますが、「㟢」が出てきません。
そこで、ここでは、「嵜」を入力する手順を示します。
- 「さき」と入力
- 「さき」と入力します。

- 変換候補タップ
- 変換候補をタップします。

- 「嵜」タップ
- 変換候補に、「嵜」が出てくるのでタップします。

- 「嵜」入力完了
- 「嵜」が入力できました。

「やまざき」でも、この漢字を出せますが、「山」を消す手間が入るので、こちらの出し方がいいでしょう。
「㟢」は出てこないので、どうしても出したければ、コピー&ペーストか単語登録で対応してください。
その手順は以下を参考にしてください。
辻の点一つの出し方をスマホでどのようにやるか手順付きで解説
1.⇒ コピー&貼り付け
2.⇒ 単語リストに登録
この記事の中の「辻」の部分を「㟢」に置き換えて実行してください。
テプラ
テプラでは、下位機種SR300では、「㟢」「嵜」両者とも登録されていません。
しかし、最上位機種SR-R980、上位機種SR750の取扱説明書を見ると「嵜」のみ登録されていました。

区分コードは「5431」ですので、コード入力すれば、「嵜」を印刷できます。
ただし、「㟢」は登録されていないので、テプラでは出すことが出来ません。
「㟢」をどうしても出したい場合は、パソコンに接続できる機器を購入するしかないです。
こちらは、上位機種SR750です。
こちらは、パソコン/スマホ接続用専用テプラです。
どんな文字も印刷出来ちゃいます。
最後に
「崎」という漢字に旧字はあるか確認しましたが存在しないことが分かりました。
しかし、複数の異体字が存在し、大の部分が「立」になる「﨑」(たつさき)が有名ですが、山へんが冠となる異体字の存在が明らかになりました。
これらの異体字を、パソコンやスマホ・テプラで出すにはどうするのか、手順を示してわかりやすく紹介しました。
本記事で紹介した入力方法や文字コードを活用すれば、戸籍通りの字形を正確に扱いやすくなるはずです。
参考
上級漢和辞典 漢字源 学研
※思えば、「漢字の旧字」の記事も増えてきたようです。









60爺



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