棋士の序列について大特集!決め方や現役棋士のランクまで網羅するよ

2023年3月4日


将棋界は実力の世界ですから、その実力によって、将棋盤を挟んで上座、下座どちらに座るのか厳格に定められています。

即ち、実力があると規定された方が上座に座るのです。

AbemaTVなどで将棋の中継が成されますが、その際、対局している棋士の位置は、全て規定に従い、決まっているわけですね。

先日、将棋八大タイトルの序列についての記事をアップしました。

その中で、「棋士の序列」について簡単に触れましたが、今回は、この「棋士の序列」について、棋士の序列の決め方や現役棋士の序列等について詳しく書きたいと思います。

どうか、最後まで、ご一緒にご覧ください。

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棋士の序列の決め方

最初に、棋士の序列がどう決まるのか見ていきます。

棋士の序列の決め方

棋士の序列は次の条件により決定します!

序列条件詳細
1竜王と名人タイトル数が多い者が1位、少ない者が2位。
タイトル数が同じ場合、棋士番号※が小さい者が1位、大きい者が2位。
2その他のタイトル保持者タイトル数が多い順に上位。
タイトル数が同じ場合、より上位のタイトルを持っている者が上位。
3永世称号(資格)保持者より早く何らかの資格を得た者が上位。
種類や数は関係ない
4段位段位が同じ場合、より早くその段位になった者が上位

ご覧のように、序列1位には、竜王と名人が並んでいます。

以下、「竜王、名人以外のタイトル保持者」、「永世称号(資格)保持者」、「段位」の順ですね。

竜王と名人を二人で持っている場合は、タイトル数の数で上位が決まり、数も同じなら棋士番号で決まるんですね。

序列2以降も、細かい条件が設定されて、明確に棋士の序列が決められる訳です。

ここで、出てきた棋士番号について説明します。

棋士番号は、棋士が四段になる際につけられる連番です。

歴史は、1960年代に遡って始められ、トップは土居市太郎名誉名人(関根金次郎13世名人門下)でしたが、1970年代になって(何故か)見直され、現在のトップは金易二郎名誉九段となっています。

上記に出た永世称号の獲得条件です。

永世位の名称獲得条件
永世竜王連続五期か通算七期
永世名人通算五期
永世王位連続五期か通算十期
永世叡王通算五期
名誉王座連続五期か通算十期
永世棋王連続五期
永世王将通算十期
永世棋聖通算五期

タイトルを取るのは至難ですが、永世位獲得はさらにその上を行くんですね。

永世位の詳細に関しては、こちらの記事をご確認ください。

めちゃくちゃ大変なことがお分かりでしょうか。

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現役棋士の序列

現在(2023年7月1日)の将棋界の現役棋士の序列を見ていきましょう。

現役棋士の序列

タイトル保持者が2名なので、竜王と名人を持った藤井竜王・名人(七冠)がトップで伊藤匠叡王が序列2位になります。

  1. 藤井聡太竜王・名人(七冠)
  2. 伊藤匠叡王
  3. 谷川浩司17世永世名人
  4. 羽生善治永世七冠
  5. 佐藤康光永世棋聖
  6. 森内俊之第18世永世名人
  7. 渡辺明九段

残りの棋士は段位で序列が決まります

同じ段位の場合、より早くその段位になった者が上位と決められていましたね。

さて、比較対象として、現在から2年前の序列(2023年3月2日現在)を見ておきましょう。

現役棋士の序列

タイトル保持者は3名でした。

竜王と名人が2人に分かれていましたので、タイトル数の数で1位と2位が分かれました。

  1. 藤井聡太竜王(五冠)
  2. 渡辺明名人(二冠)
  3. 永瀬拓矢王座
  4. 谷川浩司17世永世名人
  5. 羽生善治永世七冠
  6. 佐藤康光永世棋聖
  7. 森内俊之第18世永世名人
  8. 渡辺明九段

残りの棋士が段位で序列が決まるのは現時点と同じです。

同じ段位の場合の序列も、現在と同様の決め方と同じですね。

上記で述べた棋士の序列は、日本将棋連盟公式ホームページ棋士データベースに載っています。

ポチッとクリックしてデータベースを覗いてください。

タイトル保持者の下に、段位別に棋士の一覧が載っていますよ。

規定について、こんなことが書いてありました。

実は、「竜王と名人では同時に保持するほかのタイトル数が多いほうが上位」という規定は、わずか12年ほどしか経っていません。

長らく、「竜王と名人で棋士番号が若い(先輩)ほうが上位」の規定のみが周知されていた。

序列に関わるエピソード

名目上の序列は以上です。

ただ、実際の運用においてはタイトルを持たない場合で段位が同じ場合は、棋士番号が小さい者が上座に座るのが暗黙の了解とされています。

タイトルホルダーであっても実績に勝る先輩棋士や引退を控えた大棋士に対して敬意を表して上座を譲る光景がまれに見られるそうです。

ここには、昔の将棋界では序列にまつわるつぎのようなエピソードがありました。

  • 谷川九段が名人を奪取した後、加藤一二三九段との対戦で、先に上座に座られ「私の座る席がない」と内心思った
  • A級1期目の羽生(当時四冠王)が中原誠十六世名人、谷川とA級順位戦で当たった時に上座に座った

昔の将棋界は、まだまだ、実績に勝る(と思っている)先輩棋士に対して忖度があった時代でした。

現在なら、谷川・羽生が上座でまったく問題視されないでしょう。

また別に、女流棋界の第一人者、清水市代女流七段との棋士との対局で起きたエピソードがあります。

棋士と女流棋士との対局では、棋士の方が上座につく規定です。
伊藤真吾六段と梶浦宏孝七段がいずれも新四段のときに清水女流七段と公式戦で対局の際、どちらも「私が上座でいいのでしょうか」と聞いたエピソードがあります。
これも、清水女流に第一人者の風格があり、新四段が、その威光に戸惑ったモノと言えます。

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タイトルの序列について

最後に八大タイトルの序列を載せておきます。

序列タイトル戦名
1位竜王戦
名人戦
3位王位戦
4位叡王戦
5位王座戦
6位棋聖戦
7位棋王戦
8位王将戦

この序列は何で決まったのでしょうか?

タイトル戦の序列は契約金の額(wiki 棋戦)によるものです。合わせて、タイトル戦の歴史も、その序列に影響を与えています!

棋士の序列を決める際、序列の条件2で「その他タイトル保持者」で「タイトル数が多い順に上位。タイトル数が同じ場合、より上位のタイトルを持っている者が上位。」とあります。

「より上位のタイトル」を判断する時に、この「八大タイトルの序列」がモノを言うんです。

「八大タイトルの序列」に関しては、こちらの記事をご覧になってください。

何事も序列で決まる将棋界!

とにかく強くなければ、その存在価値がない世界です。厳しい!

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最後に

棋士の序列について見てきました。

規定がきちんと設けられていて、棋士の序列が明確になるんですね。タイトルを持っていると、棋士データベースのトップページに顔が出ます。

やはり、八大タイトルの序列がモノを言って、竜王・名人を持っていると格が違う訳です。他のタイトルを持てば、序列の上位には入れます。永世位も格別ですね。

いずれにせよ、序列がピシッと決められるので、棋士は強くならねばならんのですなあ~!

参考
棋戦|ウィキペディア
300を超えた棋士番号 後輩200人超に感じる年月の重み
藤井聡太竜王は19歳にして「序列1位」で名実ともにトップ棋士に 将棋界における序列とは何か

■思えば、将棋の記事も増えてきましたね!

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この記事を書いた人

60爺

60路を越え、RaspberryPi と出会い、その関係でブログ開設(2017/2~)となりました。始めてみると、コツコツやるのが性に合ってしまい、漢字の記事から家の補修・将棋・windows10関係・別名・言い方などジャンルを拡大して今に至ってます。まだまだ、元気なので新たな話題を見つけて皆様に提供できればと思っています。「プロフィールはこちら

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