将棋の棋戦とは何か?その種類と概要についてまとめてみた

2022年8月23日

今まで、タイトル戦や、NHK杯朝日杯などの解説をしてきました。これらは、皆、棋戦と言います。そこで、今さらながら棋戦について考えてみたいと思います。

将棋の棋戦とは何でしょうか?まずはググってみました。

  • デジタル大辞泉 囲碁または将棋の勝負。
  • ニコニコ大百科 囲碁・将棋のタイトルを争う大会・勝負である。主にプロのものを指す。
  • goo国語辞書   囲碁または将棋の勝負。

プロ即ち棋士、女流棋士の勝負を指すようです。女流棋士のものは特に「女流棋戦」というようです。

日本将棋連盟の棋戦一覧を見に行くと一目瞭然でどんな棋戦があるかわかります。そして、このページでも、棋戦一覧と女流棋戦一覧に分かれていることが見られるでしょう。

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棋戦の種類

棋戦の種類ですが、下記の図にありますように、大きく公式戦と非公式戦に分かれます。

その違いは次のようになっています。

  • 公式戦:対局結果と棋譜が日本将棋連盟の公式記録に残る棋戦
  • 非公式戦:対局結果と棋譜が日本将棋連盟の公式記録に残らない棋戦

日本将棋連盟の公式記録に残るかどうかで別れるんですね。

但し、非公式戦であっても、棋戦の主催者が対局結果や棋譜(もしくは対局の映像)を保管あるいは公開している場合があります。そのため、非公式戦だからといって必ずしも記録が失われるわけではありません。


公式戦の種類

タイトル戦

タイトル戦は、優勝者にタイトル(称号)が与えられる棋戦を指します。竜王や名人などですね。2022年5月時点では、藤井聡太竜王が、竜王の他、王位、叡王、王将、棋聖の5つのタイトルを保持しています。

さて、公式戦に、どんなものがあるか見ていきましょう。上手にあるように、公式戦には、タイトル戦と一般棋戦があります。

以下に、タイトルの序列を記載します。

  • 竜王戦、名人戦 > 王位戦 > 王座戦 > 棋王戦 > 叡王戦 > 王将戦 > 棋聖戦

女流タイトル戦も8つあります。

こちらも序列を示します。

  • 白玲戦(女流順位戦)> 清麗戦 > マイナビ女子オープン > 女流王座戦 > 女流名人戦 > 女流王位戦 > 女流王将戦 > 倉敷藤花戦

一般棋戦

一般棋戦はタイトル戦以外の公式戦を指します。次の3つに分類できます。

  • 全棋士参加棋戦(朝日杯将棋オープン戦、銀河戦、NHK杯テレビ将棋トーナメント)
  • 上位棋士選抜棋戦(将棋日本シリーズ)
  • 若手棋士・低段棋士・下位棋士選抜棋戦(新人王戦、YAMADAチャレンジ杯、加古川青流戦)

女流の一般棋戦は次の通りです。

  • 若手棋士等選抜棋戦(YAMADA女流チャレンジ杯)

非公式戦

棋士の非公式戦ですが、現在3つの棋戦があります。

  • ABEMAトーナメント
  • SUNTORY 将棋オールスター 東西対抗戦2021
  • 新銀河戦

女流棋士の非公式戦は4つの棋戦があります。

  • 白瀧あゆみ杯争奪戦
  • 世田谷花みず木女流オープン戦
  • 1dayトーナメント
  • 女流ABEMAトーナメント

各棋戦の概要

それでは、上述した各棋戦の概要を述べておきます。一部、個別にアップしている記事と重複する部分があります。

タイトル戦

棋士のタイトル戦は八大タイトルと呼ばれているものです。そして、上述したように、女流棋戦も新棋戦が立ち上げられて、八つのタイトル戦が行われています。

棋士のタイトル戦

以下に、棋士のタイトル戦の棋戦名と開始時期、番勝負とその日程を一覧にしました。

棋戦名開始年度称号永世称号番勝負時期賞金額
竜王戦1988年竜王永世竜王七番(2日制)10月~12月4,400万円
名人戦1935年名人永世名人七番(2日制)4月~6月3,500万円
王位戦1960年王位永世王位七番(2日制)7月~9月2,000万円
叡王戦2017年叡王五番(1日制)4月~6月1,500万円
王座戦1983年王座名誉王座五番(1日制)9月~10月1,400万円
棋王戦1975年棋王永世棋王五番(1日制)2月~3月1,300万円
王将戦1951年王将永世王将七番(2日制)1月~3月1,200万円
棋聖戦1962年棋聖永世棋聖五番(1日制)6月~7月1,100万円

各タイトル戦の詳細は次の記事をご覧ください。

賞金について詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。

叡王戦を除くタイトル戦には、獲得期数等によって永世位を授けられます。ご存知のように、羽生善治九段は永世七冠となっています。

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女流棋士のタイトル戦

以下に、女流棋士のタイトル戦の棋戦名と開始時期、番勝負とその時期を一覧にしました。なお、女流棋戦の番勝負は全て1日制です。

棋戦名開始年度称号永世称号番勝負時期
白玲戦2020年白玲七番9月~11月
清麗戦2019年清麗クイーン清麗五番4月~6月
マイナビ女子オープン2007年女王永世女王五番4月~6月
女流王座戦2011年女流王座クイーン王座五番10月~12月
女流名人戦1974年女流名人クイーン名人五番1月~2月
女流王位戦1989年女流王位クイーン王位五番4月~6月
女流王将戦1978年女流王将クイーン王将三番10月
倉敷藤花戦1962年倉敷藤花クイーン倉敷藤花三番11月

各タイトル戦の詳細は次の記事をご覧ください。

一般棋戦

棋士の一般棋戦

全棋士参加棋戦、上位棋士選抜棋戦、若手棋士・低段棋士・下位棋士選抜棋戦ごとに、棋戦名と開始時期、出場棋士の条件、賞金額を一覧にしました。

◆全棋士参加棋戦

3つの棋戦があります。優勝すれば、大きな賞金を手にできるとともに、大きな名誉も取得できます。

棋戦名開始時期賞金額
朝日杯将棋オープン戦2017年750万円
銀河戦1991年非公表
NHK杯テレビ将棋トーナメント1951年非公表
◆上位棋士選抜棋戦

この棋戦に参加するには、昨年度賞金ランク上位に食い込まなければなりません。

対局は全国を回ります。

棋戦名開始時期出場条件賞金額
将棋日本シリーズJTプロ公式戦1980年前回優勝者
タイトル保持者
獲得賞金ランキング上位者の12名
750万円
◆若手棋士・低段棋士・下位棋士選抜棋戦

新人王戦はに優勝した棋士は、将来大成する可能性が高いです。

棋戦名開始時期出場条件賞金額
新人王戦1970年タイトル戦未出場の六段以下かつ26歳以下の棋士非公表
YAMADAチャレンジ杯2016年タイトル戦未出場の五段以下かつプロ入り15年以下の棋士非公表
加古川青流戦2011年四段非公表

女流棋士の一般棋戦

◆若手棋士選抜棋戦
棋戦名開始時期出場条件賞金額
YAMADA女流チャレンジ杯2015年タイトル戦未出場の女流二段以下 かつプロ入り15年以下の女流棋士非公表

非公式戦

棋戦名と概要及び賞金を一覧にしました。

棋士

ABEMAトーナメントは将棋界では珍しい団体戦です。普段、見ることのできない棋士達の素顔が垣間見れます。

棋戦開始時期概要賞金額
ABEMAトーナメント2018年第3回は団体戦。3人1組を1チームとし、計12チームを4つのリーグに分けて戦い、3チームのうち、上位2チームが本戦トーナメント進出となる1,000万円
SUNTORY
将棋オールスター
東西対抗戦
2021年選出された東西各5名の棋士により、決勝戦(オールスター東西対抗戦)を実施する。500万円
新銀河戦2021年選抜棋士32名によるトーナメント非公表

女流棋士

棋戦開始時期概要賞金額
白瀧あゆみ杯争奪戦2006年選抜された若手女流棋士を中心としたトーナメント戦非公表
世田谷花みず木女流オープン戦2007年若手女流棋士等4名で行われる1日制のトーナメント非公表
1dayトーナメント2021年毎月開催の大会ごとに出場者を決める自由参加の早指し非公表
女流ABEMAトーナメント2020年第2回は、ABEMAトーナメント第3回以降同様の1チーム3名の団体戦
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最後に

将棋の棋戦について解説しました。

現在、藤井竜王(五冠)が棋界を席巻しつつありますが、他棋士も虎視眈々と巻き返しを図っている状況です。

そんな中で、タイトル戦、一般棋戦で棋士たちは鎬(しのぎ)を削っています。

見る将の方々は、タイトル戦も一般棋戦の違いがよくわからないでしょうが、本記事で少しでも参考になれば幸いです。

参考記事

wiki 棋戦

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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