獲得至難の将棋七大タイトルの永世位 その称号名と獲得条件を示す

  • 2018年4月4日
  • 2020年7月26日
  • 将棋

1.将棋タイトルの永世位とは

将棋の八大タイトルの説明をした際に、タイトルの名称と序列、タイトル戦、タイトル戦の実施時期及び永世位について述べさせていただきました。

ここでは、上記の最後にある永世位について掘り下げてみたいと思います。

将棋をご存じでない方には、将棋タイトルの永世位と言ってもピンと来ない方がほとんどだと思います。

永世位獲得までの道のりを解説し、その困難さを理解していただければと思います。

2018年の竜王戦で、羽生善治竜王が永世七冠を達成し、国民栄誉賞に輝いたことを覚えていらっしゃいますか?

将棋でタイトルを獲得すると、たとえば、竜王一期とか、名人二期と呼ばれます。そして、それぞれのタイトルについて決まった回数を獲得すると、その棋士は永世XXと呼ばれる権利を手に入れるのです。

たとえば、名人は五期、竜王は連続五期か通算七期(羽生永世竜王は通算七期、もうひとりの永世竜王である渡辺永世竜王は連続五期で永世位を獲得しました)と決まっていです。

このため、たとえば、永世名人になるには、A級に登って(C2からA級まで最短で4年かかる)、A級1位になって、時の名人に4勝して始めて名人一期ですから、名人を獲得するには最低5年かかります。そして、あと4回名人を獲得すれば永世名人の資格を得ることができるわけです。

しかし、長い将棋界の歴史の中、永世名人位は6名しかいません。永世位を獲得するのは、それだけ大変なことなのです。

他のタイトルも同様です。予選に勝って、本戦を通って挑戦者になり、番勝負を勝ち取ってタイトル一期、それから規定された期をクリアして初めて永世位となれるのです。

そのため、それぞれのタイトルの永世位獲得者は若干名しかおりません。

2.永世位獲得条件

以下に、七大タイトルの永世位の名称と獲得条件を示します。

  • 竜王:永世竜王 連続五期か通算七期
  • 名人:永世名人 通算五期
  • 王位:永世王位 連続五期か通算十期
  • 王座:名誉王座 連続五期か通算十期
  • 棋王:永世棋王 連続五期
  • 王将:永世王将 通算十期
  • 棋聖:永世棋聖 通算五期

王座だけ、「永世」ではなく「名誉」の名称になっています。

永世棋王は通算獲得数では永世位を獲得できません。

また、王将は通算獲得十期と、他の棋戦に比べ獲得するのが著しく難しくなっているのが分かると思います。

3.永世位獲得者

7大タイトルの永世位を獲得した棋士を以下に羅列します。

■永世竜王 渡辺明(2008年) 羽生善治(2017年)
■永世名人 木村義雄(1949年) 大山康晴(1956年)
      中原誠(1976年) 谷川浩司(1997年)
      森内俊之(2007年) 羽生善治(2008年)
■永世王位 大山康晴(1997年) 中原誠(1997年)
      羽生善治(1997年)
■名誉王座 中原誠(1996年) 羽生善治(1996年)
■永世棋王 羽生善治(1995年) 渡辺明(2017年)
■永世王将 大山康晴(1973年) 羽生善治(2006年)
■永世棋聖 大山康晴(1965年) 中原誠(1971年)
      米長邦雄(1985年) 羽生善治(1995年)
      佐藤康光(2006年)

  ※永世王位、名誉王座は、それぞれ1997年、1996年に創設

これだけしかおりません。しかも、だぶっている人がありますので、それをより分けていくと、9名しかいないのです。

現在の棋会には、約160名の棋士が所属しておりますが、そして、過去も連綿と続いてきた中の9名です。

それだけ、永世位を獲得するのは至難なのです。

そして、羽生永世七冠は、これら全てを制した初めての棋士であり、今後、この記録は当分破られることは無いでしょう。可能性のあるのは、先日、棋聖を獲得した藤井聡太棋聖でしょうか?

国民栄誉章を受賞しても不思議はないのが理解いただけたでしょうか。